築古物件投資
概要
築古物件投資とは、築年数が古い不動産物件(一般に築20年以上の中古物件)を購入して運用する不動産投資手法です。新築に比べ物件価格が安いため高い利回りが期待でき、過去の価格下落幅が大きい分、これ以上の大幅な価値減少リスクが小さいという特徴があります。一方で老朽化による修繕費の負担増や、金融機関からの融資が付きにくいなどの課題もあります。築古物件投資はリスクとリターンのバランスを見極め、物件の状態を正しく評価できれば、大きな利益を生むチャンスとなります。
築古物件投資のメリット
築古物件を対象とした投資にはいくつかの魅力があります。まずなんといっても物件価格が安い点です。新築物件と比べて大幅に低い価格で購入できるため、自己資金が少なくても投資を始めやすいという利点があります。価格が安い分、家賃収入との比率で考えれば高い利回り(収益率)を得やすく、毎月のキャッシュフローも潤沢になりやすい傾向です。また、築古ならではの広い間取りやゆとりある住空間を持つ物件も多く、リフォーム次第で現代のニーズに合う快適な住まいに生まれ変わらせることが可能です。さらに減価償却による節税メリットも挙げられます。古い建物ほど短い耐用年数が適用されるため、購入直後から多めの減価償却費を計上でき、所得税や住民税の軽減につながる場合があります。加えて、築古物件は既に建物価値が大きく下がった後であることが多く、購入後の資産価値の下落幅が比較的小さい点も安心材料です。市場価格が底に近ければ、たとえ景気が後退しても値下がり余地が少なく、逆に適切なリノベーションや地域の再評価によってキャピタルゲインを得るチャンスも潜んでいます。
築古物件投資のデメリットと対処法
一方で築古物件投資には注意すべき点もあります。最大の課題は建物の老朽化です。年月を経た物件では、給排水や電気系統の不具合、屋根・外壁の傷みなど修繕を要する箇所が多くなる傾向があります。そのため購入後に修繕費用やリフォーム代がかさみ、当初見込んだ利回りが下がる可能性があります。また築古物件は金融機関からの評価が低く、新築に比べ融資を受けにくい場合があります。融資額が抑えられると自己資金の割合が増え、レバレッジを利かせた投資がしにくくなる点はデメリットです。さらに築古ゆえに設備や間取りが時代遅れとなり、若い世代の入居者に敬遠され空室リスクが高まるケースも考えられます。しかし、これらのデメリットは事前の対策で軽減可能です。購入前に専門家に建物診断を依頼し、構造上重大な欠陥がないか、修繕が必要な箇所はどこかを把握します。特に耐震性能は重視すべきポイントで、1981年の新耐震基準を満たしているか確認することが安全性確保に重要です。必要に応じて耐震補強や設備更新の費用を見積もり、計画に織り込んでおきます。また、融資面では金融機関ごとの方針や評価基準が異なるため、築古物件に積極的な銀行を探す、あるいは一部を現金で賄い自己資金比率を高めに設定するなど工夫が考えられます。当社フィリアコーポレーションは再建築不可物件など権利関係が複雑な築古物件の買取・再生を数多く手掛けており、物件のポテンシャルを見極め適切なリスク対策を講じるノウハウがあります。築古物件投資でもしっかりと準備をすれば、新築にはない高収益チャンスを掴むことができます。
築古物件で成功するためのポイント
築古物件投資を成功させるには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。まず最初に物件の現状を正確に把握すること。外観や内装が古いのは当然として、素人目には分からない構造的な問題や法規制上の問題(再建築不可や既存不適格など)がないか専門家のチェックを受けます。次に、購入後の収支計画を綿密に立てることが重要です。想定されるリフォーム費用や修繕積立、空室期間、保険料などすべて織り込んだうえで、それでも収益が出る価格で購入することが鉄則です。物件取得時点で利回りが高く見えても、後から大規模修繕が発生すれば収益性は悪化します。予め十分な修繕予算を確保し、余裕を持った利回り計算をすることが肝心です。また出口戦略も念頭に置いておきましょう。築古物件を長期間保有する場合、いずれ建替えや売却を検討する時期が来ます。将来的に土地として売却するのか、あるいは更地にして新築を建てるのか、はたまたリノベーションして付加価値を付けた上で売却するのか、複数のシナリオを描いておくと安心です。当社でも物件購入前から将来の処分方法までシミュレーションし、最適なタイミングでの売却や運用転換が図れるよう計画を立てています。こうした点を踏まえて臨めば、築古物件投資はリスクを抑えつつ大きなリターンを狙える魅力的な投資手法となるでしょう。古い物件に眠る隠れた価値を引き出し、賢く資産を増やしていきたいものです。
よくある質問
Q
築古物件投資は初心者にもおすすめできますか?
Q
築古物件でも安全に運用できますか?