コラム記事
知る人ぞ知る!10年特例用地の魅力とリスク
公開日 2025年7月22日
最終更新日 2025年7月29日
タグ:物件選びの知識本日は、不動産市場において注目を集めている「10年特例用地」について詳細にご説明いたします。この土地区分は、潜在的な魅力とリスクを併せ持つ特殊な性質を有しており、適切な理解が不可欠です。
目次
10年特例用地の定義
10年特例用地とは、市街化調整区域内に位置しながら、特定の条件下で住宅建設が許可される土地を指します。通常、市街化調整区域では開発が制限されていますが、この特例により住宅建築が可能となります。
住宅建設のための主な要件
- ① 申請者が当該地域またはその隣接地域に10年以上居住していること
- ② 自己用住宅建設に関する正当な理由(例:結婚、転勤、世帯分離)があること
- ③ 対象地が既存集落内にあり、周辺に50戸以上の住宅が存在すること
- ④ 予定地の面積が概ね200平方メートル以上500平方メートル以下であること
- ⑤ 建築予定の住宅の延べ面積が概ね200平方メートル以下であること
10年特例用地の魅力
経済性
市街化調整区域内であるため土地評価額が比較的低く、広大な敷地を比較的安価に取得できる可能性があります。
自然環境
市街地から離れた場所に位置することが多く、豊かな自然環境を享受できます。
プライバシー
周辺の建物密度が低いため、プライバシーが確保しやすい環境となります。
将来性
長期的には都市計画の変更により、土地の価値が上昇する可能性があります。
リスク
住宅ローン
審査基準が厳格化される可能性があり、融資額が制限されることがあります。
インフラ整備
生活インフラ(上下水道、ガス、道路等)が未整備の場合があり、追加コストが発生する可能性があります。
売却制限
将来の売却に制限が生じる可能性があり、条件適合者のみに売却可能な場合があります。
開発許可
開発許可取得や農地転用手続きが必要となる場合があり、建築着工までに相当の時間を要する可能性があります。
地域制限
建築物の高さや用途に制限が設けられている場合があります。
10年特例用地は、条件次第で広大な敷地を取得できる魅力的な選択肢となり得ますが、上記のようなリスクや制限も存在します。長期的な視点での検討が不可欠です。
監修者

越川直之
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株式会社フィリアコーポレーション代表取締役の越川直之です。
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