コラム記事
長屋が売れない…そんなとき試すべき3つの対策
公開日 2025年9月5日
最終更新日 2025年10月30日

「長屋を売りに出しているのに、全く買い手がつかない…」そんな悩みを抱えていませんか。時間だけが過ぎ、固定資産税の負担だけがのしかかる状況に、焦りを感じるのも無理はありません。実は、長屋の売却には一般の不動産とは違う「特有の壁」が存在します。この記事では、その壁を乗り越えるための3つの具体的な対策を、専門家の視点から解説します。
目次
対策1:売却の基本となる「価格と売り方」を見直す
この章で解説するポイントは以下の3つです。
- 周辺の成約事例から、現実的な売出価格を再設定する
- 「建物」ではなく「土地」として売却する視点の転換
- 価格を見直しても売れない場合に潜む「別の要因」
長屋の売却活動が長期化している場合、まず着手すべきなのが「価格と売り方」の客観的な見直しです。市場の相場からかけ離れた価格設定になっていないか、あるいは物件の魅力を最大限に伝える売り出し方ができているか。この最初の対策を丁寧に行うことで、これまで反応がなかった状況が動き出す可能性があります。ただし、それでも買い手が見つからない場合、そこには価格以外の、より根深い問題が隠れているかもしれません。
周辺の成約事例から、現実的な売出価格を再設定する
長屋の売却でまず見直すべきは、売出価格が現実的かどうかです。買主は、ポータルサイトなどを通じて周辺の物件と慎重に比較検討します。その中で、相場より明らかに高額な物件は、内見に至る前の段階で候補から外されてしまうでしょう。
ご自身の長屋が所在するエリアで、似たような条件(築年数、面積、駅からの距離など)の戸建てや長屋の「成約価格」を調べてみてください。もし情報が見つからなければ、現在売り出し中の物件価格を参考に、そこから1〜2割程度低い価格が一つの目安となります。
私たちのような専門業者は、一般的な市場価格だけでなく、長屋特有の事情も加味した査定が可能です。独力での判断が難しい場合は、一度専門家の視点から価格を査定し、現実的な価格へと再設定することをお勧めします。
「建物」ではなく「土地」として売却する視点の転換
売り方の視点を変え、「古家付き土地」として売却することも有効な戦略です。正直なところ、築年数が経過した長屋の建物自体に、買主が資産価値を見出すことは多くありません。買主の多くは、その「土地」の立地や広さに魅力を感じ、購入後のリフォームや建て替えを前提に考えています。
そこで、広告などに「現況有姿(げんきょうゆうし)」、つまり現状のままで引き渡すことを明記し、建物の価値は含めない「土地の価格」としてアピールするのです。この方法なら、売主様が解体費用を負担する必要がありません。
ただし、その土地が「再建築不可」の場合は、この方法は適用できないため注意が必要です。物件の状況に合わせて売り方の視点を変えることで、これまでとは違う層の購入希望者へアピールできるようになります。
価格を見直しても売れない場合に潜む「別の要因」
もし、価格を相場に合わせ、売り出し方も工夫したにもかかわらず買い手がつかないのであれば、そこには価格以外の、より根深い要因が隠れている可能性が高いです。それは、長屋という不動産が持つ、法律上・権利上の特有の問題を指します。
具体的には、以下のようなケースが考えられます。
- そもそも今の建物を壊して新しい家を建てられない「再建築不可物件」
- 隣家と壁を共有しており、切り離しには隣人の同意が不可欠
- 相続で受け継いだが、共有者の中に一人でも売却に非協力的な人がいる
これらの問題は、単に価格を調整するだけでは決して解決しません。次の章では、売却を阻む第二の壁である、こうした「権利や人間関係」の問題について詳しく解説していきます。
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対策2:売却を阻む「権利や人間関係」を整理する
この章でお伝えするポイントは、以下の3点です。
- 相続した長屋の場合、共有者全員の同意は得られているか
- 解体や再建築に必須となる、隣人からの「承諾」という高い壁
- 当事者同士の交渉が招く精神的な負担と時間的なロス
価格の問題をクリアした次に立ちはだかるのが、長屋特有の「権利や人間関係」という見えない壁です。これらは非常にデリケートな問題を含んでおり、一つ対応を間違えると、売却話が白紙に戻るどころか、深刻なトラブルに発展するケースも少なくありません。ご自身の想いだけでは解決できないこれらの課題とどう向き合うべきか、具体的に見ていきましょう。
相続した長屋の場合、共有者全員の同意は得られているか
相続によって兄弟姉妹など複数人で長屋を所有している場合、売却には共有者全員の同意が法律で定められています。たとえご自身の持分が一番大きかったとしても、共有者の一人でも反対すれば、売却手続きを進めることはできません。
「思い出があるから売りたくない」「自分が住みたい」といった感情的な理由や、売却条件での意見の食い違いから、話がまとまらないケースは非常に多いです。中には、共有者と疎遠になってしまい、連絡先すら分からないというご相談も珍しくありません。
このように、共有不動産の売却は、まず関係者全員の足並みを揃えるという、最初の関門を突破する必要があります。これは、私たちが実務で見てきた中でも、特に時間と労力を要する課題の一つです
解体や再建築に必須となる、隣人からの「承諾」という高い壁
長屋の売却における最大の難関が、お隣様からの「承諾」です。長屋は構造上、壁や基礎、梁といった建物の重要な部分を隣家と共有しています。そのため、ご自身の長屋を解体したり、大規模なリフォームを行ったりする際には、隣家へ構造的な影響が及ぶ可能性があるため、事前に「切り離し承諾書」を取り交わすのが一般的です。
この承諾がなければ、買主は購入後に建て替えができないため、まず買い手は見つからないでしょう。しかし、普段あまり付き合いのないお隣様へ、いきなり「壁を切り離すので承諾書にサインしてください」とお願いするのは、精神的にも非常にハードルが高いものです。関係性がこじれてしまい、交渉が暗礁に乗り上げてしまうことも少なくありません。
当事者同士の交渉が招く精神的な負担と時間的なロス
これまで見てきた共有者や隣人との交渉を、所有者様ご自身で行うことは、想像以上の精神的負担と時間的なロスを伴います。親族やご近所といった近しい関係だからこそ、お金や権利が絡むと感情的になりやすく、冷静な話し合いが難しくなってしまうのです。
「言った、言わない」の争いになったり、過去の些細な不満が蒸し返されたりして、売却の話が進まないばかりか、大切な人間関係にまで亀裂が入りかねません。こうした調整に何ヶ月も費やした結果、心身ともに疲れ果ててしまったという方を、私たちは数多く見てきました。
だからこそ、このようなデリケートな交渉は、利害関係のない第三者である専門家に任せるという判断が、非常に重要になります。
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対策3:すべての問題を一挙に解決する「専門家への売却」
この章で詳しく解説するポイントは、以下の3つです。
- なぜ専門家は、一般の不動産会社が扱えない長屋を買い取れるのか
- 交渉・手続き・契約不適合責任も、すべてまとめて任せられる
- 私たちフィリアコーポレーションがご提案する「直接買取」という選択肢
価格、権利、人間関係。これまで見てきた長屋売却の複雑な問題を、一挙に、そして根本的に解決する方法が、専門家による「直接買取」です。もし、これまでの対策をご自身で行うのが難しいと感じたり、面倒な手続きや交渉を一切避けたいと考えたりするのであれば、この方法が最も有効かつ現実的な選択肢となります。その具体的な理由と、売主様にとっての大きなメリットを解説していきましょう。
なぜ専門家は、一般の不動産会社が扱えない長屋を買い取れるのか
私たちが、一般の不動産会社では扱えないような複雑な長屋を買い取れる理由は、買い取った後の物件を「再生・活用」する専門的なノウハウを持っているからです。一般的な不動産仲介会社は、あくまで買主を探すのが仕事であり、売れにくい物件を積極的に扱うことはありません。
一方、私たちは自らが買主となり、法的な問題を解決し、適切なリフォームを施すことで、その長屋が持つ本来の価値を引き出します。例えば、再建築不可の物件を魅力的な賃貸物件として蘇らせる、隣地所有者と交渉して再建築可能な土地として活用するなど、多様な出口戦略を持っています。この「再生力」があるからこそ、どのような状態の長屋であっても、価値を見出し、適正な価格で買い取ることができるのです。
交渉・手続き・契約不適合責任も、すべてまとめて任せられる
専門家による直接買取の最大のメリットは、売主様が「あらゆる面倒事と将来の不安」から解放される点にあります。私たちは、売主様の代理人として、難航する共有者や隣人との交渉、複雑な法的手続きをすべて引き受けます。
さらに、個人間売買や仲介で売却した場合に大きな不安要素となるのが、売却後の「契約不適合責任」です。これは、売却後に雨漏りやシロアリなどの欠陥が見つかった場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。
しかし、私たち専門業者が直接買い取る場合、この契約不適合責任を一切免除する特約を結びます。これにより、売主様は売却後に見つかるかもしれない建物の欠陥について、一切心配する必要がなくなります。安心して、完全に手放すことができるのです。
私たちフィリアコーポレーションがご提案する「直接買取」という選択肢
もし今、この記事を読んでくださっているあなたが、長屋の売却でお悩みでしたら、ぜひ一度私たちフィリアコーポレーションにご相談ください。私たちはまさに、これまでお話ししてきたような、権利関係が複雑な長屋や再建築不可物件などを専門に買い取ってきた、空き家専門の買取会社です。
ご相談や査定はもちろん無料です。売主様のお気持ちやご事情を第一に考え、無理に売却を勧めることは決してありません。室内に家財道具などが残ったままでも構いません。現状のまま、すべてまとめて買い取らせていただきます。
まずはあなたの長屋が抱える問題と、私たちの想をお話しさせていただけませんか。下記ページより、お気軽にお問い合わせください。
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【買取事例】私たちフィリアコーポレーションが解決した3つのケース
この章でご紹介する事例は、以下の3つです。
- ケース1:共有者が複数おり、意見がまとまらなかった長屋(千葉県船橋市)
- ケース2:隣地との境界が不明確で売却できなかった長屋(東京都練馬区)
- ケース3:雨漏りがひどく、買い手がつかなかった長屋(神奈川県横浜市)
ここまで長屋売却の対策について解説してきましたが、より具体的なイメージを持っていただくために、私たちフィリアコーポレーションが実際に解決に導いた事例をご紹介します。ご相談者様のプライバシーに配慮し、内容は一部変更しておりますが、いずれも皆様と同じように、長屋の売却に深く悩まれていた方々の実例です。
ケース1:共有者が複数おり、意見がまとまらなかった長屋(千葉県船橋市)
ご相談者様:60代男性・A様物件の状況:千葉県船橋市にある、ご両親が遺された長屋。相続人はA様を含むご兄弟3人。
A様は売却して現金化し、公平に分配したいとお考えでしたが、弟様は「思い出が詰まった家を売りたくない」と反対。妹様は「面倒なことには関わりたくない」と非協力的で、話し合いは完全に平行線でした。その間も固定資産税の支払いや管理の負担は、すべてA様にのしかかっていました。
私たちがご依頼を受け、まずは中立的な専門家として、ご兄弟一人ひとりと個別に面談の機会をいただきました。売却しない場合のリスクと、売却した場合の具体的なメリットを丁寧に説明し、感情的な対立を避けて冷静な判断ができるようサポート。最終的に全員の売却同意を取り付け、弊社が直接買い取ることで、A様を長年の心労と経済的なご負担から解放することができました。
ケース2:隣地との境界が不明確で売却できなかった長屋(東京都練馬区)
ご相談者様:50代女性・B様物件の状況:東京都練馬区にある長屋。
B様は数年前に一度、大手不動産会社に仲介での売却を依頼しました。しかし、担当者から「お隣との境界がはっきりしないと、買い手は見つかりません」と告げられ、測量や隣人との交渉に踏み出せないまま、時間だけが過ぎていました。お隣様とは面識もなく、どう切り出して良いか分からず、途方に暮れていらっしゃいました。
ご相談を受け、まずは私たちが現地へお伺いしました。その上で、境界問題に精通した土地家屋調査士と共に、隣地所有者様へ丁寧にご事情を説明。対立するのではなく、協力して問題解決にあたる姿勢を示すことで、円満に境界確認の合意をいただくことができました。最終的には、B様のご負担をなくすため、境界未確定のまま弊社が直接買い取らせていただき、その後の手続きもすべて引き受けました。
ケース3:雨漏りがひどく、買い手がつかなかった長屋(神奈川県横浜市)
ご相談者様:70代ご夫婦・C様物件の状況:神奈川県横浜市にある、長年お住まいだった長屋。
施設へのご入居を機に売却を決められましたが、長年の雨漏りで室内の傷みがひどく、複数の不動産会社から「このままでは絶対に売れない。修繕に数百万円かかります」と言われてしまいました。高額な修繕費は用意できず、また「売却後に他の欠陥が見つかったらどうしよう」という契約不適合責任への不安も大きく、八方塞がりの状態でした。
私たちは現地を拝見し、建物の状況をすべて受け入れた上での買取価格をご提示しました。そして、C様が最も心配されていた契約不適合責任については、弊社の買取では「一切免責」となることをご説明。室内に残された家財道具なども、片付け不要でそのまま引き取ることをお約束しました。C様は余計な出費や将来の不安を抱えることなく、長年住んだ家を安心して手放すことができたのです。
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長屋の買取でよくある3つの質問(FAQ)
この章では、皆様からよくいただく以下の3つの質問にお答えします。
- Q1.どんなに古かったり、傷んでいたりしても買い取ってもらえますか?
- Q2.査定や相談をしたら、必ず売らないといけませんか?
- Q3.買取価格はどのように決まるのですか?
ここまで読み進めていただいた方の中には、まだ疑問や不安が残っている方もいらっしゃるかもしれません。そこでこの章では、私たちがお客様から特によくお受けする3つの質問に、代表の越川が直接お答えします。専門家への相談をためらっている方々の、最後の一歩を後押しできれば幸いです。
Q
1.どんなに古かったり、傷んでいたりしても買い取ってもらえますか?
Q
2.査定や相談をしたら、必ず売らないといけませんか?
Q
3.買取価格はどのように決まるのですか?
どの対策が最適か迷ったら、まずは私たちにご相談ください
ここまで、売れない長屋を売却するための3つの対策について解説してきました。最後に、この記事の重要なポイントを5つにまとめます。
- 長屋が売れない最初の対策は、市場に合わせた「価格と売り方」の見直しです。
- それでも売れない場合、背景には「権利関係や人間関係」といった根深い問題が隠れています。
- 共有者や隣人との交渉は、当事者だけで行うには精神的・時間的な負担が非常に大きいものです。
- 専門家による「直接買取」は、こうした複雑な問題をまとめて解決できる、最も有効な手段となり得ます。
- 買取であれば、面倒な手続きや売却後の契約不適合責任からも解放され、安心して手放すことが可能です。
どの対策がご自身の状況に合っているか、判断に迷われるかもしれません。もし、少しでも「自分一人で進めるのは難しい」「面倒な交渉や手続きは避けたい」と感じられたなら、どうか一人で抱え込まず、私たちフィリアコーポレーションにご相談ください。
私たちは、単に物件を買い取るだけでなく、所有者様の長年の悩みや不安を解消し、新たな一歩を踏み出すお手伝いをすることを使命としています。ご相談いただいたからといって、売却を急かすことは決してありません。
まずは、あなたの長屋が抱えるお悩みと、ご希望を私たちに聞かせていただけませんか。ご連絡を心よりお待ちしております。
 
					越川直之【宅地建物取引士】【空き家相談士】
代表ブログへ
							株式会社フィリアコーポレーション代表取締役の越川直之です。
							当社は空き家や再建築不可物件、共有持分など、一般的に売却が難しい不動産の買取・再販を専門とする不動産会社です。
							これまでに1000件以上の相談実績があり、複雑な権利関係や法的・物理的制約のある物件にも柔軟に対応してきました。
							弊社ホームページでは現場経験に基づいた情報を発信しています。
							当社は地域社会の再生や日本の空き家問題の解決にも取り組んでおり、不動産を通じた社会貢献を目指しています。
						


