所有権保存登記

概要

所有権保存登記(しょゆうけんほぞんとうき)とは、未登記の建物に対して、初めて登記簿を作成し、その建物の所有権者が誰であるかを公示するための登記です。新築した建物や、過去に建てられたものの何らかの理由で登記がされていない建物に対して行われます。この登記によって、その建物が法律上「存在すること」が公に認められ、所有権者が明確になります。所有権保存登記がなされることで、その後の売買や担保設定(抵当権設定など)といった権利に関する登記が可能になります。

所有権保存登記とはどのような制度か

所有権保存登記は、不動産登記の中でも特に「建物」に対して行われる最初の権利に関する登記です。土地は原則としてすべて登記されていますが、建物は新築された際に所有者が登記申請をしなければ、登記簿に記録されません。この、まだ登記されていない建物(未登記建物)を、法律上、登記簿に「存在するもの」として登録し、その最初の所有者を公示するのが所有権保存登記の役割です。


所有権保存登記は、主に以下の目的で行われます。

1.建物の所有権の公示:建物が誰の所有物であるかを公に明らかにし、第三者に対して主張できるようにします。これにより、建物の権利関係の安全性が確保されます。

2.その後の権利変動の登記を可能にする:所有権保存登記がなされていない建物は、売買による所有権移転登記や、住宅ローンを組む際の抵当権設定登記など、その後の一切の権利に関する登記を行うことができません。不動産取引を行うためには、まず所有権保存登記を済ませる必要があるのです。

3.不動産としての法的地位の確立:登記されることで、その建物は不動産として公的な台帳に登録され、固定資産税の課税対象になるなど、法的地位が確立されます。


所有権保存登記の申請ができるのは、原則としてその建物を新築した者や、相続人、または裁判所の判決によって所有権が確認された者などに限られます。新築された場合は、建物が完成した日から1ヶ月以内に「建物表題登記」(表示に関する登記)を行い、その後に「所有権保存登記」(権利に関する登記)を行うのが一般的な流れです。

所有権保存登記がなされていない「訳アリ不動産」の問題

所有権保存登記がなされていない建物は、しばしば「訳アリ不動産」として扱われ、その利用や売却が極めて困難になる大きな問題となります。

最も典型的な問題は、売却や担保設定ができないという点です。未登記の建物は、法律上、所有権が公に証明されていない状態であり、登記簿が存在しないため、通常の不動産取引の対象とはなりえません。買主は、所有権が明確でない建物を購入することに大きなリスクを感じますし、住宅ローンを組む金融機関も、担保となる建物が未登記では評価ができないため、融資を受けることができません。これにより、売却を希望しても買い手が見つからず、建物が空き家として放置されてしまうケースが多々あります。


また、未登記建物は、以下のような問題も引き起こす可能性があります。

・所有者の不明確化:長期間未登記のまま放置されると、所有者が複数回の相続を経て特定が困難になったり、所在不明になったりすることがあります。

・固定資産税の課税漏れ:建物表題登記が行われていない場合、固定資産税の課税台帳に登録されず、税金が徴収されないことがあります。これは過去の税金を遡って徴収されるリスクにつながります。

・火災保険の加入や再建築の困難:未登記建物は、火災保険の加入が制限されたり、建て替えやリフォームの際に建築確認申請がスムーズに進まないなどの問題が生じることもあります。


当社フィリアコーポレーションが取り扱う空き家の中には、このような所有権保存登記がなされていない複雑な問題を抱え、一般の市場では売買が難しいとされているものが多数あります。

所有権保存登記がなされていない不動産の解決と当社の専門性

所有権保存登記がなされていない不動産の問題解決には、不動産登記に関する深い法律知識、そして未登記建物の所有者や相続人を特定し、手続きを円滑に進める実務的なノウハウが不可欠です。当社フィリアコーポレーションは、まさにこのような権利関係に課題のある不動産、特に所有権保存登記がなされていない空き家の買取と問題解決に特化しています。

当社が提供する解決策の一つは、所有権保存登記がなされていない物件を直接買い取ることです。これにより、売主様は、建物表題登記や所有権保存登記の手続きにかかる費用(土地家屋調査士報酬、司法書士報酬、登録免許税など)や時間、そして売却時の困難さといった多岐にわたる問題から解放され、速やかに物件を現金化することができます。一般の不動産会社では、未登記建物の扱いに難色を示すことがほとんどですが、当社は豊富な経験とノウハウを活かし、積極的に買取を検討します。

具体的には、当社の専門チームが対象不動産の建物の現況と過去の経緯を詳細に調査し、問題の根源を特定します。必要に応じて提携の土地家屋調査士に依頼して建物表題登記を行い、その後に所有権保存登記を進めます。所有者が不明な場合や、相続人が多数いる場合でも、当社が責任を持って所有者特定や相続人全員の同意形成をサポートし、登記手続きを完了させます。

売主様にとっては、残置物の処理が不要であったり、契約不適合責任を免除したりするなど、売却における心理的・実務的な負担を大幅に軽減する提案が可能です。当社は、1000件以上の相談・査定実績を通じて培った実務に基づいたリアルな知見を強みとしています。単なる法律の説明に終わらず、「どんな場面で問題になるのか」「売主にとっての影響」「どう解決してきたか」を明確に示しながら、売主様に寄り添った最適な解決策をご提案いたします。

よくある質問

Q

建物が未登記だと、どんな不利益がありますか?

A

建物が未登記であると、様々な不利益が生じます。最も大きいのは、売却や担保設定(住宅ローンを組むなど)ができないことです。法的に所有権が公示されていないため、買主も金融機関も取引を躊躇します。また、未登記のまま放置されると、将来的に所有者(相続人)の特定が困難になり、さらに問題が複雑化するリスクがあります。さらに、火災保険の加入が制限されたり、登記上の固定資産税評価額が定まらないために適切な課税が行われない(将来、遡って徴収される可能性)といった問題も生じます。新築した建物は、1ヶ月以内に建物表題登記を申請することが法律で義務付けられています。

Q

所有権保存登記をするには、どれくらいの費用と期間がかかりますか?

A

所有権保存登記をするには、「建物表題登記」「所有権保存登記」の2段階の手続きが必要です。


・建物表題登記(表示に関する登記):土地家屋調査士に依頼する場合、建物の種類や規模にもよりますが、おおよそ8万円〜15万円程度の費用がかかります。期間は数週間程度です。

・所有権保存登記(権利に関する登記):司法書士に依頼する場合、報酬の他に、建物の評価額に応じた登録免許税(評価額の0.4%、ただし特定の要件を満たす場合は0.15%など軽減措置あり)がかかります。報酬は数万円程度が目安です。期間は数日から1週間程度です。未登記期間が長かったり、所有者特定が困難だったりすると、さらに費用と期間が増大する可能性があります。

Q

所有権保存登記がされていない空き家は、そのまま解体できますか?

A

所有権保存登記がされていない未登記の空き家であっても、原則として解体することは可能です。ただし、解体後には、その建物が滅失したことを示す「建物滅失登記」を行う必要があります。未登記建物の場合は、まず「建物表題登記」をしてから「建物滅失登記」を行うか、あるいは、建物滅失登記と同時に未登記である旨を申告し、滅失登記を行うことになります。この手続きも土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。もし、解体後も土地の売却にお困りの場合は、当社フィリアコーポレーションにご相談いただければ、適切な手続きを踏んで売却をサポートいたします。

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