地積測量図

概要

地積測量図(ちせきそくりょうず)とは、土地の形状や面積(地積)、隣接する土地との境界線の位置、そしてその境界を確定した測量の方法などが詳細に記録された図面です。不動産登記法に基づき、法務局に備え付けられています。土地の売買や分筆、合筆、地積更正登記(面積を訂正する登記)などを行う際に作成・提出され、正確な土地の範囲を特定するための重要な公的書類となります。

地積測量図とはどのような書類か

地積測量図は、土地の「設計図」のようなもので、その土地が具体的にどのような形をしており、どこからどこまでが自分の土地なのかを、高い精度で示している公的な地図です。法務局に保管されており、誰でも手数料を支払えば取得できます。


地積測量図には、主に以下の情報が詳細に記載されています。

1.土地の形状と寸法:各辺の長さや、測量によって算出された土地全体の正確な面積(地積)が記載されています。

2.筆界点(境界標)の位置:土地の角や、隣地との境界線が折れ曲がる点(筆界点)の位置が、座標値(X,Y座標)で示されており、極めて高い精度で特定可能です。これにより、現地の境界標の位置を正確に復元できます。

3.境界標の種類:各筆界点に設置されている境界標の種類(コンクリート杭、金属標、石杭など)が明記されています。

4.隣接地の情報:隣接する土地の地番や所有者名(または氏名の一部)が記載されており、周囲の土地との関係を把握できます。

5.測量方法と基準点:測量を行った年月日や測量の方法、使用した測量基準点なども記載されており、測量図の信頼性を確認できます。


地積測量図は、単に土地の形状を示すだけでなく、隣地所有者の立会いと確認、そして合意のもとに作成される「境界確定測量」の結果を記録したものです。そのため、この図面に基づいて現地に設置された境界標は、公的に認められた土地の境界となり、将来のトラブルを未然に防ぐ重要な役割を果たします。特に、土地の売買や、担保設定、建築確認申請など、正確な土地の範囲を把握する必要がある際には、この地積測量図が不可欠となります。

地積測量図にまつわる「訳アリ不動産」の問題

地積測量図は土地の正確な情報を示す重要な書類ですが、それが存在しない、あるいは内容が古い、不正確であることが、不動産を「訳アリ不動産」にしてしまう大きな原因となります。

最も典型的なのは、地積測量図が法務局に備え付けられていないケースです。特に古い時代に登記された土地や、相続などで所有者が代々変わってきた土地では、正確な測量図が作成されていないことが珍しくありません。このような土地は、境界が不明確なまま放置されていることが多く、いざ売買や建築をしようとしても、隣地との間で境界紛争が発生するリスクが高まります。買主は将来的なトラブルを懸念するため、このような物件は敬遠され、売却が非常に困難になります。

また、古い地積測量図が存在しても、その図面が現在の測量基準と合致しない場合や、現地の境界標が失われている場合も問題です。たとえ測量図があっても、現地に境界標がなければ、改めて測量を行い、隣地所有者との間で境界の確認・合意形成を行う「境界確定測量」が必要となります。この測量には多額の費用と時間がかかり、特に隣地所有者が多数いる場合や、連絡が取れない、あるいは協力が得られない場合は、問題解決が長期化し、売主にとって大きな負担となります。当社フィリアコーポレーションが取り扱う空き家の中には、このような地積測量図にまつわる複雑な問題を抱え、一般の市場では売買が難しいとされているものが多数あります。

地積測量図の問題を抱える不動産の解決と当社の専門性

地積測量図に関する問題、特に地積測量図がない、あるいは境界が不明確な不動産の解決には、土地家屋調査士や弁護士といった専門家との連携に加え、隣地所有者とのデリケートな交渉を行う実務的なノウハウが不可欠です。当社フィリアコーポレーションは、まさにこのような権利関係に課題のある不動産、特に地積測量図に問題がある空き家の買取と問題解決に特化しています。

当社が提供する解決策の一つは、地積測量図の問題を含む物件を直接買い取ることです。これにより、売主様は、地積測量図の作成費用、隣地所有者との境界確定交渉、そして万が一紛争に発展した場合の法的手続きといった複雑で時間と費用のかかるプロセスから解放され、速やかに物件を現金化することができます。一般の不動産会社では、地積測量図に問題がある物件の扱いに難色を示すことがほとんどですが、当社は豊富な経験とノウハウを活かし、積極的に買取を検討します。

具体的には、当社の専門チームが対象不動産の状況を詳細に調査し、問題の根源を特定します。必要に応じて提携の土地家屋調査士に依頼して測量を行い、隣地所有者との粘り強い交渉を通じて、円満な合意形成を目指します。隣地所有者が遠方にいる、あるいは連絡が取れないといった困難な状況でも、当社が責任を持って対応し、境界確定を進めます。

売主様にとっては、残置物の処理が不要であったり、契約不適合責任を免除したりするなど、売却における心理的・実務的な負担を大幅に軽減する提案が可能です。当社は、1000件以上の相談・査定実績を通じて培った実務に基づいたリアルな知見を強みとしています。単なる法律の説明に終わらず、「どんな場面で問題になるのか」「売主にとっての影響」「どう解決してきたか」を明確に示しながら、売主様に寄り添った最適な解決策をご提案いたします。

よくある質問

Q

地積測量図はどこで取得できますか?

A

地積測量図は、全国どこの法務局でも取得することができます。最寄りの法務局の窓口で申請書を記入して取得する方法や、インターネットの「登記情報提供サービス」を利用してオンラインで請求し、PDF形式で情報を閲覧・印刷する方法、または郵送で証明書を受け取る方法などがあります。窓口での取得や郵送での取得には手数料がかかります。取得する際は、対象となる土地の地番を正確に伝える必要があります。

Q

地積測量図がない土地は売却できますか?

A

はい、地積測量図がない土地でも売却自体は可能です。しかし、地積測量図がない、つまり境界が明確でない土地は、買主が購入後に隣地とのトラブルに巻き込まれるリスクを懸念するため、一般の市場では買い手が見つかりにくく、売却価格も低くなる傾向があります。売買契約にあたっては、売主が境界を明示できない場合、「境界非明示」の特約を付けるケースもありますが、これによりさらに買主が限定される可能性があります。このような土地の売却には専門的な知識と交渉が必要となるため、当社フィリアコーポレーションのような訳アリ不動産専門の買取会社にご相談いただければ、そのままの状態で買い取り、売主様の負担なく売却を完了させることができます。

Q

地積測量図があるのに、現地の境界標がありません。どうすればいいですか?

A

地積測量図があるにもかかわらず現地の境界標がない場合でも、その地積測量図の精度が高ければ、境界標を復元することが可能です。この場合、土地家屋調査士に依頼して、測量図に記載されている座標値や寸法を基に現地を測量し、再度境界標を設置する「境界標の復元」という作業を行います。この際、隣地所有者との立ち会いは必須ではありませんが、将来的なトラブル防止のため、できる限り立ち会いを求めて確認を得ておくことが望ましいです。ただし、古い地積測量図の場合、測量精度が低く、復元が困難なケースもあります。

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