コラム記事
長屋はなぜローンが通りにくい?金融機関が嫌がる本当の理由
公開日 2025年9月4日
最終更新日 2025年10月30日

長屋の売却で買い手のローンが通らないのは、実は、あなたの長屋に特別な問題があるからではありません。長屋という不動産が持つ構造上の特性から、金融機関の融資審査に通らないのは、ある意味で当然なのです。私たち専門家が、金融機関側の“本音”である「融資を嫌がる本当の理由」を解説し、あなたの悩みを解決する道筋を示します。
目次
金融機関が融資を渋る最大の壁「担保評価の問題点」
この章では、金融機関が長屋のローン審査に難色を示す最も大きな理由である「担保評価」について、以下の3つの具体的な問題点を掘り下げて解説します。
- 問題点①:単独で建て替えられない「再建築不可」という致命的リスク
- 問題点②:資産価値を大きく下げる「連棟式」という構造
- 問題点③:トラブルの元凶となりうる「越境・共有」の複雑な権利関係
金融機関は、万が一ローンの返済が滞った際に、物件を売却して資金を回収する必要があります。しかし、上記のようなリスクを抱える長屋は、その売却が困難であるため、融資の対象として極めて評価が低くなってしまうのです。この後のH3で、それぞれの問題点がなぜ担保価値を下げるのかを詳しく見ていきましょう。
問題点①:単独で建て替えられない「再建築不可」という致命的リスク
金融機関が長屋の融資で最も懸念するのが、その物件が「再建築不可」である可能性です。再建築不可物件は、火災などで一度取り壊してしまうと、もう二度と新しい建物を建てることができません。建物を担保に融資を行う金融機関にとって、建物がなくなることで土地の価値まで著しく制限されるこのリスクは、融資を不可能にするほどの致命的な欠点と判断されるのです。この資産としての将来性の欠如が、担保評価を大きく引き下げています。
問題点②:資産価値を大きく下げる「連棟式」という構造
長屋特有の「連棟式」という、複数の住戸が壁を共有している構造自体も担保評価を下げる一因です。なぜなら、自分の意思だけで解体や大規模なリフォームができないからです。例えば、将来買主が「間取りを大きく変更したい」と考えても、隣家の同意がなければ実現しません。このような利用上の強い制約と自由度の低さは、一般的な戸建てに比べて資産価値が劣ると見なされ、担保としての魅力を大きく削いでしまうのです。
問題点③:トラブルの元凶となりうる「越境・共有」の複雑な権利関係
見落としがちですが、隣家との境界や権利関係の複雑さも融資を妨げる大きな要因となります。長屋では屋根や柱、水道管といった設備が隣家と共有されていたり、互いの敷地を越境していたりするケースが少なくありません。権利関係が曖昧な状態は、将来隣人との間で修繕や建て替えを巡るトラブルに発展する火種になり得ます。金融機関は、このような潜在的な紛争リスクを抱えた不動産への融資には、極めて慎重になります。
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一般市場で買い手が見つかりにくい「市場流通性の低さ」
担保評価の問題に続き、ここでは長屋が一般の不動産市場で売却しにくい理由である「市場流通性の低さ」について、以下の3つの側面から見ていきましょう。
- ローンが使えないことで、買い手の数が圧倒的に限定されてしまう
- 「出口戦略」が描きにくく、投資目的の購入者からも敬遠される
- 将来の資産価値が不透明で、永住目的の購入者も決断しにくい
このように、長屋は購入を希望する方が住宅ローンを組めないという金融面の問題が、そのまま「買い手が見つからない」という市場の問題に直結しています。買い手が少なければ当然、売却は長期化し、価格も下がりやすくなります。この「売りにくさ」こそが市場流通性の低さの正体です。次のH3で、それぞれのポイントを詳しく解説していきます。
ローンが使えないことで、買い手の数が圧倒的に限定されてしまう
長屋の売却が困難になる最大の理由は、住宅ローンを利用できないことで、購入できる人の数が著しく限られてしまう点にあります。不動産購入者の大半はローンを利用するため、現金一括で購入できる買主はごく少数です。ローンという選択肢が閉ざされた時点で、買主候補の絶対数が激減してしまいます。この金融面での制約が、市場での買い手の不在に直結し、売却を難しくさせているのです。
「出口戦略」が描きにくく、投資目的の購入者からも敬遠される
賃貸に出すなどの投資目的で購入を検討する層からも、長屋は敬遠されがちです。投資家が重視する「出口戦略」、つまり将来いかにして売却し利益を確定させるかが、ローンを利用しにくい長屋では非常に立てにくいためです。プロの投資家ほど、このような出口戦略が描けない物件を避ける傾向にあります。将来の売却が難しいというこの一点が、収益化を狙う投資家を遠ざける大きな要因となっています。
将来の資産価値が不透明で、永住目的の購入者も決断しにくい
永住目的で家を探している実需層の方々も、長屋の購入には二の足を踏む傾向があります。多くの方にとって、家の購入は一生に一度の大きな買い物であり、将来にわたる資産価値は重要な判断基準になります。「子供の代に資産として残せるか」「万が一の時に売却できるか」といった将来への懸念が、購入の決断を鈍らせます。この資産価値の不透明感が、永住を考える買主の意欲を削いでしまうのです。
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仲介での売却が困難な長屋にこそ「専門家による買取」という解決策
ここまで見てきたように、長屋は金融機関からも一般市場からも評価を得にくい、非常に売却が難しい不動産です。では、本当に打つ手はないのでしょうか。ここで、最も現実的かつ有効な解決策となる「専門家による買取」について解説します。
- なぜ、一般的な不動産仲介では時間がかかり、売れないケースが多いのか
- ローン審査不要!金融機関の評価に左右されず、直接現金化できる買取の仕組み
- 買取専門業者だからこそ可能な、現状のまま・スピーディーな売却とは
一般的な不動産仲介が「ローンを利用できる買主」を探すのに対し、専門家による買取は、私どもフィリアコーポレーションが「直接の買主」となります。そのため、これまで問題となってきたローン審査が一切不要となり、スピーディーで確実な現金化が実現します。この章で、その仕組みとメリットを詳しく見ていきましょう。
なぜ、一般的な不動産仲介では時間がかかり、売れないケースが多いのか
一般的な不動産仲介で長屋が売れにくいのは、その手法が「ローンを利用する一般の買主」を探すことを前提としているからです。ローン審査が非常に通りにくい長屋の場合、仲介業者はごく僅かな現金購入者を探すしかありません。これは大海の一滴を探すような活動になりがちで、何ヶ月もかけて見つけた買主もローン審査で断られる、という失敗パターンに陥りやすいのです。そのため、長屋の売却に一般的な仲介は、構造的にミスマッチと言えます。
ローン審査不要!金融機関の評価に左右されず、直接現金化できる買取の仕組み
一方で「買取」は、私どもフィリアコーポレーションのような不動産会社が、売主様から直接物件を買い取る方法です。買主が不動産のプロである弊社ですので、金融機関のローン審査は一切必要ありません。物件の担保評価や市場流通性を理由に、話が白紙になるという心配が根本から存在しないのです。売主様と弊社とで売買価格に合意できれば、あとは契約と決済を進めるだけ。この金融機関を介さない直接取引こそが、買取最大の強みです。
買取専門業者だからこそ可能な、現状のまま・スピーディーな売却とは
専門業者による買取は、スピードだけでなく「現状のまま」で売却できる点も大きなメリットです。「相続した家の荷物が多すぎて片付けられない」「雨漏りしているが修繕費用がない」といったご状況でも、そのままご相談ください。弊社はそれらをすべて含んだ上で査定し、買取価格を提示します。売却のための費用や手間は一切不要な上、契約不適合責任も免除されるため、売却後の心配もありません。こうしたあらゆるご負担を軽減できるのが、専門家による買取です。
「うちの長屋も可能だろうか?」と思われた方は、ぜひ一度、こちらからお気軽にご相談ください。
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【事例】買い手のローンが通らず売却を諦めていた草加市の長屋。専門家の買取で即現金化へ
「もうこの長屋は売れないのかもしれない…」先日、埼玉県草加市に相続した長屋をお持ちのA様から、切実なご相談をいただきました。A様は不動産仲介会社を通じて買主を見つけたものの、その方のローン審査が通らず、売却が白紙になってしまったのです。
途方に暮れて弊社のサイトを見つけ、ご相談くださったA様の元へすぐに伺い、お話を詳しくお聞きしました。そして、室内に残置物が残った状態のまま、金融機関のローン審査なしで弊社が直接買い取らせていただくご提案をしたところ、その場で決めていただくことができました。ご相談から決済まで、わずか10日。A様からは「もっと早く相談すればよかった」と安堵の声をいただいております。
長屋の買取に関するよくあるご質問
最後に、皆様からよくお寄せいただくご質問とその回答をまとめました。売却を検討される際の不安や疑問の解消にお役立てください。
- Q.銀行のローン特約で契約が白紙になった後でも相談できますか?
- Q.査定を依頼したら、必ず売却しないといけませんか?
- Q.買取価格は、どのようにして決まるのでしょうか?
これら以外にも、ご不明な点やご不安な点がございましたら、どんな些細なことでもお気軽にお問い合わせください。秘密厳守で、専門のスタッフが丁寧にお答えします。無理な営業は一切いたしませんので、ご安心ください。
Q
銀行のローン特約で契約が白紙になった後でも相談できますか?
Q
査定を依頼したら、必ず売却しないといけませんか?
Q
買取価格は、どのようにして決まるのでしょうか?
ローンが通らない長屋の売却は「金融機関の目線」で考えるのが成功の鍵
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。長屋の売却でローンが通らないのは、金融機関が持つ特有の「リスク評価」が原因です。担保価値の低さや市場流通性の問題から、彼らは融資に極めて慎重になります。そのため、ローンを前提とした一般的な仲介で売ろうとすると、どうしても壁にぶつかってしまうのです。
しかし、それはあなたの長屋に価値がないということではありません。「売り方」が違うだけなのです。金融機関の評価を気にする必要のない「専門家による買取」という手法を選べば、道は開けます。
その長屋、ローン問題で悩む前に、まずは専門家の無料査定を受けてみませんか?
「買い手のローンが通らなかった…」と、一人で悩み、立ち止まっていませんか。その不安や焦りを、まずは私たち専門家にお聞かせください。あなたの長屋にどれくらいの価値があるのか、そして、どのようにすればスムーズに手放せるのか、具体的な道筋を無料でお示しします。査定をしたからといって、売却を強要することは決してありません。大切なのは、あなたが正しい情報を基に、次の一歩を踏み出すことです。その第一歩として、お気軽にご連絡ください。私たちが、必ずお力になります。
 
					越川直之【宅地建物取引士】【空き家相談士】
代表ブログへ
							株式会社フィリアコーポレーション代表取締役の越川直之です。
							当社は空き家や再建築不可物件、共有持分など、一般的に売却が難しい不動産の買取・再販を専門とする不動産会社です。
							これまでに1000件以上の相談実績があり、複雑な権利関係や法的・物理的制約のある物件にも柔軟に対応してきました。
							弊社ホームページでは現場経験に基づいた情報を発信しています。
							当社は地域社会の再生や日本の空き家問題の解決にも取り組んでおり、不動産を通じた社会貢献を目指しています。
						


