特定行政庁

概要

特定行政庁とは、建築基準法に基づく建築確認や検査などの業務を行う地方公共団体のことです。原則として、人口25万人以上の市が指定されますが、都道府県も特定行政庁としての役割を担います。

特定行政庁とはどんな役割を担うのか

特定行政庁は、建築基準法に基づいて、建築物の安全や敷地の利用に関する規制を執行する重要な役割を担っています。具体的には、建築物の新築、増改築、用途変更などを行う際に必要となる建築確認の申請を受け付け、その計画が建築基準法や関連法規に適合しているかを審査します。適合していれば建築確認済証を交付し、工事に着手できます。また、工事が完了した際には、建築物が建築確認済証の内容通りに建設されたかを確認する完了検査を実施し、適合していれば検査済証を交付します。

この建築確認や完了検査は、建物の安全性や適法性を確保するために非常に重要です。例えば、耐震基準を満たしていない建物や、避難経路が適切でない建物が建てられることを防ぎ、私たちの暮らしの安全を守る役割を果たしています。当社のような不動産買取業者が、築年数の古い空き家再建築不可の物件を取り扱う際にも、この特定行政庁の判断が大きく関わってきます。例えば、既存不適格建築物(建築時には適法だったが、その後の法改正により現行法には適合しなくなった建物)の増改築には、特定行政庁との事前協議や指導が必要となるケースも多くあります。

特定行政庁が関わる不動産取引の具体例

特定行政庁は、一般的な建築物の建築確認だけでなく、訳アリ不動産の取引においてもその存在が大きく影響します。例えば、接道義務違反の物件は、建築基準法上の道路に2m以上接していないため、原則として建物の再建築ができません。このような物件を売買する際には、特定行政庁に相談し、建築基準法第43条但し書き道路の許可が得られる可能性があるかを確認することが重要ですし、当社でもよく相談します。当社が扱う空き家の中には、この接道義務違反の物件も多く、特定行政庁との交渉を通じて再建築の可能性を探ることで、物件の価値を高める努力をしています。

また、長屋・連棟の物件においては、各住戸が構造的に一体となっているため、特定行政庁が定める改築や増築の規制が単独の戸建てとは異なります。例えば、一部の住戸だけを解体したり、大規模なリフォームを行う場合には、全体の構造への影響を考慮し、特定行政庁の指導を受ける必要があります。このような物件の取引においては、事前に特定行政庁に相談し、どのようなリフォームや建て替えが可能かを確認することで、将来的なトラブルを回避できます。当社は、1000件以上の相談・査定実績があり、特定行政庁との交渉経験も豊富です。実務に基づいたリアルな知見を活かし、お客様にとって最適な解決策を提案しています。

売主にとっての特定行政庁の重要性

売主様にとって、特定行政庁の存在は直接的にはあまり意識されないかもしれませんが、実は不動産を売却する際に大きな影響を与えることがあります。特に、長年住んでいた家や相続した空き家を売却する際、建築基準法に適合しているかどうかが売却のしやすさや価格を左右します。

例えば、違法に増築された部分がある場合や、築年数が古い建物で現行の耐震基準を満たしていない場合など、特定行政庁から是正指導を受ける可能性があります。このような物件は一般の買い手には敬遠されがちです。当社のような空き家専門の買取会社は、このような法的・物理的制約を伴う不動産を専門に扱っています。特定行政庁との協議や必要な手続きを当社が代行することで、売主様の契約不適合責任の免除残置物の処理不要隣人交渉不要など、心理的・実務的負担を軽減しながら、スムーズな売却を実現します。特定行政庁の基準をクリアすることで、買い手も安心して取引を進められるため、物件の円滑な売却につながるのです。

よくある質問

Q

建築確認済証や検査済証がない古い家でも売却できますか?

A

建築確認済証や検査済証がない古い家でも売却は可能です。しかし、これらの書類がない場合、建築基準法に適合しているかどうかが不明確となり、買い手側は住宅ローンの利用が難しくなったり、将来的な再建築の際にトラブルになるリスクを懸念することがあります。そのため、一般の買主への売却は難航するケースが多いです。当社フィリアコーポレーションのような訳アリ不動産の専門買取業者であれば、こうした書類がない物件でも買い取ることが可能です。当社では、物件の状態を総合的に判断し、適切な価格で買取を行うことで、売主様の負担を軽減しています。

Q

特定行政庁に相談すれば、再建築不可の物件でも建て替えができるようになりますか?

A

特定行政庁に相談することで、再建築不可の物件でも建て替えの道が開ける可能性はあります。特に建築基準法第43条但し書き道路に該当する場合など、特定の条件を満たせば、特定行政庁の許可を得て再建築が可能となるケースがあります。しかし、すべての再建築不可物件が建て替え可能になるわけではなく、個別の物件状況や特定行政庁の判断に委ねられます。当社では、これまでに多くの再建築不可物件を取り扱っており、特定行政庁との交渉を通じて再建築の可能性を探るサポートも行っておりますので、お気軽にご相談ください。

Q

違法建築物と知らずに購入してしまった場合、特定行政庁から指導はありますか?

A

違法建築物と知らずに購入した場合でも、特定行政庁から是正指導を受ける可能性はあります。例えば、容積率や建蔽率を超過している、あるいは用途地域に合わない建物である場合など、建築基準法に違反していれば、行政指導の対象となります。最悪の場合、原状回復命令が出されることもあります。購入前にしっかりと物件調査を行い、不動産仲介業者や専門家(建築士など)に相談して、違法建築物ではないかを確認することが重要です。万が一、購入後に問題が発覚した場合でも、当社のような権利関係に課題のある物件を専門とする業者に相談することで、解決策を見出すことができる場合があります。

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