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カテゴリー:物件選びの知識
公開日 2024年10月29日
最終更新日 2024年10月29日
不動産投資の中でも特殊な位置づけにある「借地権付き物件」について、その本質と投資価値を掘り下げてみましょう。借地権とは、地主から土地を借り受け、その上に建物を所有する権利を指します。一見複雑に思われるこの権利ですが、適切に活用することで、投資家にとって大きな機会となり得ます。
目次
土地の購入費用が不要なため、同等の所有権物件と比較して30〜50%も安価に取得できる可能性があります。
低価格での取得が可能なため、利回りは通常の物件より2〜3%程度高くなる傾向にあります。
土地に関する固定資産税や都市計画税が免除されるため、長期的な節税効果が期待できます。
都心部や人気エリアに多く存在し、通常では手の届きにくい立地での投資機会を提供します。
土地を担保として提供できないため、金融機関の融資条件が厳しくなる傾向があります。
毎月の地代支払いが必要となるため、キャッシュフロー計画に組み込む必要があります。
売却や建替え時に地主の承諾が必要となり、また譲渡承諾料等の追加コストが発生する可能性があります。
なお、借地権には旧法と新法の区分が存在し、1992年8月以前に契約された「旧法借地権」は借主にとって有利な条件が多く設定されています。特に、更新の容易さや権利の強さにおいて、旧法借地権は魅力的な特性を有しています。一方で、新法下の「定期借地権」は契約期間満了時に更新がなく、建物撤去義務が生じるため、長期的な投資には適さない可能性があります。
借地権付き物件への投資は、その複雑性ゆえに敬遠されがちですが、適切な知識と戦略を持って臨めば、通常の不動産投資では得られない高い収益性を実現する可能性を秘めています。ただし、契約内容の精査、地主との関係構築、将来的な権利変動リスクの評価など、専門的な知見が要求される場面も多々あります。そのため、不動産投資の経験豊富な専門家のアドバイスを仰ぎながら、慎重に検討を進めることが肝要です。