仮登記

概要

仮登記(かりとうき)とは、将来行うべき本登記(通常の登記)に備えて、その登記の順位をあらかじめ確保するために仮に行う登記のことです。何らかの理由で直ちに本登記に必要な要件が揃わない場合に利用されます。仮登記自体には第三者への対抗力(自分の権利を主張する効力)はありませんが、後に本登記がなされると、仮登記をした時点に遡って順位が保全されるという強力な効力(順位保全効)を持ちます。

仮登記とはどのような制度か

仮登記は、不動産登記制度における特殊な登記の一つです。通常の登記(本登記)は、売買契約が成立し代金が支払われるなど、権利変動のすべての要件が揃った段階で行われます。しかし、何らかの事情で現時点では本登記ができないが、将来的に確実に権利を取得する予定があり、その権利を第三者に邪魔されたくない場合に仮登記が行われます。


仮登記には、大きく分けて以下の2つの種類があります。

1.1号仮登記
権利変動は既に生じているが、登記申請に必要な書類や条件がまだ整っていない場合に行われます。
◯例:不動産の売買契約は成立し、代金も支払われたが、登記に必要な書類(例えば、売主の印鑑証明書など)がまだ手元にない場合など。

2.2号仮登記:
現時点では権利変動は生じていないが、将来的に権利変動が発生する「請求権」を保全する場合に行われます。
◯例:売買予約(将来、条件が整えば売買契約を成立させる約束)をした際に、将来の買主が確実に所有権を取得できるよう、その所有権移転請求権を保全するために行われるケース。また、金融機関が債務者から「借金を返済できなければ不動産を譲り渡す」という代物弁済予約を結んだ際に、その権利を保全するために仮登記を設定することもあります。


仮登記の最大の特徴であり、その存在意義でもあるのが「順位保全効」です。仮登記の後に別の第三者がその不動産に関して登記(例えば、所有権移転登記や抵当権設定登記など)を行ったとしても、仮登記が後に本登記されれば、その本登記の順位は仮登記をした時点に遡ります。つまり、仮登記後に登記された他の権利は、本登記された権利に劣後し、場合によっては職権で抹消されることになります。このため、仮登記は「実質的には他人には売らせない」という効果を持つことがあります。

しかし、仮登記自体には、登記された権利を第三者に対して主張する「対抗力」はありません。対抗力を持つためには、最終的に本登記を行う必要があります。

仮登記が「訳アリ不動産」を生むケース

仮登記は、将来の権利を保全する便利な制度ですが、その特性ゆえに、不動産を「訳アリ不動産」と見なし、売買を極めて困難にする原因となることが多々あります。

最も一般的な問題は、登記簿に仮登記が残ったまま放置されているケースです。特に、古い仮登記の中には、その原因となった契約がすでに履行されることなく終わっているにもかかわらず、抹消されないまま残っているものがあります。例えば、売買予約の期限が過ぎている、あるいは代物弁済予約の債務がすでに弁済されているにもかかわらず、仮登記名義人(仮登記によって権利を保全している人)が抹消に協力してくれない、または所在不明・音信不通になっているといった状況です。

このような仮登記が残った不動産は、買主にとって大きなリスクとなります。なぜなら、その仮登記が将来本登記されてしまうと、自分が行った所有権移転登記が職権で抹消され、所有権を失う可能性があるためです。このリスクを回避するため、ほとんどの買主は、仮登記が抹消されない限り物件の購入を拒否します

仮登記の抹消には、原則として仮登記名義人(仮登記によって権利を保全している人)の協力が必要です。しかし、上記の通り、協力が得られない場合は、時間と費用のかかる法的手続き(仮登記抹消訴訟など)を行う必要が生じます。特に相続で取得した空き家の場合、被相続人が設定した古い仮登記が見つかり、その権利者との連絡が取れないといった問題は珍しくありません。当社フィリアコーポレーションには、このような仮登記にまつわる複雑な問題を抱え、一般の市場では売買が難しいとされている空き家に関するご相談が多数寄せられています。

仮登記の問題を抱える不動産の解決と当社の専門性

仮登記が絡む不動産の問題解決には、不動産登記に関する深い法律知識、そして仮登記名義人とのデリケートな交渉を行う実務的なノウハウが不可欠です。当社フィリアコーポレーションは、まさにこのような権利関係に課題のある不動産、特に仮登記が残存している空き家の買取と問題解決に特化しています。

当社が提供する解決策の一つは、仮登記が残っている物件を直接買い取ることです。これにより、売主様は、仮登記の抹消手続きにかかる費用(司法書士報酬や弁護士費用など)や時間、そして買主への説明責任といった複雑で時間のかかるプロセスから解放され、速やかに物件を現金化することができます。一般の不動産会社では、仮登記がある物件の扱いに難色を示すことがほとんどですが、当社は豊富な経験とノウハウを活かし、積極的に買取を検討します。

具体的には、当社の専門チームが対象不動産の仮登記の内容と状況を詳細に調査し、問題の根源を特定します。必要に応じて仮登記名義人との粘り強い交渉を行い、円満な合意形成による仮登記の抹消を目指します。仮登記名義人が遠方にいる、あるいは連絡が取れないといった困難な状況でも、提携の弁護士と連携し、仮登記抹消訴訟公示送達といった法的な手段を通じて問題解決を図ります。

売主様にとっては、残置物の処理が不要であったり、契約不適合責任を免除したりするなど、売却における心理的・実務的な負担を大幅に軽減する提案が可能です。当社は、1000件以上の相談・査定実績を通じて培った実務に基づいたリアルな知見を強みとしています。単なる法律の説明に終わらず、「どんな場面で問題になるのか」「売主にとっての影響」「どう解決してきたか」を明確に示しながら、売主様に寄り添った最適な解決策をご提案いたします。

よくある質問

Q

仮登記がある不動産でも売却できますか?

A

仮登記がある不動産でも売却自体は可能ですが、仮登記が抹消されない限り、一般の市場での売却は非常に困難です。これは、買主が購入後にその仮登記が本登記されてしまうと、自身が取得した所有権が失われるリスクがあるためです。ほとんどの買主は、仮登記の抹消を売買契約の条件とするか、購入を断念します。売却を進めるには、原則として仮登記名義人の協力を得て抹消手続きを行うか、それが難しい場合は法的手続きによって抹消する必要があります。当社フィリアコーポレーションのような訳アリ不動産専門の買取会社であれば、仮登記が残った状態の物件でもそのまま買い取り、売主様の負担なく売却を完了させることができます。

Q

仮登記を抹消するにはどうすればいいですか?

A

仮登記の抹消には、原則として仮登記名義人(仮登記によって権利を保全している人)と、現在の登記名義人(売主など)の共同申請が必要です。具体的には、仮登記名義人から「仮登記抹消承諾書」を取得し、これを添付して法務局に抹消登記を申請します。しかし、仮登記名義人が協力してくれない、あるいは所在不明や死亡している場合は、抹消が困難になります。この場合、裁判所に仮登記抹消訴訟を提起したり、公示送達といった法的な手続きを取る必要があり、時間と費用がかかります。

Q

仮登記には消滅時効がありますか?

A

仮登記自体には、原則として消滅時効はありません。つまり、長期間放置された仮登記であっても、自動的に消滅することはありません。しかし、仮登記の原因となった「請求権」には消滅時効が適用されることがあります。例えば、売買予約による所有権移転請求権は、権利を行使できる時から10年(2020年4月1日以降の契約は5年)で時効にかかる場合があります。この請求権が時効によって消滅すれば、仮登記も抹消されることになりますが、時効の援用(時効の完成を主張すること)は別途必要となります。古い仮登記が残っている場合は、その原因となった請求権の時効の有無についても専門家(弁護士や司法書士)に確認することをお勧めします。

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