区分投資
概要
区分投資とは、マンションやアパートの一室など、建物の一部を単独で購入して賃貸に出し、家賃収入を得る不動産投資の手法です。一棟投資に比べて少額から始められるため、初心者にも人気がありますが、その特性上、固有のリスクも多く存在します。
区分投資の仕組みと魅力の裏側
区分投資は、マンションの一室やアパートの一室など、独立した区画(区分所有建物)を取得し、それを賃貸物件として運用することで家賃収入を得る投資です。一般的なサラリーマンでも始めやすい価格帯の物件が多く、不動産投資への入り口として人気を集めています。また、一棟投資と比較して管理の手間が少ないとされる点も魅力に感じられるかもしれません。しかし、その手軽さの裏には、区分投資ならではのリスクが潜んでいます。例えば、物件価格が手頃に見えても、その後の管理費や修繕積立金、固定資産税などのランニングコストが、家賃収入を圧迫する可能性があります。空室期間が発生すれば、これらの費用が丸々持ち出しとなり、結果としてキャッシュフローが悪化することも珍しくありません。
区分投資に潜む固有のリスク
区分投資は、一見するとリスクが低いように感じられますが、実際には様々な固有のリスクを抱えています。
まず、空室リスクが挙げられます。区分投資の場合、一室が空室になれば、その月の家賃収入はゼロになります。一棟投資であれば他の部屋からの家賃収入で補填できますが、区分投資ではそれができません。人口減少や少子高齢化が進む日本では、特に地方都市や駅から遠い物件、築年数の古い物件では、安定的な入居者を確保することが難しくなっています。入居者が見つからなければ、ローンの返済や管理費、修繕積立金などの支払いが全て自己負担となり、投資計画は大きく狂ってしまいます。当社は空き家問題に深く関わってきましたが、放置された空き家の多くは、こうした賃貸経営の失敗が原因で最終的に売却もできず、誰も住まない状態に陥っているケースが少なくありません。
次に、管理組合の問題です。区分所有建物の場合、建物の管理は管理組合によって行われます。管理組合の運営方針や修繕計画は、個々の区分所有者の意向だけでは決められません。例えば、多額の修繕積立金の値上げが決定されたり、自身が不要と考える大規模修繕が実施されたりすることもあります。これらは区分所有者全員で決定されるため、自分の意見が通らないこともあり、予想外の出費が発生するリスクを伴います。また、管理組合自体が機能不全に陥っている場合や、特定の理事が不透明な運営をしているケースもあり、トラブルに巻き込まれる可能性も否定できません。
さらに、資産価値の下落リスクも無視できません。区分所有物件の資産価値は、建物の老朽化だけでなく、周辺環境の変化や同種の物件の供給過多など、様々な要因で下落する可能性があります。特に築年数が経過した物件や、再建築が難しい「訳アリ物件」の区分投資では、将来的な売却価格が購入価格を大きく下回ることも珍しくありません。例えば、当社が扱う再建築不可の長屋や連棟の区分所有物件は、個別の部屋の利用価値はあっても、全体としての法的制約から資産価値が低く評価されがちです。また、入居者のニーズが多様化する中で、設備の陳腐化も資産価値の下落に直結します。投資初期には想定していなかった修繕費用が重なり、最終的に売却を検討しても買い手が見つからず、負動産と化してしまう事例も実際に多く見てきました。
よくある質問
Q
区分投資は本当に少額から始められるのですか?
Q
区分投資で失敗しないための対策はありますか?
Q
区分投資のリスクを避けるために、他の選択肢はありますか?