コラム記事
共有持分放棄の手続きと登記|早い者勝ち?民法ルールと売却の利点
公開日 2026年1月25日
最終更新日 2026年1月25日
越川直之(宅地建物取引士 / 空き家相談士)
代表ブログへ訳アリ不動産1,000件以上の相談実績を持つ、空き家・再建築不可・長屋・共有持分の専門家。株式会社フィリアコーポレーション代表取締役。現場経験に基づき、訳アリ不動産売却の正しい知識を監修しています。
株式会社フィリアコーポレーション代表取締役の越川直之です。
「共有持分を手放したいけれど、他の共有者と関わりたくない」「いっそ放棄してしまいたい」と考える方は少なくありません。しかし、不動産の共有持分放棄には、意外な落とし穴と実務上の高いハードルが存在します。
特に東京都内などの価値がある土地において、安易な「放棄」は大きな損失を招く可能性があります。今回は、民法のルールから実務的なリスク、そして最も利益を守れる解決策について詳しく解説します。
目次
共有持分放棄は早い者勝ち?民法第255条の仕組みと登記手続き
共有持分の放棄については、民法第255条で明確なルールが定められています。
民法第255条の規定とは
共有者の一人がその持分を放棄したとき、その持分は「他の共有者」に帰属します。つまり、あなたが権利を捨てれば、その分だけ他の共有者の持ち分が増える仕組みです。
なぜ「早い者勝ち」と言われるのか
不動産の管理責任や固定資産税の支払い義務から逃れるという意味で「早い者勝ち」という言葉が使われることがあります。
- 管理責任の回避:老朽化した建物の倒壊リスクなどの責任を早期に脱却できる。
- 税負担の停止:放棄が成立した時点以降の固定資産税を支払う必要がなくなる。
ただし、これらはあくまで「他の共有者に権利が移る」ことが前提です。
共有持分放棄登記の手続き
放棄したことを第三者に主張するためには、管轄の法務局で「共有持分移転登記」を行う必要があります。この手続きは、放棄する人とそれを受け取る人(他の共有者)が共同で申請しなければならないのが実務上の大きな壁となります。
不動産の共有持分放棄登記の注意点|贈与税リスクと他者の協力
「放棄すれば勝手に終わる」と思っていると、思わぬトラブルに巻き込まれます。不動産共有持分放棄には、主に2つの大きなリスクがあります。
1.受け取った側に発生する「贈与税」のリスク
持分を放棄して他の共有者の持分が増える行為は、税務上「贈与」とみなされます。
価値の高い不動産の場合、持分を受け取った親族に対し、多額の贈与税が課せられる可能性があります。良かれと思って放棄したことが、親族間の新たな火種になるケースも少なくありません。
2.他の共有者の協力(印鑑)が不可欠
前述の通り、登記手続きは単独ではできません。
「仲が悪くて話し合いができない」から放棄を選んだとしても、結局は登記のために他の共有者の署名捺印や印鑑証明書が必要になります。相手が協力を拒否すれば、裁判を起こさない限り登記は進みません。
土地の共有持分を放棄するより「売却」すべき?費用と手残りを比較
土地共有持分放棄を検討しているなら、一度「買取(売却)」と比較してみてください。特に都市部の物件であれば、放棄は経済的に大きな損失です。
放棄と売却の比較表
| 項目 | 共有持分放棄 | 弊社による直接買取 |
| 手元に残る現金 | 0円(むしろ登記費用がかかる) | まとまった現金が手に入る |
| 税金のリスク | 相手に贈与税がかかる可能性 | 売主様に譲渡所得税(利益が出る場合) |
| 相手との交渉 | 登記協力の依頼が必要 | 弊社がすべて代行。売主様は関与不要 |
| 手続きの難易度 | 相手の協力次第で難航する | 弊社との契約のみで完結 |
「実務の総本山」としての見解
東京都内など市場価値がある不動産の場合、放棄はおすすめしません。仲が良いなら共同売却、折り合いがつかないなら「自分の持分だけ売却」するのが賢明です。放棄を促してくる共有者は、単に不動産を独占したいだけというケースも多いため、注意が必要です。
共有持分1000件超の解決実績!複雑な権利関係も直接買取で即解消
フィリアコーポレーションは、大手不動産会社が匙を投げた物件を最終的に引き受ける「プロが頼るプロ」です。
共有者との交渉から解放
「放棄したい」と思うほど深刻な対立がある場合でも、私たちの出番です。お客様の持分を直接買い取った後、私たちが新たな共有者として他の共有者と法的・実務的な協議を行います。売主様は、隣人や親族との煩わしい交渉をすべて弊社に丸投げできます。
現況引渡しの徹底
荷物があるまま、測量もしていない、あるいは再建築不可や長屋といった特殊な物件でも問題ありません。現状のまま、最短1週間で現金化することが可能です。
【解決事例】「放棄してほしい」という親族の要求を拒否し、売却で解決
相談内容
都内の戸建てを相続したA様。共有者である親族から「私が責任を持って管理するから、お前の持分を放棄してほしい」と強引な手紙が届くようになりました。話し合おうにも相手は独占欲が強く、1年ごとに「持分を譲渡しろ」という催促が続き、精神的に追い詰められていました。
当社の対応
A様から相談を受け、物件を査定したところ、土地の価値が非常に高いことが判明。放棄すれば数百万円の価値をタダで譲ることになります。当社はA様の「親族と関わりたくない」という意向を最優先し、直接買取を提案。A様は一度も親族と会うことなく、手続きを進めました。
結果
お問い合わせから10日後、A様の持分のみを無事買取り、現金化に成功しました。A様は「一方的な要求に屈することなく、正当な対価を得て縁を切ることができた」と、肩の荷が下りた様子でした。
よくある質問(FAQ)
Q1.売却後に建物の不具合が見つかった場合、責任を問われますか?
売主様の「契約不適合責任」は一切免除いたします。
弊社が買い取る場合は「現況のまま」が原則です。売却後に雨漏りやシロアリが見つかっても、売主様に損害賠償を請求することはありません。他の不動産会社ではこの免除がない場合もあるため、ご注意ください。
Q2.隣人や他の共有者とトラブルがあり話し合いができません。事前に交渉が必要ですか?
いいえ、売主様は「何もしない」でください。
境界問題や共有者との交渉はすべて弊社が引き受けます。感情的になっている状態で交渉を進めると、解決が難しくなるケースが多いです。そのままの状態で買い取りますので、安心してお任せください。
Q3.遠方に住んでいて現地に行けませんが、相談や手続きは可能ですか?
郵送やメール、LINEだけで完結可能です。
一度も現地にお越しいただくことなく、売却から決済まで進めることができます。
Q4.共有持分を売ったことは、他の共有者に知られますか?
最終的には知られることになります。
弊社が買い取った後、共有者様との交渉に入るためです。ただし、売却活動中に第三者に漏らすようなことは一切ありません。親族間での揉め事を早期に終わらせるための解決策として、私たちが間に入ります。
Q5.問い合わせから現金化まで、最短でどのくらいかかりますか?
最短1週間で買取可能です。
ただし、焦って契約を進めると売主様にとって不利な条件を見落とすリスクがあります。私たちは冷静かつ確実に、手残りの資金を最大化できるよう、最適なスピードで進めさせていただきます。
共有持分の問題は、放置すればするほど複雑化し、次の世代に負の遺産を継承することになります。放棄を考える前に、まずは専門家による無料査定で「本当の価値」を確認してみませんか?
まずは、あなたの持分がいくらで売れるのか、LINEやメールで無料査定をお試しください。
越川直之(宅地建物取引士 / 空き家相談士)
代表ブログへ
株式会社フィリアコーポレーション代表取締役の越川直之です。
当社は空き家や再建築不可物件、共有持分など、一般的に売却が難しい不動産の買取・再販を専門とする不動産会社です。
これまでに1000件以上の相談実績があり、複雑な権利関係や法的・物理的制約のある物件にも柔軟に対応してきました。
弊社ホームページでは現場経験に基づいた情報を発信しています。
当社は地域社会の再生や日本の空き家問題の解決にも取り組んでおり、不動産を通じた社会貢献を目指しています。
