コラム記事
実家が空き家になったら?相続空き家の問題と対処法
公開日 2025年8月20日
最終更新日 2025年10月29日

親御様から受け継いだ、思い出の詰まったご実家。しかし、いざ自分が相続するとなると「これからどうしよう…」と頭を悩ませていませんか。管理の負担や税金のこと、ご兄弟との意見調整など、課題は山積みです。この記事では、そんなあなたの不安に一つひとつ寄り添い、後悔しないための正しい進め方を、空き家専門家の視点から具体的に解説します。
目次
相続した空き家をそのままに?潜む3つの深刻な末路
この章では、相続した空き家を安易に放置してしまった場合に起こりうる、3つの深刻な末路について解説します。
- 【末路1】固定資産税や修繕費で、金銭的負担が増え続ける
- 【末路2】兄弟間の意見対立や、近隣からのクレームで人間関係が悪化する
- 【末路3】家の価値は下がり続け、最終的に「負動産」になる
「とりあえずそのままで…」という判断が、将来的にどれだけ大きな負担に繋がるかを知ることは、後悔しないための第一歩です。ご自身とご家族の未来を守るためにも、まずは現実的なリスクから目をそらさずに確認していきましょう。これらのポイントを理解することで、なぜ早期の対策が必要なのかが明確になります。
【末路1】固定資産税や修繕費で、金銭的負担が増え続ける
相続した空き家を所有しているだけで、継続的に金銭的な負担が発生し続けるという厳しい現実があります。人が住んでいなくても、土地と建物には毎年「固定資産税」が課税されます。さらに、建物の状態を維持するためには、定期的な庭の手入れや小規模な修繕、数年に一度は給湯器の交換や屋根の補修といった「管理・修繕費」も必要です。これらは決して利益を生まない、純粋な持ち出し費用となります。
特に注意すべきは、放置によって管理不全と判断され「特定空家」に指定されるケースです。この場合、固定資産税の軽減措置(住宅用地の特例)が適用されなくなり、税額が最大で6倍に跳ね上がる可能性があります。年間10万円だった税金が60万円になることもあり得るのです。このように、空き家は所有しているだけでお金を消費し続けるため、放置は家計を圧迫する大きな要因となります。
【末路2】兄弟間の意見対立や、近隣からのクレームで人間関係が悪化する
空き家が引き起こす問題は、金銭的なものに留まりません。時には、大切にすべき家族や隣人との人間関係にまで、深刻な亀裂を生じさせることがあります。複数のご兄弟で相続した場合、「誰が管理するのか」「費用の負担割合はどうするのか」といった点で意見が対立しがちです。「兄は売却したいが、弟は思い出の家だから残したい」といった感情的なすれ違いも、関係をこじらせる一因です。
また、管理を怠れば、庭の雑草が隣地にまで伸びたり、害虫が発生したり、不審者がゴミを不法投棄する場になったりする恐れがあります。そうなると、近隣住民から役所へ苦情が寄せられ、ご自身の知らないところで問題が大きくなっているケースも少なくありません。最初は小さな火種であったとしても、放置することで、お金では解決できない人間関係のトラブルへと発展してしまうのです。
【末路3】家の価値は下がり続け、最終的に「負動産」になる
何もせず放置された空き家は、時とともにその資産価値を失い続けます。人が住まなくなり、換気や通水が途絶えた木造住宅は、私たちが思う以上に早く劣化していきます。雨漏りによる柱の腐食、湿気によるカビの発生、シロアリ被害など、一度発生すると修繕には多額の費用がかかります。
5年前であれば数百万円で売れたかもしれない家が、今では買い手がつかず、解体費用を自己負担しなければ手放せない…。そんな、資産価値がマイナスになってしまった状態が、いわゆる「負動産」です。私たちはこれまで、そうした物件を数多く見てきました。思い出の詰まったご実家が、将来の負担にしかならない「負の遺産」と化す前に、まだ資産価値が残っているうちに行動を起こすことが、何よりも重要と言えるでしょう。
家族との話し合いは“理想と現実”。問題解決を導くリーダーシップの重要性
相続問題を円満に進めるには、相続人同士でしっかり話し合うことが大切です。しかし、それはあくまで理想論であり、現実には誰かがリーダーシップを発揮して能動的に動かない限り、問題はただ先送りになるだけです。
- ステップ1:相続の現実に目を向ける。「いつか」は来ない
- ステップ2:“あなたが”中心となり、手続きを進める意思を明確にする
- ステップ3:専門家を代理人として活用し、感情的な対立を避ける
相続人の誰かが亡くなれば、その子供たちへとさらに権利が分散し、問題はより複雑化します。全員の意見が円満にまとまるのを待つのではなく、現実を見据えて行動を起こすことが何よりも重要です。
ステップ1:相続の現実に目を向ける。「いつか」は来ない
まず認識すべきは、あなたが動かなければ、誰も動かない可能性が高いという現実です。相続人の中には、連絡が遅かったり、他人任せで非協力的だったりする人がいるのも珍しくありません。「全員の意見が一致したら…」と考えていては、あっという間に数年が経過し、事態は悪化の一途をたどります。相続は、誰かが亡くなるたびに発生する待ったなしのイベントです。あなたがこの問題を解決しないまま亡くなれば、次はあなたの子供たちが、さらに複雑になった問題を引き継ぐことになるのです。
ステップ2:“あなたが”中心となり、手続きを進める意思を明確にする
問題を解決すると決めたなら、まずはあなたが中心となって動くことが不可欠です。他の相続人には、「空き家を放置するリスク」と「解決に向けて手続きを進める意思」を明確に伝えましょう。もちろん、協力をお願いする姿勢は大切ですが、返事を待つだけではいけません。期限を区切って連絡を促し、最低限の合意形成や報告を行った上で、代表して手続きを進める覚悟が必要です。この段階でリーダーシップを発揮することが、問題を動かす最初の、そして最も重要な一歩となります。
ステップ3:専門家を代理人として活用し、感情的な対立を避ける
ご自身で他の相続人と直接やり取りするのが難しい場合、専門家を代理人として活用するのが非常に有効です。不動産の専門家が第三者として間に入ることで、感情的な対立を避け、客観的な事実に基づいた建設的な話し合いを進めやすくなります。特に、売却価格の分配など金銭が絡む話では、専門家からの提案という形をとることで、相続人間の無用な不信感を減らす効果も期待できます。私たちのような専門家は、単なる不動産のプロとしてだけでなく、複雑な人間関係を調整する潤滑油としての役割も担うことができるのです。
今すぐ動くべき理由がわかる!空き家売却を成功に導く3ステップ
この章では、ご家族の同意を得て「売却」という結論に至った方が、次に取るべき具体的なアクションについて解説します。
- ステップ1:なぜ「今」なのか?早期売却がもたらす3つの金銭的メリットを知る
- ステップ2:あなたの空き家はどっち?「仲介」と「買取」の最適な選び方
- ステップ3:無料査定から契約まで、安心して任せられる会社を選ぶ
ご家族との話し合いがまとまり、売却の方向性が決まったら、いよいよ具体的な行動に移る段階です。しかし、不動産売却は専門的な知識が求められるため、ご自身だけで進めるのは大変な労力がかかります。後悔のない取引を実現するには、信頼できる専門家と二人三脚で進めることが成功の鍵です。この章では、そのための具体的な3つのアクションプランを、順を追って分かりやすくご説明します。
ステップ1:なぜ「今」なのか?早期売却がもたらす3つの金銭的メリットを知る
空き家の売却は、正直なところ「いつかやろう」と先延ばしにしがちです。しかし、私たちが数多くの現場で見てきた結論は、「売却は早ければ早いほど金銭的なメリットが大きい」という厳然たる事実です。なぜなら、空き家には「①かかり続ける維持費」「②下がり続ける資産価値」「③使えなくなる税金の特例」という3つの時限爆弾が仕掛けられているからです。
特に見落としがちなのが、税金の特例です。例えば3,000万円の特別控除は、相続が始まってから3年が経過した日の属する年の年末までに売却しなければ適用できません。このチャンスを逃すだけで、数百万円もの税金を余計に支払うケースも珍しくないのです。維持費の流出を断ち切り、資産価値が目減りする前に、使える特例を最大限活用する。これが早期売却の最大のメリットと言えるでしょう。
ステップ2:あなたの空き家はどっち?「仲介」と「買取」の最適な選び方
空き家の売却方法には「仲介」と「買取」がありますが、物件の状況によって選ぶべき方法は明確に異なります。
もしあなたの物件が、駅近の整形地や築浅のタワーマンションなど、誰もが欲しがるような市場価値の高いものであれば、複数の仲介会社に依頼し、時間をかけて高く売却する戦略も良いでしょう。
しかし、この記事をお読みのあなたが相続した空き家のように、管理が行き届いていなかったり、何らかの問題を抱えていたりする場合は、専門の買取会社への売却が最も賢明な選択です。なぜなら、そうした物件は時間の経過と共に課題が大きくなり、資産価値が下落する「負の遺産」になる側面が強いからです。専門の買取会社であれば、仲介のように買い手を探す時間も不要で、最短数日で現金化が可能。さらに、引き渡し後の不具合に対する責任も一切免除されるため、将来にわたる不安から完全に解放されます。心理的な負担を一日でも早く解消することが、何より大切です。
ステップ3:無料査定から契約まで、安心して任せられる会社を選ぶ
最終的に、決定した方針に沿って、最後まで責任を持ってサポートしてくれる信頼できる不動産会社を選ぶことが、売却成功の最後の鍵となります。不動産取引には専門的な書類作成や法的な手続きが数多く含まれ、ささいなミスが後々の大きなトラブルに繋がりかねません。
良い会社を見極めるには、①あなたの状況や不安を親身に聞いてくれるか、②メリットだけでなくデメリットも正直に説明してくれるか、③空き家や相続案件に関する実績が豊富か、といった点を確認しましょう。例えば私たちは、契約内容を一つひとつ丁寧にご説明するのはもちろん、家財道具などの残置物の処分なども含め、売主様の手間が最小限になるご提案を常に心がけています。査定時の担当者の対応や、質問への回答の的確さも、信頼できるパートナーかを見極める重要な判断材料になります。売却への第一歩は、正確な価値把握からです。お気軽にご相談ください。
私たちはこう解決した!フィリアコーポレーションの買取事例紹介
この章では、実際に私たちがご相談を受け、「買取」によって問題を解決した具体的な事例を3つご紹介します。
- ケース1:ゴミ屋敷状態で放置されていた【東京都板橋区】の空き家
- ケース2:遠方にあり、草木が繁茂してしまっていた【神奈川県横浜市】の実家
- ケース3:相続手続きが未了のままだった【埼玉県川口市】の空き家
ご自身と似たような状況の方が、どのようにして課題を乗り越え、悩みから解放されたのかを知ることで、あなたの次の一歩をより具体的にイメージできるはずです。机上の空論ではない、現場のリアルな解決事例をご覧ください。
ケース1:ゴミ屋敷状態で放置されていた【東京都板橋区】の空き家
長年空き家だったご実家が、不法投棄などによりいわゆる「ゴミ屋敷」の状態になってしまい、近隣からの苦情もあってお困りだったお客様からのご相談でした。ご自身で片付けるにも、どこから手をつけて良いか分からず、専門業者に依頼すると高額な費用がかかるため、途方に暮れていらっしゃいました。私たちは、こうしたお悩みに対し、家の中の家財道具やゴミを一切処分することなく、そのままの状態で買い取るご提案をしました。査定額には処分費用も含まれているため、お客様が追加で費用を負担することは一切ありません。鍵をお渡しいただくだけで、長年の悩みだったゴミ屋敷問題が解決できたと、大変感謝いただけました。
ケース2:遠方にあり、草木が繁茂してしまっていた【神奈川県横浜市】の実家
ご自身は遠方にお住まいで、相続したご実家の管理が全くできていない、という典型的なご相談でした。夏場には庭の雑草が伸び放題となり、隣家にご迷惑をかけていないか、常に気がかりだったそうです。私たちは、お客様に現地へ何度も足を運んでいただくご負担がないよう、お電話と郵送を中心に手続きを進行。伸びきった草木の剪定や処分もすべて弊社で行うことを前提に買い取らせていただきました。売主様ご自身が草刈りや掃除をする必要は全くありません。物理的な距離や管理の手間といった問題を一挙に解決できるのが、私たちの買取の強みです。
ケース3:相続手続きが未了のままだった【埼玉県川口市】の空き家
亡くなった親御様名義のまま、相続登記が行われず、どうすれば良いか分からないというご相談でした。2024年4月から相続登記は義務化されましたが、戸籍謄本の収集や遺産分割協議書の作成など、手続きは非常に煩雑です。ご相談者様も、平日はお仕事で忙しく、ご自身で手続きを進めるのは困難な状況でした。そこで私たちは、提携している司法書士をご紹介し、相続登記の手続きから売却までをワンストップでサポートいたしました。お客様には必要最低限の書類にご署名・ご捺印いただくだけで、面倒な手続きをすべてお任せいただけた点に、ご満足の声をいただきました。
空き家相続でつまずかないための4つのQ&A
この章では、私たちがお客様から特によくいただく4つのご質問に、Q&A形式でお答えしていきます。
- Q1.相続登記がまだ完了していなくても、相談できますか?
- Q2.家の中に荷物(残置物)が大量にあっても、売却できますか?
- Q3.売却で利益が出た場合、税金を安くする方法はありますか?
- Q4.査定を依頼したら、必ず売却しないといけないのでしょうか?
ここまで記事を読み進めていただく中で、さらに具体的な疑問が湧いてきた方もいらっしゃるかもしれません。多くの方が同じような点でつまずき、悩んでいらっしゃいます。皆様の疑問は、決して特別なものではありません。ここで不安を解消し、安心して次の一歩を踏み出すための参考にしてください。
Q
1.相続登記がまだ完了していなくても、相談できますか?
Q
2.家の中に荷物(残置物)が大量にあっても、売却できますか?
Q
3.売却で利益が出た場合、税金を安くする方法はありますか?
Q
4.査定を依頼したら、必ず売却しないといけないのでしょうか?
まとめ:空き家相続は「先延ばし」が最大のリスク。まずは専門家への第一歩を
今回は、相続した空き家を前にしたときの正しい進め方について、具体的なステップを交えて解説しました。最後に、本記事の重要なポイントを5つにまとめます。
- 空き家の放置は「税金」「トラブル」「資産価値下落」の3大リスクを生む
- 円満解決の鍵は、相続人全員で話し合い、客観的な情報(査定)を共有すること
- 売却方法には「仲介」と「買取」があり、状況に応じて最適な手段を選ぶことが重要
- 複雑な手続きや家族間の調整は、専門家と二人三脚で進めるのが成功への近道
- 他社で断られる訳あり物件(共有持分、再建築不可など)も専門家なら解決可能
最も避けなければならないのは、問題を「先延ばし」にしてしまうことです。時間と共に、金銭的・精神的な負担は確実に大きくなっていきます。この記事を読んだ今が、行動を起こす絶好の機会です。まずはご家族とこの記事の内容を共有して話し合うこと、そして専門家に相談してみること。その小さな一歩が、あなたとご家族を未来の大きな悩みから解放する、最も確実な道筋となるはずです。
ひとりで悩まず、私たちにご相談ください
株式会社フィリアコーポレーションは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県を中心に、空き家、特に共有持分や再建築不可といった権利関係の複雑な不動産を専門に扱う買取会社です。
「何から手をつけていいか分からない」
「他の会社に相談したが、断られてしまった」
「とにかく早く、手間をかけずに問題を解決したい」
私たちは、そんな皆様の切実な声に、1000件以上の相談実績で培った知識と経験でお応えします。ご相談は無料、秘密は厳守いたします。お客様のお話を、代表である私、越川が直接お伺いすることも可能です。一人で抱え込まず、まずはあなたの状況をお聞かせください。必ず、お力になれることがあるはずです。
 
					越川直之【宅地建物取引士】【空き家相談士】
代表ブログへ
							株式会社フィリアコーポレーション代表取締役の越川直之です。
							当社は空き家や再建築不可物件、共有持分など、一般的に売却が難しい不動産の買取・再販を専門とする不動産会社です。
							これまでに1000件以上の相談実績があり、複雑な権利関係や法的・物理的制約のある物件にも柔軟に対応してきました。
							弊社ホームページでは現場経験に基づいた情報を発信しています。
							当社は地域社会の再生や日本の空き家問題の解決にも取り組んでおり、不動産を通じた社会貢献を目指しています。
						

