路線価

概要

路線価とは、主要な道路に面する宅地の1平方メートルあたりの評価額を指し、主に相続税や贈与税を計算する際の土地の評価基準として国税庁が定めているものです。毎年7月に公表されます。

路線価の役割と公示価格との関係

路線価は、国税庁が毎年7月に公表する、主に相続税や贈与税の計算に用いられる土地の評価基準です。具体的には、道路に面した宅地の1平方メートルあたりの価格が千円単位で表示されており、その道路に接する土地の評価額を算出する際の基礎となります。路線価図で「200C」と表示されていれば、その道路に面した土地は1平方メートルあたり200千円、つまり20万円の評価額があることを示します。

路線価は、公示価格の約80%水準を目安に設定されています。公示価格が国土交通省が公表する一般的な土地取引の指標であるのに対し、路線価は相続税や贈与税の算定という特定の目的のために設定されています。そのため、両者は連動しつつも、その目的と評価基準に違いがあることを理解しておくことが重要です。

例えば、相続によって土地を取得した場合、その土地の相続税評価額は、原則としてその土地が面している道路の路線価を基に計算されます。土地の形状や利用状況に応じて、奥行価格補正や不整形地補正といった調整を行うことで、個別の土地の評価額が算出されます。

路線価と実勢価格の乖離

路線価は、あくまで税金を計算するための「評価額」であり、実際に市場で取引される実勢価格(時価)とは異なる場合がほとんどです。一般的に、路線価は実勢価格よりも低く評価される傾向にあります。これは、税負担の軽減措置や、税務上の評価の公平性を保つための特性によるものです。

当社フィリアコーポレーションは、空き家専門の買取会社として、多くの「訳あり不動産」を扱っています。これらの不動産、例えば再建築不可の土地、共有持分の土地、長屋・連棟、あるいは接道義務違反の土地などは、路線価では一定の評価がされているにもかかわらず、市場では買い手が見つかりにくく、実勢価格が路線価を大きく下回るケースが少なくありません。

当社にご相談いただくお客様の中には、相続で取得した土地の路線価はそこそこ高いものの、実際に売却しようとすると買い手が見つからない、という状況に直面されている方が多くいらっしゃいます。このような場合、路線価だけを参考にすると、実際の売却価格とのギャップに驚かれることがあります。当社では、1000件以上の相談・査定実績から得た実務に基づいたリアルな知見を活かし、そうした権利関係に課題のある物件でも、適正な実勢価格を提示し、速やかに現金化することで、お客様の負担を軽減しています。

相続税・贈与税対策としての路線価の活用

相続税や贈与税の対策を考える上で、路線価の知識は非常に重要です。将来の相続に備えて、所有する不動産の路線価を把握しておくことで、おおよその相続税評価額を予測し、適切な対策を立てることができます。

例えば、節税対策として生前贈与を検討する場合、不動産の評価額を路線価で確認することで、年間110万円の基礎控除枠をどのように活用できるかを検討できます。また、相続が発生した際には、路線価を基に算出された評価額が高すぎると感じた場合、不動産鑑定士に評価を依頼し、より実勢価格に近い適正な評価額を算出してもらうことで、税負担を軽減できる可能性もあります。特に、当社の専門分野である法的・物理的制約を伴う不動産は、通常の不動産よりも評価減の要素が多く含まれるため、専門家による適正な評価が重要になります。

当社では、売主様に寄り添う姿勢を大切にしており、契約不適合責任の免除、残置物の処理不要、隣人交渉不要など、売主様の心理的・実務的負担を軽減する提案を強みとしています。相続したものの活用に困っている、あるいは売却に悩んでいる不動産があれば、路線価だけにとらわれず、ぜひ一度当社にご相談ください

よくある質問

Q

路線価はどこで調べられますか?

A

路線価は、国税庁が運営する「財産評価基準書(路線価図・評価倍率表)」のホームページで調べることができます。住所を入力するか、地図上から該当の地域を選んで閲覧が可能です。路線価図には、各道路に面した土地の1平方メートルあたりの評価額が数字と記号で表示されており、記号(アルファベット)は借地権割合を示しています。

Q

路線価と固定資産税評価額は同じですか?

A

いいえ、路線価と固定資産税評価額は異なります。路線価は相続税や贈与税を計算するための基準として国税庁が定めているもので、公示価格の約80%水準が目安です。一方、固定資産税評価額は固定資産税や都市計画税、不動産取得税、登録免許税を計算するための基準として市町村(東京23区は東京都)が定めているもので、公示価格の約70%水準が目安です。それぞれ目的が異なり、評価の頻度や基準も異なります。

Q

路線価が高い土地は必ず高く売れますか?

A

必ずしもそうではありません。路線価はあくまで税務上の評価基準であり、実際の市場における売却価格(実勢価格)とは異なります。路線価が高くても、その土地が再建築不可であったり、接道義務を満たしていなかったり、あるいは共有持分などの権利関係に課題がある「訳あり不動産」の場合、一般市場では買い手が見つかりにくく、実勢価格が路線価を大きく下回ることは珍しくありません。不動産売却の際は、路線価だけでなく、不動産鑑定士や専門の不動産会社による実勢価格に基づいた査定を受けることが重要です。

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