瑕疵物件
概要
瑕疵物件とは、通常の不動産に比べて何らかの欠陥(瑕疵)を抱える物件の総称です。雨漏りやシロアリ被害など建物の不具合(物理的瑕疵)、再建築不可など法律上の問題(法律的瑕疵)、過去の事件・事故による心理的嫌悪要因(心理的瑕疵)など、物件の価値や取引に影響を与える様々な問題を含みます。
瑕疵物件の定義と種類
瑕疵(かし)とは法律用語で「欠陥」や「不具合」を意味し、不動産取引においては物件が本来備えているべき正常な状態を欠いていることを指します。瑕疵物件とは、そうした欠陥を有する不動産全般のことで、一般に以下のような種類に分類されます。
・物理的瑕疵:建物や土地そのものに構造上・物理的な欠陥があるケースです。例えば、雨漏りやシロアリ被害、基礎のひび割れ、耐震強度不足、土壌汚染などが該当します。居住や利用に支障をきたす不具合であり、修繕しなければ安全に暮らせない恐れがあります。
・法律的瑕疵:権利関係や法律上の問題を抱えるケースです。代表的なものに再建築不可物件(法律の制約で建替えができない)、無許可増築、用途制限の問題、抵当権など権利未整理、建築基準を満たさない違法建築などがあります。このような瑕疵は法的手続きを経て解消しない限り、利用や転売に制限が伴います。
・心理的瑕疵:いわゆる事故物件と呼ばれるようなケースで、物件内での自殺や他殺、火災による死亡事故、孤独死など、人が亡くなった履歴があるために購入者・入居者に心理的抵抗感を与えるものです。また、反社会的勢力の拠点に使われていた履歴や、心霊現象の噂なども含む場合があります。物件そのものに物理的欠陥は無くても、過去の出来事によるマイナスイメージで市場価値が下がりやすい特徴があります。
・環境的瑕疵:物件の周辺環境に起因する問題です。例えば、近隣に悪臭を放つ施設(養豚場・ごみ処理場等)や騒音・震動の激しい施設(幹線道路・鉄道・工場)がある、日当たりが極端に悪い、暴力団事務所が近くに存在する、といったケースです。物件そのものではなく環境要因ですが、快適な生活に支障が出るため瑕疵とみなされます。
瑕疵物件の取引上の注意点
瑕疵物件は何らかの問題を抱えているため、通常の物件よりも取引に注意が必要です。売主は知り得る瑕疵について買主に告知義務を負い、事前に伝えなければなりません。2020年の民法改正により契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)が明文化され、引き渡し後に隠れた瑕疵が発覚した場合、買主は補修や損害賠償を請求できるようになっています。そのため、売主が故意に瑕疵を隠して取引を行うと、後日トラブルとなり契約解除や賠償問題に発展するリスクが高いです。特に心理的瑕疵(事故物件)は告知を怠ると重大な信用問題となるため注意が必要です。一方で買主の側も、瑕疵物件を購入する際は通常より慎重な調査(インスペクション等)を行い、リスクを織り込んだ価格交渉をします。瑕疵の内容によっては専門業者による修繕や法的手続きが必要であり、その分コストがかかるため売買価格は相場より低く設定されるのが一般的です。ただし裏を返せば、買主にとっては適切に対処すれば割安な物件を手に入れるチャンスともいえ、投資用や再生目的で積極的に瑕疵物件を探す専門業者や投資家も存在します。
フィリアコーポレーションの専門視点:瑕疵物件への対応
フィリアコーポレーションでは、さまざまな瑕疵物件の取引経験があります。当社は再建築不可のような法律的瑕疵物件や、過去に事故のあった心理的瑕疵物件の買取実績も豊富です。例えば、ある戸建て物件で雨漏り(物理的瑕疵)と耐震基準不足が判明したケースでは、当社が売主様から物件を買取り、専門施工業者による屋根補修と耐震補強工事を実施した上で再販しました。また、賃貸中に孤独死が発生したマンション一室(心理的瑕疵)では、オーナー様からの相談を受けて当社が買い取り、その後リフォームと特殊清掃を経て賃貸市場に再度投入した実例もあります。こうした実務を通じ、瑕疵の内容ごとに適切な対応策を講じることが重要だと実感しています。瑕疵物件は敬遠されがちですが、当社のような専門業者であれば欠陥部分の補修・調整や必要書類の整備、告知事項の開示などを一括して行い、売主様・買主様双方にとって安心できる取引を実現できます。「瑕疵があるから売れない」と諦める前に、まずは当社へご相談いただき、最適な活用方法や売却プランをご提案させていただきます。
よくある質問
Q
瑕疵物件でも買い手は見つかるのでしょうか?
Q
瑕疵を隠して物件を売却するとどうなりますか?