特定建築物

概要

特定建築物(とくていけんちくぶつ)とは、建築基準法において、不特定多数の人が利用する建物や、特殊な用途を持つ建物など、特に安全や衛生、防災に関する規制が厳しく適用される建築物を指します。具体的には、劇場、映画館、病院、百貨店、ホテル、学校、事務所など、多くの人が集まったり、特別な配慮が必要だったりする建物が該当します。これらの建築物には、建築確認申請の際の審査基準が厳しくなるほか、定期的な調査・検査の義務など、一般の住宅とは異なる特別な規制が課せられます。

特定建築物とはどのような建物か

特定建築物は、建築基準法第6条第1項に規定されている建築物であり、その用途や規模から、一般的な建物よりも高い安全性が求められるものです。これは、多くの人が利用することで、もし事故や災害が発生した場合に、社会的な影響や被害が甚大になる可能性があるためです。


特定建築物の具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。

・興行場、劇場、映画館、演芸場(多くの人が集まる場所)

・病院、診療所(患者の収容施設があるもの)、ホテル、旅館(要配慮者が滞在する場所や宿泊施設)

・百貨店、マーケット、展示場(不特定多数の人が買い物や見学に訪れる場所)

・学校、図書館、博物館、美術館(教育・文化施設)

・事務所、工場(一定規模以上のもの)

・共同住宅(マンションなど)(3階以上で、かつ床面積の合計が100㎡を超えるものなど)


これらの特定建築物は、一般の住宅に比べて、建築確認申請の際の審査が厳しくなります。例えば、避難経路の確保、非常用設備の設置、防火・耐火構造の強化、バリアフリー対応など、より詳細な基準への適合が求められます。

さらに、特定建築物の所有者または管理者は、その建物の用途や規模に応じて、定期的な調査・検査の義務が課せられます。これは、専門の資格者(建築設備検査員、昇降機等検査員など)が、建物の構造、設備(換気設備、排煙設備、非常用照明、エレベーターなど)が建築基準法や関連法令に適合しているかを定期的に確認し、特定行政庁に報告するものです。この義務を怠ると、罰則の対象となることがあります。

このように、特定建築物には、その公共性や安全性の確保のため、建築から維持管理に至るまで、一般の建物よりも厳格な規制が適用されるのが特徴です。

特定建築物が「訳アリ不動産」を生むケース

特定建築物の規制は、その建物の公共性を高めるものですが、その厳格な管理義務や規制が、不動産を「訳アリ不動産」としてしまい、売却や活用を困難にする原因となることがあります。

最も典型的な問題は、定期報告義務の不履行や、その維持管理費用の負担です。所有者や管理者が、特定建築物としての定期調査・検査報告を怠っている場合、行政指導の対象となったり、罰則が科されたりするリスクがあります。また、老朽化した特定建築物では、法令基準を満たすための改修費用や、エレベーター、空調設備、消防設備などの維持管理費用が高額になり、所有者の経済的負担が大きくなることがあります。


特に、以下のようなケースは「訳アリ不動産」と見なされやすくなります。

・過去に用途変更が行われ、特定建築物としての規制が適用されているが、所有者がその認識がないまま放置している空き家

・定期報告を長年怠り、行政からの改善命令が出ている建物

・耐震基準を満たしていないなど、既存不適格な特定建築物で、多額の改修費用が見込まれるもの。

・共同住宅(マンションなど)で、管理組合が機能不全に陥り、共用部分の適切な維持管理が行われていないために、特定建築物としての報告義務や修繕が滞っている物件。


これらの問題は、不動産の資産価値を著しく低下させ、購入希望者が敬遠する要因となります。買主は、購入後に高額な改修費用や維持管理費用、あるいは行政指導のリスクを負うことを嫌うため、売却が非常に困難になります。当社フィリアコーポレーションには、このような特定建築物に関する複雑な問題を抱え、一般の市場では売買が難しいとされている空き家に関するご相談が多数寄せられています。

特定建築物の問題を抱える不動産の解決と当社の専門性

特定建築物に関する問題、特に定期報告義務の不履行や維持管理費用の高騰、既存不適格などの問題を抱える不動産の解決には、建築基準法や消防法などに関する深い法律知識、そして行政や専門家との連携、複雑な現状把握と法的手続きを行う実務的なノウハウが不可欠です。当社フィリアコーポレーションは、まさにこのような法的・物理的制約を伴う不動産、特に特定建築物に関する問題を抱える空き家の買取と問題解決に特化しています。

当社が提供する解決策の一つは、特定建築物に関する問題を含む物件を直接買い取ることです。これにより、売主様は、定期報告義務の煩雑さ、高額な維持管理費用、行政指導や罰則のリスク、そして売却時の困難さといった多岐にわたる問題から解放され、速やかに物件を現金化することができます。一般の不動産会社では、特定建築物に問題がある物件の扱いに難色を示すことがほとんどですが、当社は豊富な経験とノウハウを活かし、積極的に買取を検討します。

具体的には、当社の専門チームが対象不動産の特定建築物としての法的適合状況を詳細に調査します。定期報告の履歴、過去の行政指導の有無、主要設備の老朽化の状況などを徹底的に洗い出し、問題の根源を特定します。必要に応じて行政や建築士、設備専門家と連携し、現状を合法化するための方法や、修繕・改修計画を立案・実行します。当社が買主となることで、これらの複雑な問題をすべて引き受け、売主様の負担を最小限に抑えます。

売主様にとっては、残置物の処理が不要であったり、契約不適合責任を免除したりするなど、売却における心理的・実務的な負担を大幅に軽減する提案が可能です。当社は、1000件以上の相談・査定実績を通じて培った実務に基づいたリアルな知見を強みとしています。単なる法律の説明に終わらず、「どんな場面で問題になるのか」「売主にとっての影響」「どう解決してきたか」を明確に示しながら、売主様に寄り添った最適な解決策をご提案いたします。

よくある質問

Q

特定建築物とは、一般の住宅と何が違うのですか?

A

特定建築物と一般の住宅の最も大きな違いは、建築基準法や関連法令による規制の厳しさです。特定建築物は、不特定多数の人が利用したり、特別な配慮が必要な用途だったりするため、火災や地震などに対する安全性、避難経路、換気・照明などの衛生環境、バリアフリー化に関して、一般の住宅よりもはるかに厳しい基準が適用されます。また、一般の住宅にはない「定期調査・検査報告義務」が課せられ、専門家による定期的な点検と行政への報告が義務付けられています。

Q

特定建築物の定期報告を怠るとどうなりますか?

A

特定建築物の所有者または管理者が定期報告を怠ると、行政からの指導や命令の対象となり、改善が見られない場合は罰則が科される可能性があります。具体的には、建築基準法第12条に基づく報告義務違反となり、罰金が科されることがあります。また、行政からの指導や命令に従わない場合、建築物の使用停止命令が出されるなど、さらに厳しい措置が取られることもあります。これにより、建物の利用が制限され、資産価値が大きく損なわれることになります。

Q

特定建築物を別の用途(例:店舗から住宅)に変更する場合、建築確認は必要ですか?

A

特定建築物を別の用途に変更する場合、多くの場合、建築確認の申請が必要になります。特に、「特殊建築物」から「非特殊建築物」へ、または異なる種類の特殊建築物へと用途を変更する際には、変更後の用途が建築基準法や消防法などの現行法規に適合しているかを改めて確認する必要があります。例えば、事務所を住宅に用途変更する場合でも、避難経路や採光・換気などの基準を満たす必要があります。用途変更後も特定建築物としての規制が継続する場合もあるため、事前に建築士や行政の建築指導課に相談し、必要な手続きを確認することが重要です。

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