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カテゴリー:物件選びの知識
公開日 2024年10月18日
最終更新日 2024年10月18日
登記簿謄本は不動産取引の要ですが、その読み方を誤ると思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。今回は、プロが実践する登記簿チェックのポイントをお伝えします。
表題部では、まず所在地が現況と一致しているかを確認しましょう。次に、地目・地積が正確に記載されているか精査します。建物については、種類・構造・床面積が実際の物件と合致しているか確認が必要です。また、原因及びその日付欄から築年数を把握することも重要です。これらの情報は物件の基本的な属性を示すため、慎重に確認することが大切です。
権利部(甲区)では、現在の所有者が誰であるかを確認することが最初のステップです。次に、所有権移転の履歴をチェックし、物件の取引経緯を把握します。特に注意すべきは仮登記の有無です。仮登記がある場合、将来的に権利関係が変更される可能性があるため、慎重な判断が必要となります。
権利部(乙区)は最も重要な部分です。まず、抵当権の有無とその内容を確認します。抵当権が設定されている場合、その解除が必要となる可能性があります。また、地上権や賃借権などの他の権利が設定されていないかも確認しましょう。最後に、差押えの有無をチェックすることも重要です。これらの権利関係は物件の価値や取引の可能性に大きく影響するため、細心の注意を払って確認する必要があります。
これらのポイントを押さえることで、物件の真の価値や潜在的なリスクが見えてきます。例えば、所有権移転の回数が少なく、最終移転から長期間経過している物件は、一般の方が売主である可能性が高く、価格交渉の余地があるかもしれません。
また、相続登記されたばかりの物件は、相続税対策で早期売却を望んでいる可能性があり、これも交渉のチャンスとなります。
一方で、仮登記や差押えが存在する物件は要注意です。これらは将来的に大きなトラブルの種となる可能性があります。
登記簿は不動産の「履歴書」です。この履歴書を正確に読み解くことで、優良物件の発掘や、リスクの回避が可能となります。ぜひ、今回お伝えしたチェックリストを活用し、賢明な投資判断につなげてください。