訳アリ不動産1,000件以上の相談実績を持つ、空き家・再建築不可・長屋・共有持分の専門家。株式会社フィリアコーポレーション代表取締役。現場経験に基づき、訳アリ不動産売却の正しい知識を監修しています。
コラム記事
【必見!】再建築不可物件の今後について分かりやすく解説
公開日 2026年5月21日
最終更新日 2026年6月2日
越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)
代表ブログへ本記事のまとめ
- 建築基準法改正による規制強化の実態や、再建築不可物件を所有し続けるリスクが網羅的に分かります。
- 物件を再建築可能にする裏ワザや、最も現実的で損をしない売却・処分方法が深く理解できます。
- 再建築不可物件でお困りなら、フィリアコーポレーションがおすすめ
- 1,000件以上の訳あり不動産を解決した専門知識を活かし、他社が断る難案件でも確実に買い取ります。
- 余計な中間マージンをカットした「直接買取」により、リスクのある物件でも高値提示が可能です。
- 荷物を残したままの現状渡しに対応し、引き渡し後の責任を一切問わない免除特権で安心して売却できます。
目次
再建築不可物件とは
再建築不可物件とは、現在建物が建っているにもかかわらず、その建物を取り壊して更地にした後、新たに建物を建て直すことが法律上できない土地・物件のことです。「建物があるうちは住める・使える」という点が特徴で、建て替えだけが制限されています。

一見すると通常の物件と変わらない外観でも、実は再建築不可であるケースも多く、購入や相続の際に初めて気づくという方も少なくありません。なぜこのような物件が生まれたのか、またどのような理由で再建築不可と判定されるのかを理解しておくことが、今後の対処を考えるうえで重要です。
- 再建築不可物件が生まれた背景
- 再建築不可物件になる主な原因
再建築不可物件が生まれた背景
再建築不可物件が生まれた背景には、日本の都市形成の歴史と建築基準法による規制強化があります。
戦前から戦後にかけて、都市部では狭い路地や袋小路に住宅が密集して建てられました。当時は道路整備が十分に進んでおらず、接道状況を考慮せずに建物が次々と建てられていった時代です。その後1950年に建築基準法が制定され、幅員4m以上の道路に2m以上接するという「接道義務」が定められました。これにより、それ以前に建てられた建物の多くが条件を満たさない「再建築不可物件」として残ることになりました。さらに1971年の法改正で防災面の規制が強化されたことで、現在に至るまで多くの再建築不可物件が存在し続けています。

フィリアコーポレーションが相談を受ける再建築不可物件も、こうした歴史的背景を持つ昭和時代に建てられた築古の中古戸建がほとんどです。建物自体は現存しているものの、老朽化が進んでいるケースが多く、今後の活用や売却をどうするかという相談が後を絶ちません。
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再建築不可物件になる主な原因
一口に「再建築不可物件」といっても、その原因はひとつではありません。接道状況の問題が最も多いケースですが、それ以外にも資産価値が一気に下落する再建築不可物件になってしまう要因が存在します。自分の物件がなぜ再建築不可なのかを正確に把握することが、対処法を検討するうえでの出発点となります。
主な原因は以下の4つです。
- 接道義務違反である
- 当該敷地の上空に17万ボルト超の送電線が架設されている
- 既存不適格物件である
- 市街化調整区域内に建てられている
接道義務違反である
再建築不可物件になる原因として最も多いのが接道義務違反です。建築基準法第43条では、建築物の敷地は原則として建築基準法上の道路(第42条に規定)に2m以上接していなければならないと定められています。これは火災や急病時に消防車・救急車などの緊急車両が進入できる経路を確保するという、人命に関わる重要なルールです。
フィリアコーポレーションに相談が寄せられる再建築不可物件も、大半が接道義務違反に該当する物件です。主なパターンは以下の2つです。
道路幅員が4m未満のケースでは、2項道路であればセットバックによって建て替えが可能になる場合もありますが、私道や公図上の認定が曖昧な道路ではセットバックが困難なケースも多くあります。また外観上は道路に見えても、実際は隣同士で設定した「通路」や「農道」扱いとなっており、建築基準法上の道路として認められないケースも実務上非常に多いです。売買や建て替えの段階になって初めて再建築不可と判明するケースも後を絶ちません。

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当該敷地の上空に17万ボルト超の送電線が架設されている
敷地の上空に17万ボルトを超える高圧送電線が架設されている場合、電力会社や行政の指導により建て替えが認められないケースがあります。安全性の確保と送電設備の保護を目的とした制限で、敷地が高圧線の保護区域に該当すると建て替え工事は原則として認められません。
ただし実務上このケースは非常にまれです。フィリアコーポレーションへの相談案件の中でも、高圧線の架設を理由とする再建築不可物件はほとんど見られません。再建築不可物件の大半は前述の接道義務違反によるものであり、高圧線による制限はあくまで限られた特殊なケースとして認識しておく程度で問題ありません。
既存不適格物件である
既存不適格物件とは、建築当時は適法に建てられたものの、その後の法改正によって現行の建築基準法の基準に合わなくなった建物のことです。耐震性・防火性能・接道義務など様々な問題が該当します。
特に昭和56年(1981年)以前に建てられた「旧耐震基準」の建物は既存不適格になりやすく、全面改修を行おうとしても現行の新耐震基準を満たせないケースがあります。
ここで重要な点があります。既存不適格物件は「同規模での建て替えができない」のであって、解体して建築基準法の範囲内で建て替えること自体は可能です。「既存不適格=再建築不可」と混同されがちですが、接道義務など他の再建築不可要因を抱えていない限り、現行基準に合わせた規模・仕様での建て替えは認められます。購入や売却の前に「なぜ再建築不可なのか」の原因を正確に確認することが重要です。
市街化調査区域内に建てられている
市街化調整区域とは、都市計画法により市街化を抑制するために指定された地域で、農地や山林の保護を目的としています。この区域内では建物の建築が大幅に制限されており、既存建物があっても建て替え許可が下りにくいのが現状です。

ただし一律に建て替えが不可というわけではありません。元々その土地に住んでいた親族が建て替えを希望するケースなど、一定の要件を満たせば許可が下りる場合もあります。自治体によって基準が異なるため、物件所在地の役所に必ず確認することが重要です。
注意が必要なのが「第三者への売却が制限されているケース」です。市街化調整区域の物件の中には、行政の許可条件として「親族間の承継のみ認める」とされているものがあり、第三者に売却しようとしても認められない場合があります。フィリアコーポレーションでも実際に調整区域の物件を購入した事例はありますが、こうした制限の有無を事前に行政へ確認することが不可欠です。
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2025年建築基準法改正で再建築不可物件はどう変わった?
2025年の建築基準法改正は、再建築不可物件の所有者にとって非常に重要な影響をもたらすものです。これまで「建て替えはできないがリフォームは自由にできる」という認識で再建築不可物件を所有・活用してきた方も多いですが、今回の改正によりその前提が大きく変わりました。
改正の内容と再建築不可物件への影響を、3つのポイントから解説します。
- 建築制限が強化された
- 大規模リフォームへの建築確認申請が必須となった
- 主要構造部のリフォーム審査が厳格化された
建築制限が強化された
2025年の建築基準法改正により、これまで「4号建築物」として建築確認申請が簡略化されていた木造2階建て以下の住宅が「新2号建築物」に再分類されました。具体的には以下の建物が対象です。
- 木造2階建て以上の一戸建て住宅
- 木造平屋建てで延床面積が200㎡を超える建物
再建築不可物件の多くはこの「新2号建築物」に該当するため、これまで確認申請が不要だった大規模リフォームも、耐震性や省エネルギー性能の審査を受けることが必要になりました。

ここで重大な問題が生じます。再建築不可物件はそもそも建築許可が下りない物件のため、確認申請が必要な工事を行おうとしても許可が下りないケースがほとんどです。つまり今回の法改正は、再建築不可物件に対して事実上「大規模リフォームができなくなる」という影響をもたらしています。老朽化が進んでも修繕の選択肢が狭まる再建築不可物件は、今後ますます資産価値の低下が加速することが予想されます。
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大規模リフォームへの建築確認申請が必須となった
2025年の法改正により、大規模リフォームには建築確認申請が必須となりました。建築確認とは、工事計画が建築基準法などの法令に適合しているかを事前に審査する手続きです。しかし再建築不可物件はそもそも「建築基準法上の道路に接していない」ために建築許可が下りない物件であるため、確認申請を提出しても許可が下りることはありません。
申請なしで工事を強行すれば違法建築物となり、是正命令や罰則の対象となります。つまり再建築不可物件では、建築確認が不要な軽微な修繕の範囲内でしかリフォームができないという状況になります。
フィリアコーポレーションの現場実感として、老朽化した再建築不可戸建ては今後かなり厳しい状況になると考えています。建物は空き家になると老朽化が急速に進み、軽微な修繕で対応できる状態のうちに売却すれば専門業者も買取可能ですが、数年放置して大規模修繕が必要な状態になると買取価格がゼロになるケースもあります。使用できる状態のうちに早めに動くことが、最も賢明な判断です。
主要構造部のリフォーム審査が厳格化された
2025年の法改正により、壁・柱・床・屋根・梁・階段などの「主要構造部」の2分の1以上を修繕・模様替えする工事には、建築確認申請が必要となりました。耐震補強や基礎補強といった安全性向上のための工事も例外ではありません。
さらに省エネルギー性能の強化も求められるようになり、断熱材やサッシの大規模改修についても審査対象となるケースが生じています。手続きの増加により費用・工期の両面で負担が大幅に増えることが予想されます。
再建築不可物件においては、こうした主要構造部への工事は確認申請が下りないため事実上実施できません。つまり耐震性が低くても補強できない・省エネ改修をしたくてもできないという状況に追い込まれます。
なお一部の業者では、1/2未満の修繕を工期を分けて複数回に分割して行うことで規制を回避しようとするケースも見られます。しかしこれは法の抜け穴を狙ったやり方であり、将来的に行政から指摘・是正命令を受けるリスクがあります。フィリアコーポレーションではこうした手法は推奨していません。適法な範囲での対応を専門家と相談しながら進めることが重要です。
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法改正後に再建築不可物件でもできるリフォーム
2025年の法改正により再建築不可物件へのリフォーム制限が強化されたことは事実ですが、すべてのリフォームができなくなったわけではありません。建築確認申請が不要な範囲内であれば、法改正後も引き続きリフォームを実施することが可能です。
「何ができて何ができないのか」を正確に把握しておくことが、今後の活用・売却判断にも直結します。法改正後も対応可能なリフォームの範囲は以下の5つです。
- 主要部分の1/2以内に収まる範囲でのスケルトン改修・全面改修
- 主要部分の1/2以内に収まる範囲での耐震工事
- 水回り設備のリニューアル
- 断熱改修
- 外装塗装および屋根改修
主要部分の1/2以内に収まる範囲でのスケルトン改修・全面改修
スケルトンリフォームとは柱・梁・基礎などの構造躯体だけを残して内装・設備・間仕切り壁をすべて撤去する大規模改修です。フルリフォームは間取り変更を含め内装や設備を一新する工事を指します。どちらも再建築不可物件で実施することは可能ですが、絶対に守らなければならない条件があります。
それが「主要構造部(壁・柱・床・梁・屋根・階段)の修繕・模様替えが過半(1/2)を超えないこと」です。過半を超えた時点で「大規模リフォーム」とみなされ建築確認申請が必要となり、再建築不可物件では許可が下りません。
特にスケルトンリフォームを行う際は、柱や梁を一本も撤去せず、構造体はあくまで「補修」に留め「取り替え」が過半を超えないよう細心の注意が必要です。「まだ1/2以内のはず」という感覚的な判断は非常に危険です。工事前に必ず専門家が主要構造部の修繕範囲を正確に計測・確認したうえで進めることをおすすめします。過半を超えてしまった場合は違法建築物となるリスクがあるため、慎重な管理が不可欠です。
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主要部分の1/2以内に収まる範囲での耐震工事
耐震補強工事は、老朽化した再建築不可物件の安全性を高めるうえで有効な手段です。耐震壁の増設・補強金物の設置・基礎補強などが代表的な工事として挙げられます。
ただしここでも「主要構造部の1/2を超えない」という条件が適用されます。耐震工事は構造部に直接手を加えるため、補強範囲が建物全体の主要構造部の過半に達した時点で大規模リフォームとみなされ、建築確認申請が必要となります。再建築不可物件では申請が通らないため、過半を超えた耐震工事は事実上できません。
「安全のための工事なのだから問題ないはず」という判断は禁物です。耐震補強であっても修繕範囲の計測と管理は厳密に行う必要があります。工事前に設計士や専門業者が補強範囲を正確に把握したうえで計画を立てることが不可欠です。なお耐震補強工事を行っても建て替えができない再建築不可物件の資産価値が大きく上昇するわけではないため、工事費用と売却価格のバランスを専門業者と相談したうえで判断することをおすすめします。
水回り設備のリニューアル
法改正後の再建築不可物件におけるリフォームの中で、最も効果が高く優先すべきなのが水回り設備のリニューアルです。キッチン・浴室・トイレなどの水回り設備の交換は建築確認申請が不要なため、再建築不可物件でも自由に実施できます。
再建築不可物件は築古物件がほとんどのため、バランス釜・和式トイレ・古い洗面台などがそのまま残っているケースが多く見られます。こうした設備は入居者から最も敬遠されるポイントのひとつです。水回りを現代的な設備にリニューアルするだけで、賃貸活用時の入居需要が大きく変わります。
投資家目線でも水回りの状態は査定額に直結します。「建物は古いが水回りだけは綺麗」という状態であれば、買取業者にとっても軽微なリフォームで活用できる物件として評価されやすくなります。逆に水回りが著しく老朽化している場合は買取が難しくなるケースもあります。費用対効果が最も高いリフォーム箇所として、まず水回りのリニューアルを検討することをおすすめします。
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断熱改修
断熱材の追加や窓・サッシの交換による断熱改修も、建築確認申請が不要な範囲であれば再建築不可物件でも実施可能です。冷暖房効率が向上し居住快適性が上がるため、賃貸活用する場合の入居者満足度にもつながります。
ただし断熱改修を検討する際には、費用対効果を冷静に判断することが重要です。再建築不可物件は築古物件がほとんどのため、断熱改修に費用をかけても建物全体の資産価値が大きく向上するわけではありません。断熱改修単体で数百万円規模の工事になるケースもあり、売却を視野に入れている場合は改修費用を回収できるかどうかを事前に試算しておく必要があります。
賃貸活用を長期的に続けることが確定しており、入居者の快適性向上や光熱費削減を目的とするのであれば有効な投資となります。一方で売却を検討しているのであれば、断熱改修より水回りのリニューアルのほうが費用対効果は高いため、優先順位を見極めたうえで判断することをおすすめします。
外装塗装および屋根改修
外壁塗装や屋根の葺き替えは建築確認申請が不要なため、再建築不可物件でも実施可能です。そしてこれは見た目の問題だけではなく、物件の需要と資産価値に直結する重要な施策です。
再建築不可物件は築古物件がほとんどのため、外観が古く色あせていたり、外壁のひび割れや屋根材の劣化が目立つケースが多くあります。買い手や入居者が物件を見た際の第一印象は外観で決まります。内装がどれだけ綺麗でも、外観が古く傷んでいると「手がかかりそう」という印象を与えてしまい、需要が下がります。
外壁塗装と屋根改修をしっかり行うことで外観の印象が大きく改善され、賃貸活用時の入居希望者獲得にも、売却時の買い手獲得にも効果が期待できます。耐久性の高い塗料や素材を選べばメンテナンスの頻度を抑えられる点もメリットです。
なお屋根を支える構造材も改修する場合は主要構造部の1/2ルールに抵触する可能性があるため、工事前に必ず専門家または自治体窓口に確認することが必要です。
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再建築不可物件を今後も所有し続けるリスク
「とりあえずそのまま持っておけばいい」と判断している方も多いですが、再建築不可物件は保有し続けるほどリスクと損失が積み上がっていくという特徴があります。特に2025年の法改正後はリフォームの選択肢も狭まったため、何もしないことが最も損をする選択になりかねません。
所有し続けることで生じる主なリスクを7つ解説します。
- 老朽化が進んでも建て替えができない
- 維持・修繕コストが通常物件より割高になりやすい
- 老朽化が進み倒壊する場合がある
- 売却時に買い手がつきにくく住宅ローンも組めない
- 更地にすると固定資産税の優遇が外れ税負担が増加する
- 子や孫への相続で負の遺産になるリスクがある
- 需要が低いため資産価値が低下する
老朽化が進んでも建て替えができない

再建築不可物件を所有し続ける最も根本的なリスクは、「建て替えができない」という事実そのものです。通常の物件であれば老朽化が進んでも建て替えという選択肢があり、土地の価値は将来にわたって活きます。しかし再建築不可物件にはその選択肢がありません。
建物は日に日に老朽化が進みます。通常の物件であれば「いつか建て替えればいい」と放置していても土地の価値は残りますが、再建築不可物件は建物が使用できる状態のうちにしか再生の猶予がありません。建物の寿命が尽きた時点で、その土地は「建物を建てられない更地」になってしまいます。
さらに火災・地震・台風などの自然災害で建物が倒壊・半壊した場合、被災して住めなくなっても原則として同じ場所に建て直すことは許可されません。大切な資産がある日突然ただの土地になってしまうリスクを常に抱えているのです。
建て替えできないことは、将来の可能性を極端に狭めます。使用できる状態のうちに動くことが、選択肢を最大限に残す唯一の方法です。
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維持・修繕コストが通常物件より割高になりやすい
再建築不可物件を所有し続ける限り、毎年さまざまな維持費が発生します。固定資産税・都市計画税の支払いに加え、空き家として所有している場合は管理会社への委託料、外装補修・クロス・フローリングの修繕費用、庭がある場合は草刈りや庭木の手入れ費用なども継続的にかかります。
さらに再建築不可物件は昭和時代に建てられた築古物件がほとんどのため、通常物件よりも突発的な修繕コストが発生しやすいという特徴があります。給排水管の老朽化による配管トラブル・給湯器や電気設備の不具合・雨漏りなど、設備の経年劣化による問題が起きやすく、修繕のたびに費用がかかります。
加えて2025年の法改正により大規模修繕の選択肢が狭まったため、問題が発生しても抜本的な対処ができないケースが増えています。軽微な修繕で対応できる範囲を超えた問題が生じると、修繕も売却も難しくなるという悪循環に陥ります。維持コストを払い続けながら資産価値が下落していく状況を避けるためにも、早めの売却判断が重要です。
老朽化が進み倒壊する場合がある
再建築不可物件の多くは1950年以前に建てられた築古物件であり、現行の耐震基準を満たしていないケースがほとんどです。地震や台風などの自然災害による倒壊リスクは、通常物件と比べて格段に高い状態にあります。
さらに空き家として放置されると老朽化は急速に進みます。フィリアコーポレーションが現場で頻繁に目にするのがシロアリによる躯体への深刻なダメージです。シロアリは柱や梁の内部から食い荒らすため、外観からは問題がわからないまま構造的な強度が著しく低下しているケースがあります。さらに空き家になるとハクビシンなどの動物が住み着き、断熱材や内装を破壊して腐敗・老朽化をさらに加速させます。「空き家にしておくだけ」という状態が、倒壊への道を最も早く進めてしまいます。
万が一建物が倒壊して隣家を損壊させたり通行人にケガを負わせた場合、民法第717条第1項に基づき損害賠償責任はすべて所有者が負います。死亡事故に発展すれば賠償額は数千万円から数億円に上るケースもあります。放置は極めて危険な選択です。
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売却時に買い手がつきにくく住宅ローンも組めない
再建築不可物件は金融機関からの担保評価が著しく低いため、一般的な住宅ローンの審査がほぼ通りません。融資を受けられる可能性があるのはノンバンク系の金融機関に限られますが、金利は必然的に高くなります。フィリアコーポレーションがリフォーム後の再建築不可物件を購入する投資家の中では、L&Fアセットファイナンス・セゾンファンデックス・滋賀銀行を利用するケースが多いですが、物件の状態が悪ければこれらの機関でも融資が難しくなり、現金一括購入できる買い手に限定されます。

しかし数千万円の現金を持つ投資家は、担保評価の低い再建築不可物件をわざわざ現金で購入する動機が生まれにくいのが現実です。「買える人が少ない」かつ「買える人が買わない」という二重の需要不足により、流動性が極端に低くなります。
仲介で売り出しても買い手がつかず、長期間売れ残るケースも珍しくありません。こうした状況を避けるためにも、現金一括で直接買取できる専門業者への売却が最も現実的な選択肢となります。
ローン不可は売却期間が長期化する最大の要因です。金融機関が融資を敬遠する背景と、壁を越える対策を事前に練りましょう。[住宅ローン不可の理由と物件の売却対策]
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更地にすると固定資産税の優遇が外れ税負担が増加する
建物が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が最大6分の1に軽減されています。しかし建物を解体して更地にするとこの特例が外れ、固定資産税が最大6倍に跳ね上がります。「古い建物を撤去してすっきりさせよう」という判断が、毎年の税負担を大幅に増やす結果につながるケースが多くあります。

注意が必要なのは、更地にしなくても同じ問題が起きるケースです。建物があるまま適切な管理をせず放置していると、自治体から「特定空き家」に認定される可能性があります。特定空き家に認定されると住宅用地の特例が解除され、更地と同様に固定資産税が最大6倍になります。

つまり「解体しても放置しても税負担が増える」というリスクを抱えているのが再建築不可物件の現実です。これを避けるためには建物がある状態で定期的に風通しをするなど適切に管理し、特定空き家への認定を防ぐことが重要です。ただし管理の手間と費用を考えると、早期に専門業者へ売却することが最も合理的な判断といえます。
⚠老朽化していても安易に解体すると大幅な増税を招きます。更地にするかどうかの客観的な判断基準とリスクを確認しましょう。
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子や孫への相続で負の遺産になるリスクがある
再建築不可物件をそのまま保有し続けた場合、将来的に家族が相続することになります。相続した側には、これまで解説してきたリスクがそのまま引き継がれます。老朽化が進んだ建物の管理責任・倒壊した際の近隣への損害賠償リスク・固定資産税の支払い義務など、活用もできず売却も難しい「負の遺産」を家族に背負わせることになりかねません。

相続放棄という選択肢もありますが、他に法定相続人がいなければ相続放棄をしても不動産の管理義務は残り続けます。また相続のタイミングで相続人が複数いる場合、権利関係が複雑化して売却の意思決定がより困難になります。相続を経るたびに所有者が増え、全員の合意形成が必要になるため、時間が経つほど売却のハードルは上がっていきます。
フィリアコーポレーションへの相談の大半は、まさにこうした「親が残した再建築不可物件をどうすればいいかわからない」という相続案件です。1,000件超の相談実績の中で共通しているのは、早く動いた方ほど選択肢が多く手残りも大きいという事実です。大切な家族に負担をかけないためにも、「まだ売れるタイミング」のうちに動くことが最大の相続対策といえます。
費用面だけでなく、実家を壊すことへの心理的な抵抗感も大きな壁となります。


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需要が低いため資産価値が低下する
再建築不可物件の資産価値は、時間の経過とともに一方的に下落し続けます。中古市場では築浅物件ほど需要が高く、築年数が増えるほど人気が落ちるのは通常物件でも同じですが、再建築不可物件は建て替えという価値の「リセット手段」がない分、下落に歯止めがかかりません。

さらに2025年の法改正(4号特例の廃止・見直し)により、大規模修繕のハードルが上がったことで老朽化への対処がより困難になりました。軽微な修繕で対応できる状態を超えて劣化が進むと、リフォームも買取も難しくなり、最終的に資産価値がゼロになるケースもあります。一度そこまで劣化が進んでしまうと、どのような手を打っても取り返しがつきません。
資産価値は今この瞬間も日々低下し続けています。「いつか考えよう」と先延ばしにするほど選択肢が減り、手残りも少なくなります。フィリアコーポレーションでは、一秒でも早く専門家に相談することを強くおすすめしています。まずは無料査定から、現状の価値を正確に把握することが第一歩です。
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相続した再建築不可物件は今後どうすべき?
「親が残した再建築不可物件を相続したが、どうすればいいかわからない」というご相談はフィリアコーポレーションに寄せられる案件の中でも最も多いケースのひとつです。活用も売却もハードルが高く感じられ、何も考えずに放置することが最も損をする選択になりかねません。
対処法には複数の選択肢がありますが、実務上の現実として「すぐに動ける・確実に解決できる方法」と「理屈としては成立するが実現が難しい方法」には大きな差があります。まず最も現実的な方法を把握したうえで、その他の選択肢を検討することをおすすめします。
- 空き家買取の専門業者に売却する(最も現実的)
- その他の方法
- 相続放棄する
- 可能な限りリフォームする
- 隣地所有者に買取を依頼する
- 空き家バンクを活用する
- 自治体に申請し寄付する
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空き家買取の専門業者に売却する(最も現実的)
相続した再建築不可物件の対処法として、最も実現性が高く確実なのが専門の買取業者への売却です。
仲介会社は販売価格に応じて手数料が決まる仕組みのため、価格が低くなりがちな再建築不可物件は積極的に売却活動をしてもらえないケースが多いです。また仲介での個人間売買では、引き渡し後に設備の不具合・シロアリ被害・配管トラブルなどが発覚した際に売主が契約不適合責任を問われるリスクがあります。老朽化した再建築不可物件はこうした問題が発生しやすく、売却後のトラブルリスクが高い点も仲介を避けるべき理由のひとつです。


専門の買取業者への売却であれば、契約不適合責任が免除されるケースがほとんどです。残置物がある状態のままでの現況引き渡しに対応しており、早ければその日のうちに現金化することも可能です。
一般的な買取業者は再建築不可物件の取り扱い経験が少なく、買取を断られるか安価になりやすい傾向があります。フィリアコーポレーションは1,000件超の難物件対応実績を持つ専門業者として、適正価格でのスピーディーな買取をお約束しています。まずはお気軽にご相談ください。
♦自力での解決や活用が難しい場合でも、独自の再生ノウハウを持つ専門業者なら費用ゼロで現状のまま現金化が可能です!
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その他の方法
相続放棄する
相続放棄は「再建築不可物件だけを手放す」という選択はできません。相続放棄をすると現金・預貯金などプラスの財産もすべて失うため、財産全体のトータルで判断する必要があります。
フィリアコーポレーションへの相談の中には、「多くの不動産会社に相談したが売却の目途が立たず、売れない不動産を相続するくらいなら現金数百万円も含めてすべて相続放棄しようと考えていた」という方がいました。しかしここで重要な視点があります。
例えば現金500万円と売却困難な再建築不可物件を相続する場合、専門業者に100万円を支払って不動産を買い取ってもらえれば、手元に400万円を残すことができます。相続放棄した場合は0円です。売却が難しい物件でも、有償で引き取ってもらうという選択肢があることを知っているかどうかで、最終的な手残りが大きく変わります。
相続放棄を検討する前に、まず専門の買取業者に「いくらで売れるか・引き取ってもらえるか」を確認することが重要です。計算したうえで相続放棄かどうかを判断することが、損をしないための正しい手順です。
⚠相続放棄は他の全財産も手放すことになるため注意が必要です。手続きの注意点や放棄以外の現実的な対処法を確認しましょう。
可能な限りリフォームする
再建築不可物件は建て替えができませんが、建築確認申請が不要な範囲でのリフォームは可能です。内装・外装の改修や設備の入れ替えによって住環境を整えることで、そのまま居住することも、売却や賃貸活用に備えることもできます。

ただしリフォームの内容と範囲については慎重に判断することが重要です。再建築不可物件の購入を検討する買い手の大半は投資家です。投資家は民泊・単身者向け・ファミリー向けなど、エリアや属性に応じた賃貸運営の独自ノウハウを持っています。売主が自身のセンスで大掛かりなリフォームを行っても、投資家の意図と合わなければそのリフォーム費用は無駄になってしまいます。
おすすめは水回りの交換・外壁塗装・クロスの張り替えといった最低限の対応に絞ることです。必要以上のリフォームに費用をかけるよりも、現況に近い状態で専門業者に査定を依頼し、「どこを直せば査定額が上がるか」を確認したうえで判断するほうが、最終的な手残りを最大化できます。リフォームは「やればやるほど良い」ではなく、費用対効果を見極めることが重要です。
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隣地所有者に買取を依頼する
隣地の所有者に買取を打診する方法は、成立した場合のメリットが大きい選択肢です。隣地の方にとっては敷地が広がることで将来の建て替え時に広い土地を活用できるようになるため、接道に問題がない土地であれば購入を検討してもらえる可能性があります。
ただし実務上、隣地の方が実際に購入するケースは極めて稀です。不動産の取引は高額になるため、隣地の方の資産状況に大きく左右されます。現状の敷地で満足している場合、わざわざ費用をかけて購入する動機が生まれにくいのが現実です。
さらに重要な点として、中途半端に交渉して関係がこじれると、その後の売却がより難しくなるリスクがあります。不動産は「将来建て替えできる可能性」も込みで評価されます。隣地との交渉を進めることでその可能性がつぶれてしまうと、専門業者への売却時にも価格に悪影響が出るケースがあります。
打診するのであれば専門家を介して慎重に進めることが重要です。見通しが立たない場合は無理に交渉を続けず、専門業者への売却を優先することをおすすめします。
空き家バンクを活用する
空き家バンクとは、全国的に増加する空き家の利活用を促進するために自治体が運営するマッチングサービスです。自分の空き家情報を登録することで、中古物件を探している方や地方移住を検討している方とマッチングできる可能性があります。登録は無料のため、選択肢のひとつとして試してみること自体は問題ありません。
ただし再建築不可物件が空き家バンク経由で実際に売れるケースは非常に少ないのが実情です。空き家バンクには再建築可能な物件も多く登録されており、再建築不可という条件がある時点で候補から外される可能性が高くなります。
また空き家バンクは一般の方も閲覧できるサービスです。再建築不可物件のような法的制約が複雑な不動産を一般個人が購入するのはリスクが高く、購入後のトラブルにつながるケースもあります。売主としても契約不適合責任のリスクを負う可能性があることを念頭に置いておく必要があります。
空き家バンクはあくまで選択肢のひとつとして認識する程度にとどめ、確実な売却を目指すのであれば専門業者への相談を優先することをおすすめします。
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自治体に申請し寄付する
自治体への寄付という選択肢もありますが、現実的には受け入れてもらえるケースはほとんどありません。
自治体が空き家・空き地を引き取ると、それまで徴収できていた固定資産税が入らなくなるうえ、管理コストが新たに発生します。資産性のない再建築不可物件を引き取っても自治体にメリットがなく、むしろ負担が増えるだけです。受け入れてもらえる可能性があるとすれば、ポケットパーク・防災広場・住民の交流スペースなど公共的な利用見込みがある土地に限られます。
フィリアコーポレーションでも実務の中で自治体と交渉し、物件の引き取りを打診したケースが何度もありますが、引き取ってもらえた事例はほぼありません。自治体側の立場からすると、管理コストが上がるだけで資産性もない物件を受け入れる合理的な理由がないからです。
売却・活用の選択肢を検討する際の優先順位としては、自治体への寄付は最後の手段として認識しておく程度にとどめ、まずは専門の買取業者への相談を優先することをおすすめします。
難しい交渉も弊社にお任せ
再建築不可物件を今後再建築可能にする方法
「再建築不可物件は永遠に建て替えができない」というわけではありません。条件次第では一定の方法で再建築可能な状態にできるケースがあります。ただしどの方法も行政への申請や隣地所有者との交渉が必要であり、必ずしも簡単に実現できるものではありません。
再建築可能にする方法を検討する前に重要なのは、「なぜ再建築不可なのか」という原因を正確に把握することです。原因によって適用できる方法が異なるため、まず専門家に現状を確認してもらうことが出発点となります。
主な方法は以下の4つです。
- 隣地の一部を買い取る
- 隣地の所有者と等価交換して間口を広げる
- セットバックをおこない道路幅員の基準を満たす
- 43条但し書き申請で特定行政庁の許可を得る
隣地の一部を買い取る
再建築不可となる最も多い原因は、道路に接する間口が2m未満であることです。隣地の一部を購入して間口を2m以上確保できれば接道義務を満たし、再建築が可能になります。理屈としては成立しますが、実務上うまくいくケースは非常に少ないのが現実です。

隣地の土地の一部を切り売りしてもらうことで隣地の形状が変わり、最悪の場合隣地が容積率・建ぺい率の基準を超えた「既存不適格物件」になってしまうリスクがあります。そのリスクを負ってもらう対価として相場の2倍以上の金額を提示するケースも珍しくありません。
借用という選択肢もありますが、借りた土地で建築申請を行うとその土地は「既に建築申請に使用済み」として登録されます。将来隣地の所有者が自分の土地で建て替えを行う際、その部分が申請に使えなくなるというデメリットが生じます。隣地にとってメリットがほぼなくデメリットだけが残るため、拒否されるケースがほとんどです。
交渉を進める場合は必ず専門家を介して慎重に行い、中途半端な交渉で関係がこじれる前に専門業者への売却も並行して検討することをおすすめします。
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隣地の所有者と等価交換して間口を広げる
旗竿地のように間口が狭く奥に敷地が広がっている場合、自分の土地の一部と隣地の一部を等価交換することで接道幅を確保する方法です。同じ価値の土地同士を交換するため費用が発生しにくく、「固定資産の交換の特例」が適用されれば譲渡所得税がかからないという税制上のメリットもあります。
ただし理屈としては成立しても、実務上は隣地の合意を得ることが非常に難しいのが現実です。等価交換では隣地の土地の形状が変わってしまうため、隣地の所有者にとってはデメリットになるケースが多くあります。「面積が同じだから対等な条件」と考えがちですが、土地の形状が変わることで利便性が下がる場合もあり、立場上どうしても対等な交渉は難しくなります。
また前述の通り、交渉が中途半端にこじれてしまうとその後の売却にも悪影響が出るリスクがあります。等価交換を検討する場合は必ず専門家を介して進め、隣地との関係性を慎重に見極めたうえで判断することが重要です。見通しが立たない場合は早めに専門業者への売却に切り替えることをおすすめします。
セットバックをおこない道路幅員の基準を満たす
前面道路の幅員が4m未満の場合、道路中心線から2m後退(セットバック)した位置に建物を建てることで接道義務を満たし、再建築が可能になるケースがあります。

ただしセットバックで再建築可能になるのは、前面道路が「建築基準法42条2項道路」に該当する場合のみです。見た目は道路のように見えても、建築基準法外の通路と判定されている場合はセットバックをしても再建築可能にはなりません。
フィリアコーポレーションには「相続した再建築不可物件を解体してセットバックすれば建て替えができると思っていたが、実際には建て替えられなかった」という相談が後を絶ちません。解体後に建て替え不可と判明しても、手の打ちようがありません。建物を解体してしまえば「住宅用地の特例」も外れて固定資産税が最大6倍になり、さらに専門業者への売却も困難になります。
セットバックを検討する前に、必ず役所または専門家に前面道路の種別を確認することが不可欠です。「2項道路かどうか」の一点確認が、取り返しのつかない失敗を防ぐ唯一の方法です。
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43条但し書き申請で特定行政庁の許可を得る
建築基準法第43条但し書き申請とは、接道義務を満たしていない敷地でも、周囲に十分な空地があるなど一定の条件を満たした場合に、建築審査会の許可を得ることで建て替えを認めてもらう制度です。
この申請において最大のハードルとなるのが、接道する土地の所有者全員の同意取得です。原則として全員の同意が必要であり、やむを得ない場合に過半数以上の同意で進めるケースもありますが、将来的に通行・掘削の承諾をめぐるトラブルに発展するリスクが残ります。将来のことも含めて全員の同意を取得することが基本となります。
フィリアコーポレーションでも再建築不可物件を買い取った後に43条但し書きの交渉を進めることがありますが、うまくいくケースは非常に少ないのが現実です。不動産のプロが交渉してもそのレベルであるため、一般の方が単独で完結させるのは相当な難易度と考えてください。
再建築可能にすることを目標にしつつも、それを前提とした計画は立てないことをおすすめします。まずは現状のまま専門業者に査定を依頼し、売却も含めた選択肢を並行して検討することが賢明です。
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再建築不可物件の今後に関するよくある質問
再建築不可物件を買うメリットはありますか?
一概には言えません。物件の状態と立地次第で判断が大きく変わります。
駅近で賃貸需要が高いエリアの再建築不可物件は、購入価格が安いぶん利回りが高く、投資回収率として非常に魅力的なケースがあります。「再建築不可だから買わない」と一律に判断するのはもったいないケースも存在します。
一方で避けるべきなのは、軽微な修繕では住めない・貸し出せない状態の物件です。2025年の4号特例廃止により、再建築不可物件に対して行える工事は軽微な修繕に限定されました。大規模な修繕が必要な状態まで老朽化が進んでいる物件は、購入しても活用方法がなく、売却もままならないリスクがあります。
購入を検討する際の判断基準をシンプルにまとめると以下の通りです。
- 軽微な修繕で住める・貸し出せる状態かどうか
- 賃貸需要があるエリアかどうか
- 購入価格に対して利回りが成立するかどうか
判断に迷う場合はフィリアコーポレーションへお気軽にご相談ください。
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再建築不可物件の売却相場はいくらですか?
再建築不可物件の売却相場は、通常物件と比べて3割〜7割安くなるのが実務上の現実です。この幅の広さに驚かれるかもしれませんが、再建築不可物件には相場価格を算出する決まった方程式が存在しません。エリア・立地・建物の状態によって査定額が大きく変動します。
実務的な視点から言えば、査定額が5,000万円を超える再建築不可物件にはまず出会うことがありません。その最大の理由は「融資の壁」です。住宅ローンがほぼ使えないため購入者のほとんどが現金一括での決済を前提としており、どんなに立地が良くても価格は「現金で用意できる現実的な範囲」に収束します。
価格の変動幅はエリアによって大きく異なります。都心の需要が高いエリアであれば3割減程度にとどまるケースもありますが、郊外で活用が難しい土地では7割以上安くなることも珍しくありません。
少しでも高く売るためには複数の専門業者に査定を依頼して比較することが重要です。買取業者によって再販ルートや活用ノウハウが異なるため、同じ物件でも提示価格に大きな差が出ることがあります。
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再建築不可物件は民泊として運営できますか?
可能です。ただし住宅宿泊事業法や旅館業法などの法律に基づいた適切な手続きが必要です。民泊として運営するには各法律の規制をクリアしたうえで許可を取得する必要があり、消防設備の設置も求められます。消防設備の基準は区によって異なるため、物件所在地の自治体に事前確認することが必須です。
再建築不可物件は建築基準法上の制約があるため、民泊運営に向けた増改築は制限されます。ただし軽微なリフォームの範囲内で対応できる場合は問題なく運営が可能です。
民泊としての活用が特に有効なのは観光地や都市部の駅近エリアです。ホテルは隣室との距離が近く音が気になる・部屋が狭いという不満を持つ旅行者も多く、戸建て物件は「音を気にせず広い空間で家族や仲間とゆっくり過ごせる」という点で海外観光客を中心に高い需要があります。延べ床面積が広い戸建て再建築不可物件は、この点で民泊として大きな強みを発揮します。
エリア次第では高い利回りを見込める優良な投資案件になるため、立地条件が良い再建築不可物件の活用方法として積極的に検討する価値があります。
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再建築不可物件にリフォームローンは組めますか?
リフォームローン自体は再建築不可物件でも利用できる可能性があります。ただしいくつかの点を事前に理解しておく必要があります。
リフォームローンには有担保型と無担保型の2種類があります。有担保型はより高額・長期の借入れが可能ですが、再建築不可物件は担保評価が低いため審査が厳しくなるケースがほとんどです。無担保型は担保不要で利用しやすい反面、借入限度額が低く金利が高めになる傾向があります。
またリフォームローンは利用目的がリフォーム資金に限定されているため、再建築不可物件の購入資金には使えません。あくまでも購入後のリフォーム費用に充てるためのローンです。
さらに重要なのが「どんなリフォームにでも使えるわけではない」という点です。2025年の法改正により、建築確認申請が必要な大規模リフォームは再建築不可物件では実施できません。ローンを組んでリフォームを計画する場合は、その工事内容が建築確認申請不要の範囲内に収まるかどうかを、事前にリフォーム業者や専門家に確認することが不可欠です。
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越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)
代表ブログへ訳アリ不動産1,000件以上の相談実績を持つ、空き家・再建築不可・長屋・共有持分の専門家。株式会社フィリアコーポレーション代表取締役。現場経験に基づき、訳アリ不動産売却の正しい知識を監修しています。



