空き家

概要

居住者がおらず長期間使用されていない住宅のこと。人口減少や高齢化に伴い全国で増加しており、適切に管理されない空き家は倒壊など安全面の問題や行政からの是正勧告(特定空家指定)等のリスクがある。

空き家の現状と社会問題化

空き家とは文字通り人の住んでいない住宅です。別荘など一時的に使われない住宅も含みますが、一般的には誰も管理せず放置された家屋を指すことが多いです。日本では少子高齢化や都市部への人口流出により空き家が年々増加してきました。総務省の調査によれば、2023年時点で全国の空き家数は約900万戸に達し、住宅全体の13.8%が空き家という過去最高の水準に上っています​。これは30年前(1993年)の約2倍にあたる数字で、空き家問題が深刻化していることがわかります​。特に誰も利用予定のない放置空き家(賃貸用・売却用・別荘用途を除く純粋な空き家)は全住宅の5.9%(385万戸)にも上り​、社会全体で大きな損失となっています。空き家が増える背景には、相続で家を受け継いだけれど自分は住まないとか、高齢者が施設入居して旧宅がそのままといったケースが典型です。また人口減少が著しい地方では、住む人がいなくなった家が地域に点在し、防犯・防災上の不安要因となっています。行政もこの問題を重視し、2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」(いわゆる空き家対策特措法)を施行して自治体による強制的な是正措置を可能にしました。以降、多くの自治体で空き家バンク(空き家情報の登録制度)を設けるなど利活用促進策や、危険な空き家への行政代執行(強制撤去)の事例も出始めています。

放置された空き家が引き起こす問題

空き家を放置することは様々なリスクを伴います。まず建物の老朽化が進み、地震や台風などで倒壊・損壊する危険が高まります。実際、長年放置された空き家の屋根瓦や外壁が落下して通行人に怪我を負わせた例もあります。また誰も出入りしない家は犯罪や不法侵入の温床になりやすく、放火や不審者の住み着きといった社会問題にもつながります。庭木の繁茂や害虫の発生、ゴミの不法投棄など衛生面・景観面の悪化も近隣住民にとって大きな迷惑となります。こうした理由から、行政も危険な放置空き家を減らすために特定空家の指定制度を設けました。著しく管理がされておらず倒壊等の恐れがある空き家を「特定空家等」に認定し、所有者に除却や修繕の指導・勧告ができます。勧告を受けた特定空家については固定資産税の住宅用地特例(課税標準の1/6軽減)が外されることになり、結果として土地の固定資産税が最大で6倍に増額される可能性があります​。さらに命令に従わない場合は行政代執行で強制撤去され、その費用が所有者に請求されます。一方で「適切に管理されていない空き家」を減らすため、自主的に老朽家屋を解体した場合の補助金を出す自治体もあります。ただし更地にすると今度は住宅用地特例が適用されなくなる(固定資産税が上がる)ため、持ち主が解体をためらうケースもあります。このように空き家を巡っては様々な問題があり、社会全体での取り組みが求められているのです。

空き家の利活用策と専門業者の取り組み

増え続ける空き家に対し、近年は利活用や流通を促す動きも活発化しています。国や自治体は空き家バンク制度を通じて、空き家を住みたい人とマッチングしたり、リフォーム費用を補助して移住希望者に安く提供するなどの施策を行っています。また民間でも、古い空き家を買い取ってリノベーションし、再販売・賃貸するベンチャー企業が登場しています。フィリアコーポレーションも訳あり物件専門の観点から空き家問題に取り組んでおり、持ち主では手に負えなくなった空き家を現状のまま買取し再生する事業を展開しています。例えば遠方に住む方が相続した実家が空き家になっていたケースでは、当社が建物内の残置物撤去からリフォームまで一括して請け負い、綺麗に再生してから地元で住宅を探していた若い世代のご家族に購入していただいた例があります。また、築年数が古く借り手がつかなかった空き家を当社が買い取り、耐震補強と間取り変更を経て賃貸アパートに用途変更し、地域の住宅ストックとして蘇らせたケースもあります。このように専門業者の手を借りれば、老朽化した空き家でも解体以外の活用方法を見出せる可能性があります。もちろん中には立地や状態から再生が難しい空き家もありますが、その場合でも早めに売却することで所有者の負担(金銭・精神的コスト)を軽減することができます。空き家をお持ちの方は、放置せず自治体や専門会社に相談し、有効活用や円滑な処分につなげることが大切です。

よくある質問

Q

空き家を放置するとどんなペナルティがありますか?

A

放置された空き家は行政から「特定空家等」に指定される恐れがあります。特定空家に認定され勧告を受けると、固定資産税の優遇が外れ土地の税金が大幅に増額(最大で6倍)される可能性があります​。また倒壊の危険がある場合は修繕や撤去の命令が出され、それでも改善しないと最終的には行政代執行で強制解体されます。強制解体になれば費用は所有者負担です。さらに空き家が原因で隣家に被害(建材落下や害虫被害等)を与えれば損害賠償責任も問われかねません。空き家を長期間放置することはリスクだらけと言えます。

Q

空き家を売却・活用したい場合、どうすればいいですか?

A

まずは現状把握と専門家への相談が第一です。建物の老朽度合いや権利関係(相続登記が済んでいるか等)を確認し、地元の不動産会社や自治体の空き家バンクに問い合わせてみましょう。自力で売却する場合、多少のリフォームや荷物片付けを行うだけで買い手の付きやすさが変わります。費用をかけたくない場合でも、最近は空き家をそのままの状態で買い取ってくれる業者も存在します。フィリアコーポレーションのような訳あり物件専門の会社では、家財道具が山積みの空き家でも一括して引き受け、必要に応じて解体・撤去まで行っています。売主自身は何も手を煩わせずに現金化できるため、遠方に住んで管理できない空き家などには有効な手段です。自治体によってはリフォームして賃貸に出す際の補助金制度などもありますので、活用できる支援策がないか調べてみるのも良いでしょう。いずれにせよ、空き家は放っておくほど状況が悪化しますので、早め早めの対応が肝心です。

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