法定更新

概要

法定更新(ほうていこうしん)とは、賃貸借契約の期間満了時に、貸主(賃貸人)と借主(賃借人)の間で更新に関する合意がなくても、法律の規定に基づいて自動的に従前の契約と同一の条件で契約が更新されることを指します。特に借地借家法において、借主の居住や事業の安定を保護するために設けられた重要な制度であり、貸主が更新を拒絶するには「正当事由」が必要となります。

法定更新とはどのような制度か

法定更新は、賃貸借契約、特に建物の賃貸借契約(借家契約)や土地の賃貸借契約(借地契約)において、借主を強力に保護するための制度です。通常、契約は当事者の合意によって更新されるものですが、法定更新の場合は、当事者の意思表示がなくても、または貸主が更新を拒絶しても、一定の要件を満たせば契約が自動的に更新されます。


法定更新が適用される主な条件は以下の通りです。

1.期間満了:賃貸借契約で定められた契約期間が満了すること。

2.更新拒絶の通知がない、または正当事由がない
◯貸主が期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、借主に対して更新を拒絶する旨の通知をしなかった場合。
◯貸主が更新拒絶の通知をしたとしても、その通知に「正当事由」が認められない場合。


この「正当事由」の判断は非常に厳格です。借地借家法では、建物の利用状況や必要性、賃貸借の経緯、建物の老朽化の程度、立ち退き料の提供など、様々な要素を総合的に考慮して判断されます。例えば、貸主が自己使用の必要性を主張しても、それだけでは正当事由とは認められず、相応の立ち退き料を提示することでようやく正当事由が補完される、といった運用がなされています。

法定更新された場合、従前の契約と同一の条件で契約が更新されます。ただし、更新後の契約期間は、建物の賃貸借契約では期間の定めのない契約となり、土地の賃貸借契約では当初の契約期間と同じ期間となるのが原則です。また、賃料については、経済情勢の変化などがあれば、当事者は賃料増減請求権を行使して、増額または減額を求めることができます。

法定更新は、借主が居住する場所や事業を行う場所を安定的に利用できることを保障し、貸主の都合による一方的な契約終了を防ぐことで、社会の安定に寄与しています。

法定更新が「訳アリ不動産」を生むケース

法定更新の制度は借主保護のために重要ですが、その厳格な運用が、しばしば不動産を「訳アリ不動産」とし、所有者である貸主の土地・建物の利用や売却を困難にする原因となります。

最も典型的な問題は、老朽化した建物や土地を、法定更新によって手放せないケースです。例えば、築年数の古い賃貸アパートや、旧法時代の借地権が設定された土地を所有している場合、建物がボロボロで建て替えが必要であっても、あるいは土地を売却して有効活用したいと思っても、賃借人が居住を続けている限り、貸主側からの契約解除や更新拒絶は極めて困難です。正当事由が認められにくく、多額の立ち退き料を支払ってもなお、賃借人が応じないこともあります。

また、賃借人が賃料を滞納している、あるいは行方不明になっているといった状況でも、法定更新が成立してしまうことがあります。たとえ賃料滞納があっても、すぐに契約解除できないのが借地借家法の特徴であり、解決には時間のかかる法的手続き(滞納賃料請求訴訟、建物明渡請求訴訟など)が必要となります。その間も契約は自動更新され続け、不動産は「負動産」と化してしまいます。このような物件は、一般市場では買い手が敬遠し、売却が非常に困難になります。当社フィリアコーポレーションには、このような法定更新にまつわる複雑な問題を抱え、一般の市場では売買が難しいとされている空き家に関するご相談が多数寄せられています。

法定更新問題を抱える不動産の解決と当社の専門性

法定更新が絡む不動産の問題解決には、借地借家法に関する深い法律知識、そして賃借人とのデリケートな交渉を行う実務的なノウハウが不可欠です。当社フィリアコーポレーションは、まさにこのような権利関係に課題のある不動産、特に法定更新が問題となっている空き家や借地権付きの土地の買取と問題解決に特化しています。

当社が提供する解決策の一つは、法定更新によって身動きが取れなくなっている物件を直接買い取ることです。これにより、売主様は、賃借人との複雑な交渉、立ち退き料の算定と支払い、そして法的手続きといった多岐にわたる問題から解放され、速やかに物件を現金化することができます。一般の不動産会社では、法定更新の問題を抱える物件の扱いに難色を示すことがほとんどですが、当社は豊富な経験とノウハウを活かし、積極的に買取を検討します。

具体的には、当社の専門チームが対象不動産の賃貸借契約の内容、賃借人の状況、物件の利用状況を詳細に調査し、問題の根源を特定します。必要に応じて賃借人との粘り強い交渉を行い、円満な立ち退きや、賃貸借契約の適切な終了を目指します。交渉が難しい場合には、提携の弁護士と連携し、法的な手段を通じて問題解決を図ります。

売主様にとっては、残置物の処理が不要であったり、契約不適合責任を免除したりするなど、売却における心理的・実務的な負担を大幅に軽減する提案が可能です。当社は、1000件以上の相談・査定実績を通じて培った実務に基づいたリアルな知見を強みとしています。単なる法律の説明に終わらず、「どんな場面で問題になるのか」「売主にとっての影響」「どう解決してきたか」を明確に示しながら、売主様に寄り添った最適な解決策をご提案いたします。

よくある質問

Q

法定更新を避けるにはどうすればいいですか?

A

法定更新を避けるには、貸主が賃貸借契約の期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、借主に対して更新を拒絶する旨の通知を行う必要があります。ただし、単に通知するだけでは足りず、その通知に「正当事由」がなければ、通知が無効となり法定更新されてしまいます。正当事由は、貸主側の建物の使用の必要性、建物の利用状況や老朽化の程度、立ち退き料の提供など、様々な要素を総合的に考慮して判断されるため、非常にハードルが高いです。定期借家契約のように、更新がないことを前提とした契約形態を利用すれば法定更新は適用されませんが、その分賃料が低くなるなどのデメリットもあります。

Q

法定更新された場合、家賃は変わりますか?

A

法定更新された場合、原則として従前の家賃(賃料)と同一の条件で契約が更新されます。ただし、その後の経済事情の変動や、近隣の家賃相場との比較などにより、貸主または借主のいずれからでも、家賃の増額または減額を請求することができます(賃料増減請求権)。当事者間の話し合いで賃料が合意できなければ、最終的には裁判所に調停や訴訟を申し立てて決定することになります。

Q

法定更新された後でも、賃貸借契約を解除できますか?

A

法定更新された後の契約解除は、貸主側からの一方的な解除は非常に困難です。期間の定めのない契約となった場合、貸主からの解約申入れは可能ですが、やはり「正当事由」がなければ認められません。正当事由の判断は、更新拒絶の場合と同様に厳格です。一方、借主側からは、いつでも解約を申し入れることができ、原則として解約申入れから一定期間(建物であれば3ヶ月)が経過すれば契約が終了します。ただし、特約で解約予告期間が定められている場合はそれに従います。法定更新で身動きが取れずお困りの場合は、当社フィリアコーポレーションにご相談ください。

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