抹消登記

概要

抹消登記(まっしょうとうき)とは、登記簿に記録されている特定の登記が、その効力を失ったり、不適切になったりした場合に、その登記を登記簿から抹消するための手続きです。最も一般的なのは、住宅ローンを完済した際に抵当権を抹消する登記ですが、他にも、古い所有権に関する仮登記や、すでに存在しない地役権など、様々な権利や表示の登記が対象となります。抹消登記を行うことで、登記簿上の情報を現況に合致させ、不動産の権利関係を明確にすることができ、不動産取引の安全性を高めます。

抹消登記とはどのような制度か

抹消登記は、不動産の登記簿に記載されている情報が、実際の権利関係や物理的状況と異なる場合に、その誤った情報や不要になった情報を法的に削除する手続きです。これにより、登記簿の正確性を保ち、不動産取引における混乱やトラブルを未然に防ぐ重要な役割を果たします。


抹消登記が必要となる主なケースは以下の通りです。

1.抵当権・根抵当権の抹消
◯住宅ローンや事業資金の借入れを完済した場合に、担保として設定されていた抵当権や根抵当権を抹消する登記です。これが抹消登記の中で最も多く行われます。
◯ローンを完済しても自動的に抹消されるわけではなく、金融機関から渡される書類を用いて、所有者自身が法務局に申請する必要があります。

2.仮登記の抹消
◯将来の本登記に備えていた仮登記が、その目的を達せずに不要になった場合(例:売買予約が成立しなかった、代物弁済予約の債務が弁済されたなど)に行う登記です。
◯仮登記が残っていると、その後の不動産取引の障害となるため、抹消が必要となります。

3.地役権・地上権・賃借権などの権利の抹消:
◯これらの権利が期間満了、放棄、合意解除などによって消滅した場合に行う登記です。

4.表示に関する登記の抹消
◯滅失した建物(取り壊された建物)の登記を抹消する「建物滅失登記」などがこれにあたります。建物がなくなったにもかかわらず登記簿に残っていると、固定資産税が課され続けるなどの不利益が生じる可能性があります。


抹消登記は、原則として抹消される権利の登記名義人(例:抵当権者である金融機関)と、登記によって利益を受ける者(例:抵当権が抹消される不動産の所有者)の共同申請によって行われます。例えば、抵当権抹消登記であれば、金融機関が「登記義務者」となり、不動産所有者が「登記権利者」となります。共同申請が難しい場合(登記義務者が協力してくれない、所在不明など)は、別途、裁判手続き(例:抹消登記請求訴訟)が必要となることがあります。

抹消登記がなされていない「訳アリ不動産」の問題

抹消登記が適切に行われていない不動産は、しばしば「訳アリ不動産」として扱われ、その売却や有効活用を極めて困難にする大きな原因となります。

最も典型的な問題は、完済済みのローンに関わる抵当権や、古い根抵当権が登記簿に残り続けているケースです。所有者からすれば「ローンは払い終わっているから問題ない」と思っていても、登記簿上はまだ借金が残っているように見えてしまいます。このような不動産を売却しようとした場合、買主は、残存する抵当権が将来実行されるリスクを懸念するため、抹消されない限り購入を拒否します。売主は、売買契約を進めるために、自らの費用と労力でこの抹消手続きを完了させる必要が生じます。


また、以下のようなケースも問題となります。

・古い仮登記が放置されている:その後の取引が成立しなかったにもかかわらず、仮登記が抹消されずに残っている場合、その仮登記が将来本登記されるリスクから、買主が見つかりにくくなります。

・滅失した建物の登記が残っている:建物がすでに解体されているにもかかわらず、滅失登記が行われていないと、登記簿上は建物が存在するように見え、固定資産税が不当に課され続けたり、土地の売却の際に、買主が土地と建物の権利関係を正しく把握できなかったりする問題が生じます。

・共有者の一部が協力しない:相続などで共有となった不動産に古い権利が残っている場合、抹消には原則として登記権利者(過去の権利者)と現在の所有者全員の協力が必要となりますが、共有者の一部が協力的でないと手続きが進みません。


これらの問題は、不動産の利用価値や資産価値を著しく低下させ、所有者にとって大きな負担や損失を発生させる「負動産」となることがあります。当社フィリアコーポレーションには、このような抹消登記に関する複雑な問題を抱え、一般の市場では売買が難しいとされている空き家に関するご相談が多数寄せられています。

抹消登記の問題を抱える不動産の解決と当社の専門性

抹消登記に関する問題、特に古い権利が残存している不動産の解決には、不動産登記に関する深い法律知識、関係者との交渉、そして法的手続きを行う実務的なノウハウが不可欠です。当社フィリアコーポレーションは、まさにこのような権利関係に課題のある不動産、特に抹消すべき登記が残存している空き家の買取と問題解決に特化しています。

当社が提供する解決策の一つは、抹消登記の問題を含む物件を直接買い取ることです。これにより、売主様は、抹消手続きにかかる費用(司法書士報酬、登録免許税など)や時間、そして売却時の困難さといった多岐にわたる問題から解放され、速やかに物件を現金化することができます。一般の不動産会社では、抹消すべき登記がある物件の扱いに難色を示すことがほとんどですが、当社は豊富な経験とノウハウを活かし、積極的に買取を検討します。

具体的には、当社の専門チームが対象不動産の登記簿情報を詳細に確認し、抹消すべき登記の種類と原因を特定します。ローン完済済みであれば、金融機関に連絡を取り、抹消に必要な書類を迅速に手配します。古い仮登記やその他の権利が残っている場合は、その権利者との交渉や、提携の弁護士・司法書士と連携し、法的な手段(例:抹消登記請求訴訟、公示送達による登記手続きなど)を通じて抹消手続きを完了させます。

売主様にとっては、残置物の処理が不要であったり、契約不適合責任を免除したりするなど、売却における心理的・実務的な負担を大幅に軽減する提案が可能です。当社は、1000件以上の相談・査定実績を通じて培った実務に基づいたリアルな知見を強みとしています。単なる法律の説明に終わらず、「どんな場面で問題になるのか」「売主にとっての影響」「どう解決してきたか」を明確に示しながら、売主様に寄り添った最適な解決策をご提案いたします。

よくある質問

Q

住宅ローンを完済したら、抵当権抹消登記は自動的にされますか?

A

いいえ、住宅ローンを完済しても、抵当権設定登記は自動的には抹消されません。金融機関から抹消に必要な書類(解除証書、登記済証または登記識別情報など)を受け取った後、所有者自身または司法書士に依頼して、法務局に「抵当権抹消登記」を申請する手続きが必要です。この抹消登記を怠ると、登記簿上に抵当権が残ったままとなり、将来的に不動産を売却したり、新たに担保設定したりする際に大きな支障となります。金融機関から送られてくる抹消書類には有効期限がある場合もあるため、受け取ったら早めに手続きを済ませることをお勧めします。

Q

抹消登記にはどれくらいの費用と期間がかかりますか?

A

抹消登記にかかる費用は、登記の種類によって異なりますが、主に以下の2つです。

・登録免許税:国に支払う税金です。抵当権抹消登記の場合、不動産1件につき1,000円です(土地と建物があれば合計2,000円)。

・司法書士報酬:司法書士に手続きを代理してもらう場合の費用です。抹消登記の種類や、関係者の人数、書類の複雑さなどによって異なりますが、一般的には1万円〜3万円程度が目安となります。期間については、書類が全て揃っていれば数日から1週間程度で完了しますが、書類の取り寄せや、関係者との連絡に時間がかかる場合は、それ以上かかることもあります。

Q

抹消すべき登記が残っていると、なぜ不動産が売却しにくいのですか?

A

抹消すべき登記が残っている不動産は、買主にとって法的なリスクや手間を伴うため、売却しにくいのが一般的です。例えば、抵当権が残っていると、買主は、もしその抵当権が実行されて競売になった場合、自分が所有権を失う可能性を懸念します。また、古い仮登記が残っていれば、その仮登記が本登記されてしまうリスクがあります。これらのリスクがある不動産は、多くの買主から敬遠されるため、売却できたとしても市場価格より大幅に安くなる傾向があります。売主側でこれらの問題を解消してから売却するのが理想ですが、それが難しい場合は、当社フィリアコーポレーションのような訳アリ不動産専門の買取会社にご相談いただくことで、そのままの状態で売却することが可能です。

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