コラム記事

通行掘削承諾とは?専門家がわかりやすく解説

公開日 2026年7月8日

最終更新日 2026年7月10日

監修者
越川直之

越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)

代表ブログへ

訳アリ不動産1,000件以上の相談実績を持つ、空き家・再建築不可・長屋・共有持分の専門家。株式会社フィリアコーポレーション代表取締役。現場経験に基づき、訳アリ不動産売却の正しい知識を監修しています。

本記事のまとめ

  • 通行掘削承諾の意味と、承諾がないと売却・建て替え・住宅ローンに支障が出る理由がわかる
  • 承諾が得られないときの対処法と、私道所有者との交渉トラブルを避けるコツがわかる
  • 承諾が得られなくても、訳あり不動産専門のフィリアコーポレーションなら買取可能!
  • 通行掘削承諾が未取得の物件も、現状のまま買取。私道所有者との交渉は一切不要です
  • 訳あり不動産の相談実績1,000件超。面倒な承諾交渉も買取後にすべて自社で対応します
  • 他社で断られた物件も対応可能。まずは無料査定で価格をご確認いただけます

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通行掘削承諾とは?対処法まで解説|承諾の意味から、得られないときの交渉・囲繞地通行権・代替ルートといった対処法まで、専門家がわかりやすく解説します。

通行掘削承諾とは

目黒区 共有の通路

「通行掘削承諾(つうこうくっさくしょうだく)」とは、他人が所有する私道を通行したり、その私道を掘削して水道・ガス・下水などの配管工事を行ったりすることについて、私道の所有者から得る許可のことです。

私道に面した土地では、この承諾がないと配管の引き込み工事ができず、建て替えやリフォーム、さらには売却にまで支障が出ることがあります。一見すると小さな書類の問題に見えますが、不動産取引においては非常に重要なポイントです。

フィリアコーポレーションのような訳あり物件を扱う買取会社では、そもそも通行掘削承諾が未取得の物件を買い取ることも珍しくなく、買取後に私道所有者と承諾交渉を行うことを通常業務として数多く手がけています。だからこそ、こうした複雑な案件にも慣れています。

まずは「通行掘削承諾」を構成する要素を、3つの観点から整理していきましょう。

  • 通行承諾の意味
  • 掘削承諾の意味
  • 通行掘削承諾と地役権の関係

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通行承諾の意味

通行承諾とは、他人が所有する私道や土地を通行することについて、その所有者から得る許可のことです。一般的には「通行承諾書」という書面の形をとり、所有者が「一定の範囲であれば、あなたが私の土地を通行して構いません」という意思を明確に示したものになります。

通行承諾とは

都市部や住宅密集地には、私道や他人の土地を通らなければ公道に出られない「袋地(ふくろち)」と呼ばれる土地が数多く存在します。こうした土地では、通行承諾がなければ日常的な出入りはもちろん、工事車両の搬入や資材の運び込みもできず、不動産の活用が大きく制限されてしまいます。

さらに実務上重要なのが、金融機関の融資審査です。前面道路が私道の物件で通行承諾が得られていないと、「将来トラブルになるリスクがある物件」とみなされ、住宅ローンの融資を断られるケースがあります。建築確認の場面でも通行に関する権利が明確かどうかが問われるため、承諾の有無は物件の価値を左右する重要な要素です。

なお、通行承諾は口頭でも事実上は機能する場合がありますが、必ず書面に残しておくことが重要です。口約束だけでは、後々トラブルになった際に権利を証明できず、争いが長期化しかねません。そのため不動産の実務では、署名・押印のある通行承諾書を取り交わすのが一般的です。

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掘削承諾の意味

掘削承諾とは、私道の下に埋まっている上下水道管・ガス管・電気・通信などのライフラインを、新設・交換・修理する目的で私道を掘り起こすことについて、私道所有者から得る許可のことです。一般的には「掘削承諾書」という書面で取り交わします。

掘削承諾とは

意外と見落とされがちですが、建て替えや大規模リフォームの際、既存のライフラインをそのまま使い続けられるとは限りません。給水管の口径を変更する、下水道の接続をやり直す、ガス管を引き込み直す、老朽化した配管を更新する—こうした工事が必要になることは珍しくありません。そして、これらの配管が私道の下を通っている場合、工事のために私道を掘削する必要が生じます。

掘削承諾が得られていないと、いざ工事という段階で私道所有者から掘削を拒まれてしまうリスクがあります。たとえ建築確認そのものは取得できていても、水道やガスといった生活に不可欠な工事が進められなければ、家を建てることも住むこともできません。

つまり掘削承諾は、その土地が本当に活用できるかどうかを左右する重要な要素です。建て替えの可否や住宅ローンの審査においても、掘削承諾の有無は必ず確認される重要な資料となります。私道に面した物件では、通行承諾とあわせて掘削承諾も得られているかを必ずチェックしておく必要があります。

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通行掘削承諾と地役権の関係

通行や掘削の権利を、より強固に確保する方法として、民法上の「地役権(ちえきけん)」を設定するという選択肢があります。

地役権とは、自分の土地(要役地)の利便性のために、他人の土地(承役地)を特定の目的で使用できる権利のことです。通行や配管の設置などを目的に設定でき、最大の特徴は登記できる点にあります。地役権を登記しておけば、私道が第三者に売却されて所有者が変わっても、その権利は失われません。買い手にとっては非常に安心感の高い状態です。

これに対して、通行承諾・掘削承諾は、あくまで当事者間の許可・契約という位置づけにとどまることが多く、地役権ほど強い効力を持ちません。

ただし実務上は、地役権の登記が設定されるケースはほとんどありません理由はその難易度と手間にあります。通行掘削承諾であれば、承諾書1枚に私道所有者の署名・押印をもらえば完了します。一方、地役権となると登記手続きが必要になり、私道所有者全員の協力を得て登記を進めるのは非常にハードルが高いのが現実です。私道の所有者が複数いたり、相続で権利者が増えていたりすると、登記の合意形成はさらに困難になります。

そのため実務では、まずは通行掘削承諾書をきちんと取り交わすことが現実的な対応となります。承諾書に「第三者に売却しても効力が及ぶ」旨の文言を入れておくことで、地役権に近い安心感を確保する方法が一般的です。

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通行掘削承諾が必要となるケース

通行掘削承諾は、すべての不動産で必要になるわけではありません。前面道路が私道であるなど、他人の土地を通行したり掘削したりする必要がある場合に問題となります。特に袋地や私道に面した土地では、承諾の有無が資産価値や活用のしやすさに直結します。

具体的にどのような状況で通行掘削承諾が必要になるのか、3つの代表的なケースを見ていきましょう。

  • 通行の制約があるケース
  • 車両通行が制限されるケース
  • 道路の掘削が制約されるケース

通行の制約があるケース

公道は誰でも自由に通行できますが、私道は権利がなければ通行できないことがあるという点に注意が必要です。

ただし、私道であってもすべてが制限されるわけではありません。公道と公道をつなぐような私道や、古くから不特定多数の人や車が自由に行き来してきた私道は、道路として扱われるため、たとえ所有者であっても他人の通行を拒むことはできません。

通行の権利が問題になるのは、主に行き止まりになっている「袋地状の私道」です。このような私道では、所有権を持たない人は原則として、「囲繞地(いにょうち)通行権」「賃貸借契約などに基づく通行権」「通行地役権」のいずれかを持っていなければ、自由に通行することができません。

💡袋地とは?

道路に接していない袋地

一方で、その私道を共有している場合や、一部を単独で所有している場合は、自由に通行できます。つまり、私道の所有権や共有持分を持っているかどうかが大きな分かれ目になります。

なお、分譲地などで私道を分筆し、各戸が自宅前の道路を単独所有しているようなケースでは、分譲当初からその私道を使ってきた経緯から、「黙示の通行地役権」が設定されているとみなされることがあります。通行地役権は土地に付随する権利のため、所有者が変わっても引き継がれ、新しい所有者が他の住人の通行を妨げることはできないと考えられています。

このように、通行の可否は私道の性質や権利関係によって変わるため、私道に面した物件では通行に関する権利がどうなっているかを正確に確認することが重要です。

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車両通行が制限されるケース

たとえ人の通行が認められていても、車両の通行までは保証されないケースがあるという点は見落とされがちです。

袋地状の私道の多くは建築基準法上の道路にあたるため、通行を完全に遮る門や塀を設置することは認められていません。しかし、遮断機形式のゲートや引き上げ式の車止めポールは建築基準法の規制対象外となるため、単独所有の私道であれば設置できてしまいます。こうした設備によって、車の出入りが物理的に制限される可能性があります。

また、私道の所有者が自分の車やバイクを私道に停めたままにすることで、実質的に車両の通行を妨げるケースもあります。長時間の路上駐車は本来問題になり得ますが、袋地状の私道は道路交通法上の駐車違反にあたらないため、レッカー車で強制的に移動させることができません。つまり、単独所有の私道では、所有者の意向次第で車の通行が阻まれてしまうリスクがあるのです。

さらに、私道の所有者同士が過去に「安全のため車両の進入を禁止する」といった取り決めをしていた場合、たとえ法的な強制力のない取り決めであっても、所有者同士の意向によって車両の乗り入れが認められないこともあります。

このように、車での出入りが日常的に必要な物件では、人の通行だけでなく車両通行についても承諾が得られているかを確認しておくことが極めて重要です。

道路の掘削が制約されるケース

古くから建っている家をそのまま使う場合は、既に配管が敷設されているため、基本的に私道を掘削する必要はありません。問題になるのは、更地に新築を建てる場合や、配管を新設・更新する場合です。上下水道やガスの敷設工事には掘削が欠かせず、前面道路が私道だと、その掘削のために所有者の承諾が必要になります。

具体的には、水道局やガス会社から、私道所有者が署名・捺印をした「私道の通行・掘削承諾書」の提出を求められるのが一般的です。

なお、2023年(令和5年)4月に施行された改正民法により、状況は一部緩和されました。他の土地を使わなければライフラインの供給を受けられない場合、私道所有者の承諾を得なくても設備を設置できる旨が定められ(民法213条の2)、あらかじめ目的・場所・方法を所有者へ通知しておけば工事が可能とされています。

ただし、実務上はこの法改正だけで問題が解決するとは限りませんフィリアコーポレーションの現場感覚では、水道業者やガス業者が、私道所有者の同意を得ていない道路の掘削工事に強い抵抗を示し、着工を断られるケースが多いのが実情です。法律上は可能でも、実際に工事をする業者が慎重になるため、承諾書がないと工事が進まないという事態が起こり得ます。

だからこそ、トラブルなくスムーズに工事を進めるには、やはり円満に「私道の通行・掘削承諾書」を得ておくことが理想であることに変わりはありません。私道に面した物件では、掘削承諾の有無が建て替えの可否を大きく左右します。

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通行掘削承諾を得られないときの影響

私道に面した土地で通行掘削承諾が得られていないと、日常生活だけでなく、不動産としての価値や売買そのものに大きな影響が及びます。「いざ売ろうとしたら承諾がないことがネックになった」「買い手がついたのに融資が通らず契約が流れた」——こうした事態は決して珍しくありません。

フィリアコーポレーションにも、まさにこうした通行掘削承諾に関するご相談が数多く寄せられます。承諾が得られず売却が進まない、私道所有者と交渉できないといったケースは、フィリアコーポレーションの得意とする領域です。買取後に自社で承諾交渉を行うことを通常業務としているため、一般の不動産会社が敬遠する案件も対応できます。

まずは、通行掘削承諾が得られないと具体的にどのような影響が生じるのかを見ていきましょう。

  • 売買価格が下がる可能性がある
  • 住宅ローン融資が受けにくくなる
  • 売買契約上のトラブルが起きる場合がある

売買価格が下がる可能性がある

家の価格が下がる

不動産の価格は、立地や広さといった物理的な条件だけでなく、法的・権利的な条件によっても大きく左右されます。通行掘削承諾が得られていない土地は、この権利面に問題を抱えているとみなされ、市場価値が大幅に下がってしまうことがあります。

通行承諾が得られない土地は「実質的に道路に出られない土地」と評価され、掘削承諾が得られない土地は「ライフラインの整備ができない土地」と判断されます。どちらも買い手にとっては大きなリスクであり、価格を下げなければ売れないケースが多くなります。

フィリアコーポレーションが実際に扱った事例をご紹介します。ある私道は相続が繰り返された結果、所有者が50人近くにまで膨れ上がっていました。所有者の一人が新築を計画していましたが、掘削工事に全員の同意が必要とされ、現実的に50人全員の承諾を得ることは不可能でした。

通行については囲繞地通行権、掘削については民法改正で「通知すれば可能」となったため、法律上は逃げ道があります。しかし前述の通り、水道業者が私道所有者の同意なしでの掘削に抵抗を示し、工事を断られてしまいました。結果としてライフラインの引き込みができず、新築は諦めて古家を活かすしかない形となりました。

このケースでは、本来更地なら2,000万円ほどの価値がある土地が、建て替えのできない中古戸建として扱われ、500万円程度まで価値が下がってしまいました。通行掘削承諾の有無が、これほどまでに価格を左右するのです。

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住宅ローン融資が受けにくくなる

住宅ローンの承認が得られない

住宅ローンを利用して不動産を購入する場合、金融機関の担保評価が通行掘削承諾の有無によって大きく変わります。通行や配管工事に支障がある物件は、担保としての価値が低いと判断され、融資を断られたり、融資額を大幅に減額されたりする可能性があります。

前述の事例のような物件も、まさにこの融資の壁に直面します。掘削承諾が整っていない中古戸建は、同じような公道に面した中古戸建よりも安くなりがちです。その大きな理由が、買い手が住宅ローンを組みにくいことにあります。

ここで金融機関が重視するのが「長期的なリスク」です。仮に今は既存の配管が使えて掘削の必要がなくても、10年後、20年後に水道管などのトラブルが発生すれば、結局は私道を掘削して修理・交換をしなければなりません。そのとき掘削承諾が得られなければ工事ができず、生活に支障が出てしまいます。

住宅ローンは数十年にわたって返済していく長期の融資です。金融機関は「その物件が長期間にわたって安定した価値を保てるか」を審査するため、将来掘削できなくなるリスクを抱えた物件は敬遠されるのです。

そのため買い手側は、購入前に必ず金融機関へ相談し、その物件が融資の対象になるかどうかを事前に確認しておくことが重要です。通行掘削承諾の有無は、売却のしやすさに直結する要素だといえます。

💡接道や配管に問題がある物件で住宅ローンの審査が通らない理由と、融資不可でも売却を成功させる対策を解説しています。

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売買契約上のトラブルが起きる場合がある

通行掘削承諾は、売買契約そのものにも影響を及ぼします。承諾の状況を曖昧にしたまま取引を進めると、後々大きなトラブルに発展しかねません。

宅地建物取引業法では、仲介業者や宅地建物取引士に対し、重要事項説明の際に「通行承諾の有無」「掘削承諾の状況」「建築基準法上の接道要件」などを正確に説明する義務が課されています。もしこの説明を怠ったまま契約を結び、買主が後から「通行や掘削の承諾が得られない土地だった」と気づいた場合、契約不適合責任の問題・損害賠償請求・契約解除といった深刻なトラブルに発展する可能性があります。

契約不適合責任とは?図解

これは売主にとっても他人事ではありません。承諾を得ていない事実や、今後承諾を得られる見込みがあるかどうかを、買主に対して正直に開示しておくことが不可欠です。「知らなかった」では済まされず、告知を怠れば売主が責任を問われることになります。

もし「通行掘削承諾が得られていないことを承知のうえで、買主が納得して購入する」という形で取引する場合は、その旨を契約書に明記し、買主がリスクを理解したうえで引き受けることを書面で確認しておくことが重要です。

こうした複雑な権利関係が絡む取引は、通常の売買以上に慎重な対応が求められます。承諾が整っていない物件の売買でお困りの場合は、こうした案件に慣れた専門業者に相談することで、トラブルを未然に防ぐことができます。

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通行掘削承諾が得られないときの対処法

通行掘削承諾が得られなくても、諦める必要はありません。状況に応じて取れる対処法がいくつか存在します。交渉によって解決できるケースもあれば、法的な権利を活用する方法、あるいは別のルートを検討する方法もあります。

自分の物件の状況に合わせて、以下の3つの対処法を検討してみましょう。

  • 近隣の所有者と交渉する
  • 袋地通行権を行使する
  • 代替ルートを検討する

近隣の所有者と交渉する

最も現実的な解決策は、私道所有者との交渉を粘り強く行うことです。通行や掘削によって相手に生じる負担を理解したうえで、それに見合う償金(承諾料)を提示することで合意に至るケースがあります。金銭面だけでなく、工事中の安全対策や工事後の原状回復をきちんと約束するなど、相手が納得しやすい条件を用意することが重要です。

金額の目安に迷う場合は、事前に弁護士へ相談し、そのケースで妥当と考えられる償金の額を把握したうえで交渉に臨むとよいでしょう。

なお、私道の所有者はご近所さんであることも多いため、まずは当事者同士で穏便に話し合うのが基本です。ただし、相手がすでに弁護士を立てている場合や、交渉自体に不安を感じる場合は、弁護士や不動産の専門家に間に入ってもらうとスムーズに進むことがあります。第三者が入ることで、権利の範囲や適正な補償額について冷静で客観的な判断がしやすくなります。

⚠隣地の所有者との交渉は難航しがちです。交渉で接道要件をクリアする裏ワザの現実と、プロが明かす注意点をまとめています。

隣人との直接交渉は大きな壁です。実際に、近所付き合いを負担に感じる方は少なくありません。

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囲繞地通行権を行使する

交渉がまったく進まない場合や、相手が法外な承諾料を要求してくる場合には、民法上の「囲繞地(いにょうち)通行権」を検討する方法があります。これは、他人の土地に囲まれて公道に出られない袋地の所有者が、公道に出るために周囲の土地を通行できる権利です。人が生活していくうえで必要不可欠な権利であるため、袋地であることなど一定の要件を満たせば、法律上当然に認められます。

囲繞地通行権

つまり、私道所有者が通行を拒んだとしても、袋地の所有者には最低限の通行を確保する権利が保障されているということです。話し合いで折り合いがつかない場合は、最終的に裁判所を通じて通行権を認めてもらうこともできます。

ただし、法的手続きには時間・費用・精神的な負担が伴い、私道所有者との関係が決定的に悪化するリスクもあります。囲繞地通行権はあくまで最終手段と位置づけ、まずは穏便な話し合いによる解決を目指すのが得策です。

代替ルートを検討する

問題となっている私道以外に、別の経路を確保できないかを検討するのも有力な手段です。例えば、別方向の道路が公共下水道に近ければ、そちらから配管を引き込む。電気であれば上空配線で回避する、といった具合に、掘削承諾を得なくても済む方法が見つかることがあります。工事費用はかかるものの、承諾交渉のトラブルを避けられる点は大きなメリットです。

ここで欠かせないのが公図の確認です。土地の形状や、自分の敷地がどの土地と接しているかは、現地を見ただけでは正確に把握できません。公図をきちんと確認することで、「実は別の道路にも接していた」「この方向なら掘削承諾が不要だった」といった代替ルートの可能性が見えてくることがあります。

代替策はコスト面で不利になる場合もありますが、長期的なトラブル回避や法的な安全性を考えれば、結果的に得になるケースも少なくありません。複数の工事プランを用意し、費用と安全性を比較検討することが大切です。

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通行掘削承諾に関する不動産売買時の注意点

私道に面した物件の売買では、通行掘削承諾に関する確認を怠ると、引き渡し後に思わぬトラブルに発展することがあります。契約前にどこを確認すべきかを知っておくことが、安心して取引を進めるための鍵となります。

フィリアコーポレーションでは、通行掘削承諾が絡む物件の取引は日常的に扱う得意分野です。実務経験から特に重要だと感じる3つの確認ポイントを解説します。

  • 重要事項説明書の内容を確認する
  • 売買契約書の特約を確認する
  • 承諾書の名義人を確認する

重要事項説明書の内容を確認する

私道に面した物件を売却する場合、売主にも重要事項説明の内容に関わる責任が生じます。買主に対して、接道状況・私道負担・通行掘削承諾の有無などを正確に伝えなければならず、この情報が曖昧だと契約自体がスムーズに進みません。

特に通行掘削承諾が取れていない物件では、「なぜ承諾がないのか」「今後取得できる見込みはあるのか」を売主自身が把握し、開示する必要があります。私道の所有者を調べ、権利関係を整理し、必要に応じて承諾交渉まで行う——これらを売主が一つひとつ対応するのは、想像以上に手間と時間がかかる作業です。

こうした煩雑な確認や告知の負担を避けたい場合、フィリアコーポレーションへの直接売却という選択肢があります。フィリアコーポレーションは通行掘削承諾が未取得の物件をそのまま買い取ることを通常業務としており、面倒な権利関係の整理も買取後に自社で対応します。売主は複雑な説明義務に頭を悩ませることなく、そのまま手放すことができます。

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売買契約書の特約を確認する

通行掘削承諾が絡む物件の売買では、契約書に特約条項が付けられることがあります。代表的なものが、「承諾が得られなかった場合は買主が契約を解除できる」「売主が承諾取得のために最大限努力する」といった条項です。

こうした特約は買主を守るための内容ですが、売主にとってはリスクになります。例えば解除条件付きで契約すると、買主は承諾が取れないと判明した時点で契約を白紙に戻せるため、せっかくまとまった売却が振り出しに戻ってしまう可能性があります。また「売主が承諾取得に努力する」という条項が入れば、売主自身が私道所有者との交渉を背負うことになります。

つまり、私道物件を通常の仲介で売ろうとすると、契約が不安定になりやすく、売主が承諾交渉の責任まで負わされるケースが少なくありません。

こうした煩わしさを避けたい場合は、承諾の有無を問わず物件を買い取ってくれる専門業者への売が有力です。フィリアコーポレーションなら、こうした特約や交渉の負担を売主が抱える必要がなく、そのまま手放せます。

承諾書の名義人を確認する

通行掘削承諾書は、ただ書類が存在すればよいというものではなく、「誰が承諾したのか」=名義人が正しいかどうかが非常に重要です。承諾書に署名・押印している人が、実際の私道所有者と一致していなければ、その承諾は効力を持ちません。売却の際にここが問題となり、取引が止まってしまうこともあります。

特に注意が必要なのが、私道所有者が亡くなっているケースです。登記名義人が既に死亡している場合、その承諾書がきちんと生前の日付で取得されたものかを確認しなければなりません。また相続が発生していれば、承諾の権利は相続人へ移っており、改めて相続人から承諾を取り直す必要が出てきます。

このように、承諾書の名義や有効性を売主が一つひとつ確認・整理するのは、専門知識が必要で骨の折れる作業です。私道所有者が多数いたり、相続が絡んで名義が複雑になっていたりする物件は特に大変です。

こうした確認や整理をまるごと任せたい場合は、権利関係の調整を得意とするフィリアコーポレーションへの売却が安心です。面倒な名義確認も、買取後にすべて対応します。

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通行掘削承諾に関するよくある質問

通行掘削承諾書はなくても大丈夫ですか?

結論から言うと、通行掘削承諾書がなくても、当面の生活に支障がなければ所有し続けること自体は可能です。既に建物が建っていて配管も通っていれば、すぐに困ることはありません。

しかし、承諾書がないことには大きなリスクが伴います。最大の問題が、私道を掘削できないためにライフラインの引き込みができず、建て替えができないという点です。今は問題なくても、老朽化した建物では数年後に水道管やガス管の交換が必要になる可能性があります。そのとき掘削承諾がなければ工事ができず、生活に深刻な支障が出てしまいます。

また、こうしたリスクを抱えた物件は買い手がつきにくく、住宅ローンも通りにくいため、売却価格が大きく下がる傾向があります。

「今は大丈夫」と放置していると、いざ売ろうとしたときや工事が必要になったときに困ることになります。承諾がない物件でお悩みの場合は、早めに専門業者へ相談することをおすすめします。

通行掘削承諾はどのタイミングで取得すべきですか?

最も望ましいのは、不動産の売買契約を結ぶ前に承諾を確保しておくことです。契約前に承諾が整っていれば、買主は安心して購入を判断でき、売主も引き渡し後のトラブルを避けられます。私道所有者の協力が得られるうちに、早めに動いておくのが理想です。

とはいえ、実際には承諾を得られないまま契約の話が進んでしまうことも少なくありません。その場合は、売買契約書に「承諾の取得を条件とし、一定期間内に取得できなければ契約を解除できる」といった特約を設けておくのが現実的な対応です。

ただし、売主の立場からすると、この特約は契約が白紙に戻るリスクを抱えることになります。承諾交渉が長引けば、売却スケジュール全体が不安定になってしまいます。

こうした承諾取得のタイミングや交渉の負担に頭を悩ませたくない場合は、承諾の有無を問わずそのまま買い取ってくれる専門業者への売却が確実です。フィリアコーポレーションなら、承諾は買取後に自社で取得するため、売主が取得時期を気にする必要はありません。

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私道の掘削承諾料の相場はいくらくらいですか?

状況によって幅があります。基本的に、掘削工事の費用や掘り返した道路の原状回復費用をすべてこちら側で負担するという内容であれば、承諾料自体は発生しないケースも多くあります。

ただし、なかには意地悪な私道所有者もおり、承諾が必要であることを逆手に取って、「ハンコ代」として100万円もの金額を請求してくることもあります。そのため、実際の承諾料は数万円〜100万円と非常に幅広いのが実情です。

金額に明確な決まりがないため、交渉次第で大きく変わるのがこの問題の難しいところです。承諾料の交渉自体が大きな負担になることも少なくありません。こうした煩わしいやり取りを避けたい場合は、承諾の有無を問わずそのまま買い取れるフィリアコーポレーションへお気軽にご相談ください。

当コンテンツの運営、執筆は株式会社フィリアコーポレーションが行っています。 詳細は、コンテンツ制作ポリシープライバシーポリシーを参照ください。

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