実勢価格
概要
実勢価格とは、実際に不動産が市場で取引される価格、すなわち時価のことです。売主と買主の交渉や市場の需給バランスによって変動し、公示価格や路線価といった公的な評価額とは異なるのが一般的です。
実勢価格の決定要因
実勢価格は、市場経済の原理に基づいて形成される価格であり、その決定には様々な要因が複雑に絡み合います。主な決定要因としては、以下のようなものが挙げられます。
・物件自体の条件:土地の広さ、形状、方角、接道状況、建物の築年数、構造、間取り、設備、耐震性などが価格に大きく影響します。例えば、当社が扱うような再建築不可の物件は、一般的な市場では需要が低く、実勢価格も低くなる傾向があります。
・立地条件:最寄駅からの距離、交通の便、周辺の商業施設、学校、病院などの利便性、治安、将来的な開発計画などが価格を左右します。
市場の需給バランス:買い手が多い売り手市場であれば価格は上昇しやすく、逆に売り手が多い買い手市場であれば価格は下落しやすくなります。金利の動向や景気状況も需要に影響を与えます。
・個別要因:売主の売却理由(急いで現金化したいなど)、買主の購入意欲、交渉力、さらに隣地との関係や、共有持分といった権利関係の複雑さなども実勢価格に影響を及ぼします。
・時期的な要因:不動産市場には季節性や流行があり、時期によって価格が変動することもあります。
実勢価格は、これらの要因が総合的に判断され、最終的には売主と買主の合意によって決定されます。そのため、同じような条件の不動産であっても、取引時期や当事者の状況によって価格が異なることは珍しくありません。
実勢価格と公的価格との違い
不動産の価格には、実勢価格の他に公示価格、路線価、固定資産税評価額といった公的な評価額が存在します。これらの公的価格は、それぞれ異なる目的のために算定されており、一般的に実勢価格とは乖離があります。
・公示価格:国土交通省が公示する、標準地の「正常な価格」。一般の土地取引の指標となりますが、実勢価格よりも高くなることもあれば低くなることもあります。
・路線価:国税庁が定める、相続税や贈与税の評価基準。公示価格の約80%が目安とされ、実勢価格より低いのが一般的です。
・固定資産税評価額:市町村が定める、固定資産税などの課税基準。公示価格の約70%が目安とされ、実勢価格より低いのが一般的です。
当社フィリアコーポレーションは、空き家専門の買取会社として、権利関係に課題のある物件(再建築不可、共有持分、長屋・連棟、法的・物理的制約を伴う不動産)の買取に特化しています。これらの物件は、公的な評価額はそこそこあっても、市場での需要が極めて低いため、実勢価格が公的価格を大幅に下回ることが多々あります。
例えば、接道義務違反の土地は、通常の融資を受けにくく、再建築も困難なため、一般の買い手が見つかりません。しかし、公示価格や路線価ではある程度の評価がされているため、売主様が実際の価値を誤解してしまうケースが見られます。当社では、1000件以上の相談・査定実績から得た実務に基づいたリアルな知見により、こうした物件の真の実勢価格を見極め、お客様にとって最良の解決策を提示しています。
不動産売却における実勢価格の把握
不動産を売却する際、最も重要なのは、その不動産の実勢価格を正確に把握することです。期待値だけで売却活動を行うと、長期間売れ残ったり、最終的に大幅な値下げを強いられたりする可能性があります。
実勢価格を把握するためには、以下のような方法があります。
・不動産会社の査定:複数の不動産会社に査定を依頼し、その物件の実勢価格に近い妥当な価格を提示してもらうのが一般的です。当社のような訳あり不動産に特化した買取会社は、一般の不動産会社では対応が難しい物件でも、実務経験に基づいた独自の査定基準で、より現実的な価格を提示できます。
・周辺の成約事例の調査:近隣で類似の物件がいくらで売却されたかを調べることで、おおよその相場を把握できます。国土交通省の「土地総合情報システム」などでも成約価格の一部を閲覧できます。
・不動産鑑定士による鑑定評価:より客観的で信頼性の高い評価が必要な場合は、不動産鑑定士に鑑定評価を依頼する方法もあります。
当社では、売主様の契約不適合責任の免除、残置物の処理不要、隣人交渉不要など、心理的・実務的負担を軽減する提案を強みとしており、お客様が安心して不動産を現金化できるようサポートしています。実勢価格についてご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q
実勢価格はどのように決まるのですか?
Q
公示価格や路線価は実勢価格とどのくらい違いますか?
Q
不動産を高く売るためには、実勢価格をどう活用すれば良いですか?
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