コラム記事

長屋の切り離しとは?同意なしで切り離し(解体)は可能?

公開日 2025年9月3日

最終更新日 2026年2月11日

監修者
越川直之

越川直之(宅地建物取引士 / 空き家相談士)

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訳アリ不動産1,000件以上の相談実績を持つ、空き家・再建築不可・長屋・共有持分の専門家。株式会社フィリアコーポレーション代表取締役。現場経験に基づき、訳アリ不動産売却の正しい知識を監修しています。

長屋の切り離し解体の注意点を解説|共有壁の取り扱い、振動騒音対策、近隣合意形成や費用目安までトラブルを避ける要点を解説します。

長屋とは

長屋(ながや)とは、2戸以上の住宅が1棟に連なり、隣家と壁(界壁)を共有している建物のことです。建築基準法上の正式な用語であり、最近の不動産広告でよく目にする「テラスハウス」や「タウンハウス」も、基本的にはこの長屋に分類されます。

最大の特徴は、各住戸が独立した玄関を持ちつつも、物理的には「一つの大きな建物」として繋がっている点です。マンションのように共有の廊下や階段はありませんが、壁や柱、基礎、時には屋根までを隣家と共有しています。

この「構造を共有している」という性質こそが、長屋を理解する上で最も重要なポイントです。一戸建てのように四方が開放されていないため、一部を切り離そうとすれば、必ず隣の家の強度や防水性能に影響を与えてしまいます。見た目は独立した家が並んでいるように見えても、実態は「一つの骨組みを分け合って暮らしている」状態なのです。この特殊な構造ゆえに、解体や改修の際には、単なる一軒家の工事とは比較にならないほど複雑な手間とリスクが伴うことになります。

長屋とは

長屋切り離し解体工事とは

長屋の切り離し解体工事とは、隣家と壁や基礎、時には柱や屋根までを共有している「長屋」という一つの大きな構造体から、特定の住戸だけを物理的に分断させる工事を指します。一戸建ての解体が「建物を取り壊す」作業であるのに対し、長屋の切り離しは、残される隣家の安全や生活を守りながら行う、いわば「精密な分断手術」のようなものです。

この工事が行われる目的は、大きく分けて以下の2点に集約されます。

  • 独立した住宅として再生させるため
    共有壁などの制約を解き、単独の土地として再建築を可能にしたり、資産価値を高めて売却しやすくしたりすることが狙いです。
  • 老朽化した空き家部分を処分するため
    連棟の一部が空き家になり、倒壊や防犯上のリスクがある場合、その部分だけを取り除いて残りの住戸の安全を確保し、土地の有効活用を図ります。

どちらの目的であっても、単に壊して終わりではありません。切り離した後の隣家の壁に防水・断熱処理を施し、「新たな外壁」として作り直すまでの工程がセットとなります。隣人の権利と生活を侵害せずに、構造的な独立を勝ち取ること。それが長屋切り離しの本質です。

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長屋切り離し解体に関する法律

長屋の切り離しにおいて、法律上の解釈を複雑にしているのが「壁の所有権」と「構造の依存」のバランスです。民法230条1項では、一棟の建物を構成する境界壁について、一般的な塀のような「共有の推定」を適用しないとしています。つまり、長屋の界壁(境界壁)は必ずしも共有物ではなく、その所有権は建築時の経緯や構造上の帰属によって決まります。

しかし、壁が自分の所有物だとしても、勝手に壊して良いわけではありません。長屋は物理的に一つの構造体であり、あなたの住戸が隣家の柱や梁を支え、雨風を防ぐ外壁の役割を担っているからです。この依存関係を無視して工事を強行し、隣家の強度を下げたり雨漏りをさせたりする行為は、民法709条(不法行為による損害賠償)の対象となります。

また、たとえ自分の土地の上であっても、隣人の生活を著しく脅かすような取り壊しは、民法1条3項(権利の濫用)として禁じられるのが通例です。判例でも、切り離しによって隣家の居住性能を損なう場合、元の状態と同等の機能を回復させる義務(外壁の補修や構造補強)が切り離す側に課せられています。こうした法的リスクを回避するための「防衛策」として、実務上は隣人の合意が絶対条件となるのです。

長屋切り離し解体工事を実施する前の留意事項

長屋の切り離しは、単に自分の家を取り壊すという以上に、隣家の構造や機能を守る責任が伴う「特殊な解体」です。長屋の定義や法律上のリスクを理解したとしても、いざ着工となれば、現場ではさらに現実的かつシビアな問題がいくつも浮上してきます。

一般的な戸建て解体とは異なり、切り離しによって生じる物理的な変化(外壁の消失や支えの喪失)は、残される隣家にとってすべて「マイナスの影響」となります。そのため、トラブルを未然に防ぎ、円滑に工事を完了させるためには、あらかじめ契約や工事計画の中で「誰が、どこまで責任を持つのか」を明確にしておく必要があります。

特に、金銭的な負担割合や、工事後の建物の安全性を担保する補強策については、後回しにすると必ずと言っていいほど大きな揉め事に発展します。着工後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、以下の2つの重大な留意事項をあらかじめ資金計画と工事プランに組み込んでおく必要があります。

  • 工事費用は全額施主負担する
  • 耐震補強工事が必要になる可能性がある

工事費用は全額施主負担する

実務上の原則として、長屋の切り離し解体にかかる費用および、切り離した後の隣家の外壁補修費用は、全額を施主(解体を行う側)が負担すべきものと考えられます。

これには、単なるマナーの問題ではなく、明確な理由があります。切り離し前、隣家との間にある壁は「内壁」として機能していましたが、解体によって突然、雨風や直射日光にさらされる「外壁」へと姿を変えます。本来、修繕の必要がなかった隣人に対し、一方的な都合で補修や補強を強いることになるため、その原因を作った側が原状回復を含めた費用をすべて賄うのが公平な判断とされるからです。

もし、ここで費用の分担を隣人に求めてしまうと、交渉は高確率で決裂します。それどころか、工事後に発生したわずかな劣化や不具合に対しても「お宅のせいで壊れた」と主張され、長期的な法的紛争に発展するリスクが極めて高くなります。

全額負担は、単なる支出ではありません。隣人への配慮を形にし、将来の損害賠償リスクを最小限に抑えるための「守りのコスト」であると捉えることが、長屋切り離しを成功させるための必須要件です。

耐震補強工事が必要になる可能性がある

長屋は一棟全体で強度を保つ構造であるため、一部を切り離すと残された建物の耐震バランスが大きく崩れます。単に壁を塞ぐだけでは不十分で、残された住戸が単独で地震に耐えられる状態かどうかを厳密に評価しなければなりません。

そのため、着工前には必ず建築士などの専門家による構造診断を行い、それに基づいた適切な耐震補強計画を策定することが不可欠です。切り離しによって失われる耐力壁や柱の役割を補うため、新たな筋交いの追加や壁面の補強、基礎の打ち増しが必要になるケースも多々あります。

この専門家による設計を怠り、後に建物が傾いたり地震で倒壊したりすれば、解体を行った施主の責任は免れません。補強は「見た目を整える工事」ではなく「建物の命を守る工事」です。客観的なデータに基づいて安全性を担保することが、隣人とのトラブルを防ぎ、将来の法的紛争を回避する唯一の手段となります。

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長屋切り離し解体工事を実施するための事前準備

長屋の切り離し解体において、最も重要な工程は「事前準備」にあります。物理的な解体という作業以上に、現状の把握と隣人との合意形成という「事前の根回し」が成否を分ける極めて繊細なプロジェクトだからです。法的な制約や構造上のリスクが複雑に絡み合う以上、十分な準備なしに着工するのは、訴訟や工事中断を招く極めて無謀な行為と言わざるを得ません。

隣人の不安は「自分の家が壊れるのではないか」「修繕費用を押し付けられるのではないか」という不信感から生まれます。これらを払拭し、円滑に工事を完遂させるためには、客観的な証拠に基づく現状把握と、誠実な情報開示、そして最終的な法的担保が不可欠です。

後から「隣の壁にヒビが入った」「騒音で体調を崩した」といった不毛な争いに巻き込まれないためにも、以下の3つのステップを確実に踏む必要があります。これらは単なる手続きではなく、施主自身と資産を守るための防衛策となります。

  • 家屋調査を行う
  • 説明資料の作成
  • 解体承諾書を得る

家屋調査を行う

長屋の切り離しにおいて、慎重に行うべきなのが「家屋調査」です。長屋の構造は複雑で、一つの柱が両方の家を支えていることもあれば、一見不要に見える柱が隣家の強度を保つ「要」になっていることもあります。「どの柱を撤去し、どの柱を残すべきか」を正確に見極めることが、隣家の倒壊や損壊を防ぐための生命線となります。

この見極めには、まず建築士による構造診断が不可欠です。目視だけでは判断できない構造的な依存関係を専門的な視点から特定し、解体計画に反映させる必要があります。

さらに、実務上で極めて有効なのが、第三者機関による「事前調査(家屋調査)」の実施です。これは、工事着手前の隣家の状態(既存のひび割れ、建具の建付け、床の傾きなど)を写真や数値で詳細に記録しておくものです。万が一、工事後に隣人から「工事の振動で壁にヒビが入った」といった指摘を受けた際、それが「工事の影響」なのか「元からあった損耗」なのかを客観的に証明する唯一の手立てとなります。

「言った言わない」のトラブルを回避し、施主としての正当性を守るためにも、建築士の知見と第三者による客観的なデータの両方を揃えておくことが、最も確実な準備となります。

説明資料の作成

隣人の不安を解消し、円滑な合意形成を図るためには、口頭での説明だけでは不十分です。客観的かつ具体的な「説明資料」を用意し、工事の透明性を高めることが不可欠となります。隣人にとっては、自身の生活基盤である住宅に手が加えられる重大事であるため、書面を通じて安心感を提供しなければなりません。

資料の中で最も重視すべきは、補修の責任範囲を明確に図示することです。切り離しによって露出する断面をどのように処理し、最終的にどのような外壁として仕上げるのか。断熱材の有無や防水工事の細部、さらには屋根や基礎の接合部の処理に至るまで、図面やパース(完成予想図)を用いて「どこまでを、どのような品質で直すのか」を可視化します。

あわせて、「工事費用および補修費用の全額を施主が負担する」旨を明文化し、隣人には一切の経済的負担をかけないことを確約します。なぜこちらが負担するのかという理由(原因者負担の原則)を含め、納得できる形で提示することで、隣人の警戒心を解くことが可能になります。

工事の工程表や騒音・振動への対策、万が一の際の補償体制などを網羅した説明資料を作成し、書面として手渡すこと。このプロセスが「言った言わない」の不毛な争いを防ぎ、信頼関係を築くための土台となります。

解体承諾書を得る

長屋の切り離しにおける最終的なゴールは、隣人から署名・捺印された「解体承諾書」を受け取ることです。しかし、これが実務上、最も難易度が高い工程となります。隣人は自身の生活基盤を守るため、承諾の条件として「一級建築士による詳細な診断」や「構造計算に基づいた確実な補強工事」を求めることが多く、これらの要求に完全に応えられない限り、合意を得ることは事実上不可能です。

私自身、これまで数多くの長屋案件を取り扱ってきましたが、実際にこの承諾書を得られるケースは極めて稀であるというのが偽らざる実情です。

  • 安全への不安:どんなに説明しても「家が傾くのではないか」という不安は拭いきれない。
  • メリットの欠如:隣人にとって、切り離しはリスクこそあれ、メリットが一つも存在しない。
  • 感情的な対立:長年の相隣関係からくる、理屈ではない拒絶反応。

これらの壁を突破し、法的・技術的なすべての要求をクリアして承諾を得るには、膨大な時間とコスト、そして忍耐が必要になります。もしこの承諾が得られないのであれば、無理に切り離しを強行せず、現状のまま専門業者に買い取ってもらうなど、別の解決策へ舵を切る判断も、資産を守る上では非常に重要です。

長屋の共有壁を切り離す際のルール

長屋切り離し解体に関するよくあるトラブル

長屋の切り離し解体は、不動産業界や建築現場において「最もトラブルが起きやすい工事」の一つと言っても過言ではありません。建物が物理的・構造的に密接に関わっている以上、どれほど緻密な計画を立てても、重機を入れる前から入れた後まで、予期せぬ壁に突き当たることが多々あります。

トラブルの根源は、大きく分けて「建物の物理的な限界」「隣人の心情・権利関係」の二つです。これらが複雑に絡み合うため、通常の戸建て解体では考えられないような泥沼の紛争に発展することも珍しくありません。

無事に同意を得たはずなのに土壇場で覆されたり、工事完了から数年経ってから「お宅のせいで家が歪んだ」と訴えられたりするケースも後を絶ちません。ここからは、現場で実際に発生する代表的なトラブルを4つのフェーズに分けて見ていきましょう。これらのリスクをあらかじめ把握しておくことが、資産を守るための「心の防波堤」となります。

  • 構造上切り離しが難しい
  • 所有者からの同意が得られない
  • 同意後に反対される
  • 切り離し後に文句を言われる

構造上切り離しが難しい

長屋の切り離しにおいて、物理的な「構造の壁」は想像以上に高くそびえ立っています。長屋は一棟全体で重力を分散し、長年の歳月を経てお互いに寄り添うようにして立っています。そのため、建物自体が経年劣化で傾いているケースも多く、一方の住戸を切り離した瞬間に支えを失い、残された家屋が倒壊したり、修繕不可能なほど歪んだりするリスクが常に付きまといます。

さらに現場を困難にするのが、情報の欠如です。私が多くの現場に立ち会う中で最も頻繁に遭遇するのが、「新築時の図面が完全に紛失している」という事態です。図面がないため、壁の向こう側で柱や梁が隣家とどのように連結されているのか、誰にも正確な判断が下せません。「どの部分が共有で、どこからが自分たちの所有分なのか」がブラックボックス化しているのです。

この状態で工事を強行するのは、目隠しをして手術台に上がるようなものです。切り離すべき箇所を誤れば、隣家の屋根を落としたり、耐力壁を無効化させたりする致命的な事故に繋がります。「どこを切り離せば安全なのか」という根本的な問いに対し、確実な答えが出せないことが、工事を断念せざるを得ない大きな理由の一つとなっています。

所有者からの同意が得られない

長屋の切り離しにおいて「まずは隣人の同意を得ることが重要」とよく言われますが、現場を何件も見てきた実務者としての実感は異なります。結論から言えば、現実にはほとんどの確率で同意を得ることはできません。

隣家の立場に立って考えれば、その理由は明白です。切り離しによって「地震で倒壊するのではないか」「雨漏りが始まるのではないか」という重大なリスクを背負わされる一方で、隣人にとってのメリットは一つも存在しません。自分にとっては何の得もないのに、ただリスクだけを押し付けられる提案に首を縦に振る人は、まずいないのが実情です。

さらに、近年大きな問題となっているのが、「所有者や管理者が不明である」という物理的な壁です。切り離したい隣家がすでに空き家となって久しく、相続によって所有権が県外の親族に渡っているケースは珍しくありません。

こうしたケースでは、連絡先を突き止めることすら困難であり、さらに相続登記が放置されていると、現在の所有者が誰なのかを特定することすら不可能になります。「話し合い」の土俵に上げる相手が見つからないという絶望的な状況が、長屋切り離しを事実上の「詰み」の状態に追い込んでいるのです。

同意後に反対される

苦労して隣人の同意を取り付け、いざ着工という段階で「やっぱり中止してくれ」と覆される。こうした事態で最も多いのが、本人ではなく「家族や親族による介入」です。

高齢の所有者が一度は納得して印鑑を押したとしても、後からその話を聞いた息子さんや娘さんから「実家が壊れたらどうするんだ」「将来売れなくなったら責任を取れるのか」と猛烈な反対にあい、当事者が板挟みになってしまうケースは現場では日常茶飯事です。

法律上、有効な「解体承諾書」が手元にあれば、工事を強行する正当性は一応確保されています。しかし、ご家族が納得していない状態で重機を入れれば、連日のように工事への抗議を受けたり、完了後も末長く恨みを買ったりすることになり、本当の意味での解決にはなりません。

トラブルを未然に防ぐためには、所有者本人との交渉だけで終わらせず、将来その家を相続するであろうご家族も含めた説明の場を設けることが極めて重要です。「誰が反対してもおかしくない」という前提で、関係者全員がリスクと対策を正しく理解し、家族内で同意が取れていることを確認して初めて、真の同意が得られたと言えるのです。

切り離し後に文句を言われる

無事に切り離し工事が完了したとしても、それで全ての懸念が消え去るわけではありません。むしろ、工事が終わってからが「終わりのないクレーム」の始まりとなるリスクが非常に高いのが長屋切り離しの現実です。隣人からすれば、住み慣れた家の一部が物理的に削り取られたという不安があり、その後に発生する建物の不具合は、すべて「工事の振動や影響」に結びつけられてしまいがちです。

よくある主張としては、「工事のせいで家が傾き、ドアの建付けが悪くなった」「ライフライン(水道やガス)の調子がおかしくなった」「新しく作った壁から雨漏りがする」といった、構造や生活基盤に直結するものです。これらの指摘が、たとえ建物の経年劣化によるものであったとしても、工事前の状態を客観的に証明できなければ、施主側が「無実」であることを証明するのは極めて困難になります。

こうしたトラブルを防ぐ唯一の手段は、徹底した証拠の記録です。着工前の「家屋調査」による数値化はもちろん、画像や動画による詳細な現状記録、そして補修範囲や保証条件を明記した合意書が、あなたを守る最強の盾となります。客観的なデータという「証拠」を揃えておくことこそが、感情的なクレームを未然に防ぎ、将来の損害賠償リスクを封じ込める唯一の手段なのです。

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長屋切り離し解体に同意がない場合の対処法

長屋の切り離しにおいて、隣人からの同意が得られないケースは決して珍しくありません。むしろ、それが「当たり前」であるという前提に立ち、次のステップへ戦略を切り替える柔軟性が求められます。

まず検討すべきは、弁護士など専門家による代理交渉です。不動産や共有物問題に精通した弁護士であれば、感情論を排し法的な根拠に基づいた交渉が可能です。ここで一点、注意が必要なのは、不動産会社に代理交渉を依頼することです。法的な紛争性がある事案において、弁護士資格のない者が報酬(仲介手数料等を含む)を得て交渉を行うことは「非弁行為(弁護士法違反)」に該当する恐れがあり、実務上は極めて困難です。無資格者による安易な交渉は、かえってトラブルを深刻化させるリスクがあるため、十分にお気を付けください。

そこで、最も現実的かつスピーディーな解決策となるのが、「切り離しを断られた状態」のまま、弊社のような専門の買取会社へ売却することです。

【専門買取会社による解決のポイント】

  • 現状のまま買取可能:隣人に解体を拒否されていても、そのままの状態で評価・買取いたします。
  • 交渉からの解放:厄介な隣人交渉や法的リスクをすべて業者が引き受けるため、精神的な負担がゼロになります。
  • 即座の現金化:承諾書を得るための数ヶ月、数年という時間をかけることなく、資産を整理できます。

「どうしても首を縦に振ってもらえない」という壁に突き当たった際は、無理な交渉で法的なリスクを冒すのではなく、プロに物件を委ねるという選択が、あなたの資産と平穏を守る最善の近道となります。

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長屋切り離し解体工事の費用相場

長屋の切り離し解体は、単に一方を取り壊すだけでなく、残される側の家屋を安全に「守る」ための手間と技術を要するため、通常の住宅解体よりも費用は割高になる傾向があります。

【坪単価と費用の目安】

  • 通常の木造住宅:1坪あたり3万〜5万円
  • 長屋の切り離し:1坪あたり4万〜7万円例えば、20坪の長屋を切り離す場合、通常解体なら約60万〜100万円の予算感ですが、切り離しを伴うと約80万〜140万円ほどが目安となります。特に面積が小さい現場では、作業効率の兼ね合いから坪単価が10万円近くまで上昇することもあります。

【費用を左右する主な変動要因】

  • 隣家への補修・補強:壁を塞ぐ養生費や構造を安定させる補強工事が必須です。事例では補修費用だけで60万円を超えるケースもあり、解体本体と同等以上の出費が必要になることも珍しくありません。
  • 現場の立地条件:前面道路が狭く重機が入れない場合は「手壊し(人力)」となり、手間と労力が増える分、費用は跳ね上がります。住宅密集地では、さらに高度な防音・防塵対策の追加コストも発生します。

このように、長屋の解体は現場ごとの個別事情に大きく左右されるため、必ず補修費を含めた総額での見積もりを確認することが重要です。

長屋切り離し解体工事の手順

長屋の切り離し解体は、単なる「建物の撤去」ではなく、隣家との縁を切る「精密な分離手術」に近い工程を辿ります。後戻りができない工事だからこそ、以下のステップを一つずつ確実に踏んでいくことが、法的なリスクと物理的なトラブルを回避する唯一の道となります。

【長屋切り離し解体の基本ステップ】

  • 専門業者の選定:まずは長屋特有の構造と複雑な権利関係に精通した業者を選びます。一般的な解体業者ではなく、隣家への補修技術や交渉のアドバイスまで一貫して行える「切り離し実績」が豊富なパートナー選びが、成否の8割を決めます。
  • 隣人の許可取りと事前調査:承諾書を得るための交渉と並行し、建築士による構造診断や第三者機関による家屋調査を実施します。ここでの「現状記録」が、将来のクレームに対する最強の防衛策になります。
  • 切り離し・解体工事の実施:建物が接しているデリケートな部分は、重機ではなく「手壊し」を中心に慎重に進めます。隣家の柱や梁に負担をかけないよう、熟練の職人による手作業が中心となるフェーズです。
  • 外壁の修繕と最終引き渡し:解体で剥き出しになった隣家の断面を、防水・断熱処理を施した正規の外壁として仕上げます。工事完了後、隣人と共に現場を確認し、補修内容に納得を得た上で、すべての工程が完了となります。

各工程で写真や書面といった「証拠」を積み重ねながら進めることが、施主としての責任を果たし、自身の資産価値を守ることに直結します。

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長屋切り離し解体の業者の選び方

長屋の切り離し解体は、一般的な独立した住宅の解体とは根本的に難易度が異なります。隣家と構造を共有しているため、一歩間違えれば隣家の倒壊や深刻な破損を招く恐れがある「失敗の許されない工事」です。それゆえに、単に「価格が安いから」という理由だけで業者を選んでしまうと、後から補修費用が膨れ上がったり、隣人と訴訟沙汰になったりと、取り返しのつかない事態に陥るリスクがあります。

実際の解体費用は、建物の状況や立地、面積といった様々な事情によって大きく変動します。例えば、重機が入らない場所での「手壊し解体」が必要な場合は、その分の手間と労力が上乗せされるため、費用はさらに高くなる傾向にあります。正確な総額を把握し、自身の資産と隣人の安全を守るためには、解体そのものの技術だけでなく、補修工事まで含めたトータルな提案ができる業者を見極めなければなりません。

納得のいく結果を得るために、以下の2つのポイントを軸に、慎重にパートナー選びを進めていきましょう。

  • 相見積もりを取る
  • 実績を確認する

相見積もりを取る

長屋の切り離し解体において、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」は不可欠です。最大の理由は、実際にこの特殊な工事を完遂できる経験豊かな業者が非常に少なく、各社が「経験則」で算出する価格に驚くほどのばらつきが生じるためです。

一般的な木造住宅の解体費用と比較すると、長屋は坪単価が非常に高く設定される傾向があります。例えば、10坪〜19坪の小規模な現場では、通常の木造住宅が坪単価3万〜5万円であるのに対し、長屋の切り離しでは10万円に達するケースも見受けられます。これは、取り壊す面積が小さくなるほど、切り離しの手間や慎重な作業が占める割合が大きくなるためです。

見積もりを比較する際は、総額だけでなく「内訳」を精査してください。長屋解体では、純粋な「解体費用」よりも、隣家の壁を整える「補修工事費用」の方が高額になる事例が珍しくありません。事例の中には、解体費用が50万円であるのに対し、補修工事に100万円を要しているものもあります。安すぎる見積もりは、こうした必須の補修範囲や、手壊し解体による人件費を見落としているリスクがあるため、慎重な見極めが求められます。

実績を確認する

長屋の切り離し解体において、業者選びの決定打となるのは「過去にどれだけの現場を完遂してきたか」という実績の有無です。この工事は一般的な独立家屋の解体とは比較にならないほど難易度が高く、経験の浅い業者が安易に引き受けられるような性質のものではありません。

実績のない業者に依頼してしまった場合、隣家の基礎を傷つけたり、屋根の接合部を破損させて深刻な雨漏りを引き起こしたりといった、致命的な「失敗」を招くリスクが飛躍的に高まります。長屋は一軒ごとに構造が異なり、現場で臨機応変かつ高度な判断が求められるため、マニュアル通りの作業では到底対応しきれないからです。

「安さ」に惹かれて経験不足の業者を選んだ結果、隣人とのトラブル解決や追加の補修工事で、当初の予算を大幅に上回るコストを支払うことになっては本末転倒です。長屋の切り離しは「職人の腕と経験」を直接買うもの。確かな成功事例を持つパートナーを選ぶことが、資産を守るための絶対条件となります。

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監修者
越川直之

越川直之(宅地建物取引士 / 空き家相談士)

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株式会社フィリアコーポレーション代表取締役の越川直之です。
当社は空き家や再建築不可物件、共有持分など、一般的に売却が難しい不動産の買取・再販を専門とする不動産会社です。 これまでに1000件以上の相談実績があり、複雑な権利関係や法的・物理的制約のある物件にも柔軟に対応してきました。 弊社ホームページでは現場経験に基づいた情報を発信しています。
当社は地域社会の再生や日本の空き家問題の解決にも取り組んでおり、不動産を通じた社会貢献を目指しています。

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