建物図面

概要

建物図面(たてものずめん)とは、建物の形状や位置、敷地内の配置、そして各階の床面積などが詳細に描かれた図面です。不動産登記法に基づき、法務局に備え付けられており、建物の物理的な状況を公示するための重要な公的書類となります。特に建物の新築や増築、滅失などの際に作成・提出され、建物と敷地の関係や建物の構造を把握するために利用されます。

建物図面とはどのような書類か

建物図面は、不動産登記の一部として、その建物が敷地内のどこに建てられていて、どのような形をしており、各階の床面積がどのくらいなのかを示すものです。法務局に保管されており、誰でも手数料を支払えば取得できます。


建物図面には、主に以下の情報が詳細に記載されています。

・建物の位置:敷地に対して建物がどの位置に建っているのか、隣地との離れ距離などが示されています。これにより、建ぺい率や容積率の適合性、隣地との関係性を確認できます。

・建物の形状:建物の外周の形状が描かれており、各辺の寸法も記載されています。これにより、建物の正確な形を把握できます。

・各階の平面図と床面積:各階ごとの間取り(壁の位置など)が描かれ、それぞれの階の床面積が記載されています。これにより、建物全体の規模や部屋の配置を把握できます。

・構造や種類:建物の構造(木造、鉄骨造など)や種類(居宅、店舗など)も併せて記載されていることがあります。

・地番・家屋番号:その建物が建っている土地の地番や、建物の家屋番号(登記上の番号)が明記されています。


建物図面は、建物の新築時に表示登記を行う際や、増築・一部取り壊しなどで建物の床面積や形状が変わった場合に変更登記を行う際に、土地家屋調査士によって作成され、法務局に提出されます。この図面は、不動産の物理的状況を正確に公示することで、建物の売買や担保設定、あるいは建築基準法などの法令遵守を確認する上で非常に重要な役割を果たします。特に、増改築履歴のある建物や、複数の建物が同一敷地内にある場合などには、この図面の確認が不可欠です。

建物図面にまつわる「訳アリ不動産」の問題

建物図面は建物の正確な情報を示す重要な書類ですが、それが存在しない、あるいは内容が古い、現況と一致しないことが、不動産を「訳アリ不動産」にしてしまう大きな原因となることがあります。

最も典型的な問題は、建物図面が法務局に備え付けられていないケースです。特に古い時代に建てられた建物や、未登記の建物、あるいは相続などで所有者が代々変わってきた建物では、建物図面が作成されていないことが珍しくありません。このような建物は、法的な情報が不足しているため、いざ売買や担保設定をしようとしても、正確な建物の状況が把握できず、取引が困難になります。買主は将来的なトラブル(例えば、違法建築ではないか、増築部分が登記されていないのではないか、など)を懸念するため、このような物件は敬遠され、売却が非常に困難になります。

また、建物図面が存在しても、現況の建物と図面の内容が一致しないケースも問題です。例えば、増築した部分が図面に反映されていなかったり、一部を取り壊したのに図面が修正されていなかったりする場合があります。このような不一致は、売買時に買主が不安を感じる要因となったり、融資審査の妨げとなったり、あるいは固定資産税の課税状況に影響したりすることがあります。さらに、建物図面がない、あるいは不正確な場合、火災保険の加入や、リフォーム・建て替えの際の建築確認申請にも支障が生じる可能性があります。当社フィリアコーポレーションが取り扱う空き家の中には、このような建物図面にまつわる複雑な問題を抱え、一般の市場では売買が難しいとされているものが多数あります。

建物図面の問題を抱える不動産の解決と当社の専門性

建物図面に関する問題、特に建物図面がない、あるいは現況と一致しない不動産の解決には、土地家屋調査士や建築士といった専門家との連携に加え、複雑な現状把握と法的手続きを行う実務的なノウハウが不可欠です。当社フィリアコーポレーションは、まさにこのような物理的制約を伴う不動産、特に建物図面に問題がある空き家の買取と問題解決に特化しています。

当社が提供する解決策の一つは、建物図面の問題を含む物件を直接買い取ることです。これにより、売主様は、建物図面の作成費用、現況との不一致の解消、あるいは未登記部分の登記手続きといった複雑で時間と費用のかかるプロセスから解放され、速やかに物件を現金化することができます。一般の不動産会社では、建物図面に問題がある物件の扱いに難色を示すことがほとんどですが、当社は豊富な経験とノウハウを活かし、積極的に買取を検討します。

具体的には、当社の専門チームが対象不動産の建物の状況と登記簿情報を詳細に調査し、問題の根源を特定します。必要に応じて提携の土地家屋調査士に依頼して測量を行い、現況に合わせた建物図面の作成や変更登記を進めます。未登記の増築部分などがあれば、それらを適切に登記手続きすることで、建物の法的情報を正確なものに修正します。

売主様にとっては、残置物の処理が不要であったり、契約不適合責任を免除したりするなど、売却における心理的・実務的な負担を大幅に軽減する提案が可能です。当社は、1000件以上の相談・査定実績を通じて培った実務に基づいたリアルな知見を強みとしています。単なる法律の説明に終わらず、「どんな場面で問題になるのか」「売主にとっての影響」「どう解決してきたか」を明確に示しながら、売主様に寄り添った最適な解決策をご提案いたします。

よくある質問

Q

建物図面はどこで取得できますか?

A

建物図面は、全国どこの法務局でも取得することができます。最寄りの法務局の窓口で申請書を記入して取得する方法や、インターネットの「登記情報提供サービス」を利用してオンラインで請求し、PDF形式で情報を閲覧・印刷する方法、または郵送で証明書を受け取る方法などがあります。窓口での取得や郵送での取得には手数料がかかります。取得する際は、対象となる建物の家屋番号(または地番、住所)を正確に伝える必要があります。

Q

建物図面がない建物でも売却できますか?

A

はい、建物図面がない建物でも売却自体は可能です。しかし、建物図面がない、あるいは古い建物図面が現況と一致しない建物は、買主がその建物の正確な状況を把握しにくく、将来的なトラブルや法的リスクを懸念するため、一般の市場では買い手が見つかりにくく、売却価格も低くなる傾向があります。特に、買主が住宅ローンを利用する場合、金融機関が担保評価を行う際に建物図面がないと融資が困難になることがあります。このような建物は、売主側で費用をかけて建物図面を作成したり、現況に合わせて登記内容を修正したりする必要が生じます。当社フィリアコーポレーションのような訳アリ不動産専門の買取会社であれば、そのままの状態で買い取り、売主様の負担なく売却を完了させることができます。

Q

建物図面と設計図書(設計図)は同じものですか?

A

いいえ、建物図面と設計図書(設計図)は異なるものです。建物図面は、法務局に備え付けられ、建物の位置や外形、各階の床面積といった登記上の情報を示す公的な図面であり、主に土地家屋調査士が作成します。これに対し、設計図書(設計図)は、建物の設計や施工のために作成される図面で、間取りの詳細、構造、設備、仕上げ材の指定など、建物の仕様や工事内容に関する詳細な情報が記載されています。建築士が作成し、建築確認申請などにも用いられます。設計図書は建物図面よりもはるかに情報量が多いですが、公的な登記情報として一般公開されるものではありません。

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