コラム記事

実家を放置するとどうなる?リスクと対処法

公開日 2026年10月18日

最終更新日 2026年10月18日

監修者
越川直之

越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)

代表ブログへ

訳アリ不動産1,000件以上の相談実績を持つ、空き家・再建築不可・長屋・共有持分の専門家。株式会社フィリアコーポレーション代表取締役。現場経験に基づき、訳アリ不動産売却の正しい知識を監修しています。

目次

実家を放置するとどうなる?知っておきたいリスク一覧

「とりあえずそのままにしておこう」。親が亡くなった後や施設に入った後、実家がそのまま空き家になるのはよくあることです。ところが、空き家の実家には、放っておくほど大きくなるリスクがいくつも潜んでいます。ここでは、お金・安全・近所との関係・税金の面から、知っておきたい8つのリスクを順番に見ていきましょう!

  • 老朽化が進み資産価値が下がる・売れなくなる
  • 固定資産税・維持費がかかり続ける
  • 特定空家に指定され行政対応の対象になる
  • 倒壊・外壁落下などで近隣に損害賠償を負うリスク
  • 犯罪(空き巣・放火・不法侵入)に利用されるリスク
  • ゴミを不法投棄されるリスク
  • 近隣トラブル(雑草・害虫・悪臭)に発展するリスク
  • 譲渡所得税の特別控除が使えなくなるリスク

老朽化が進み資産価値が下がる・売れなくなる

家は、人が住まなくなった途端に傷み始めます。窓を開けないので湿気がこもり、水を流さないので配管も傷んでいくのです。

管理をしなかった場合に起こりやすい変化を、目安としてまとめました。

空き家の期間起こりやすい変化
半年ほど室内にカビ臭さがこもる、排水口から臭いが上がる
1〜2年配管の劣化、庭木や雑草が伸び放題に
3年ほど雨漏りやシロアリ被害が出始める
5年以上床の沈みや傾きなど、大がかりな修繕が必要に

もちろん、建物の状態や管理の仕方で大きく変わります。当社にご相談いただいた方の中には、5年間空き家でも週1回は窓を開けていたおかげで、驚くほど状態の良い家もありました。

怖いのは、傷みが一定のラインを越えたときです。2025年4月の建築基準法改正で、木造2階建てなどの家は、柱や屋根など主要な部分の半分を超える大規模な修繕に建築確認が必要になりました。再建築不可の家では、この確認が通らず大規模な修繕ができないこともあります。直す手段がないほど傷んだ家は、買い手がつかず、値段がつかなくなることもあるのです。

放置した年数は、そのまま値下がりの理由になると考えておいてください。

固定資産税・維持費がかかり続ける

実家に誰も住んでいなくても、持っている限りお金は出ていきます。主な維持費は、次のとおりです。

  • 固定資産税・都市計画税:毎年1月1日時点の持ち主にかかる
  • 火災保険料:空き家は住宅物件ではなく一般物件の扱いになり、保険料が割高になることも
  • 水道・電気の基本料金:通水や換気のために契約を残す場合
  • 草刈り・庭木の手入れ:業者に頼めば1回数万円
  • 交通費:遠方の実家なら、通うたびにかかる

1つひとつは大きくなくても、合わせると毎月数万円、年間で数十万円になることもあります。10年放置すれば、数百万円を使っていない家のために払い続ける計算です。

なお、家が建っている限り、固定資産税は「住宅用地の特例」で低く抑えられています。ただ、管理を放置して行政から勧告を受けると、この特例が外れて税金が大きく上がることがあります。

固定資産税がいつまでかかるのか、亡くなった親の分は誰が払うのか、更地にするとどうなるのか。このあたりの疑問は、次の「実家の放置で固定資産税はどうなる?」で詳しく解説しますね!

特定空家に指定され行政対応の対象になる

実家を放置して周りに迷惑をかける状態になると、自治体から「特定空家」や「管理不全空家」に指定されることがあります。

  • 特定空家:倒壊のおそれがある、ゴミや害虫で衛生上問題があるなど、周りに危険や迷惑を及ぼしている空き家
  • 管理不全空家:このままだと特定空家になりかねない空き家(2023年12月の法改正で追加)

指定されると、自治体から段階的に対応を求められます。

  1. 助言・指導:管理を改善するよう求められる
  2. 勧告:住宅用地の特例が外れ、固定資産税が上がる
  3. 命令:従わないと50万円以下の過料
  4. 行政代執行:自治体が代わりに解体し、費用を所有者に請求する(特定空家の場合)

ポイントは、いきなり勧告や解体になるわけではないことです。まずは助言や指導の通知が届きます。この段階で動けば、税金が上がることも、解体費用を請求されることも防げるのです。

逆に、通知を無視し続けると、話はどんどん進んでいきます。自治体からの通知は、放置しないこと。指定の基準や行政代執行の実態は、後ほど詳しく解説します。

倒壊・外壁落下などで近隣に損害賠償を負うリスク

放置した実家で一番怖いのが、誰かにけがをさせてしまうリスクです。

傷んだ空き家では、次のような事故が起こりえます。

  • 屋根瓦が落ちる:強風の日に、通行人の頭上に落ちることも
  • 外壁がはがれ落ちる:お隣の家や車を傷つける
  • ブロック塀が倒れる:地震のときは特に危険
  • 建物そのものが倒壊する:台風や大雪で、お隣の家を巻き込む

民法では、建物の欠陥で他人に損害を与えた場合、まずは建物を管理している人が責任を負います。管理している人が十分に注意していたと認められると、今度は所有者が責任を負うことになり、所有者は過失がなくても賠償を免れません。つまり、遠方に住んでいて知らなかった、では済まないのです。

被害の内容によっては、賠償額が数千万円から億単位になるという試算もあります。

まずは、実家の火災保険が切れていないか確認しましょう。あわせて、他人への賠償をカバーする保険に入っているかもチェックしてください。空き家になると、住宅用の保険の対象外になってしまう場合もあります。

そして、屋根や外壁の傷みを見つけたら、すぐに業者を呼ぶこと。小さな傷みのうちに直すのが、一番安く済む対策ですよ!

犯罪(空き巣・放火・不法侵入)に利用されるリスク

空き家は人の目がない分、犯罪に利用されやすいとよく言われます。

  • 空き巣:残された家財や金属類を盗まれる
  • 不法侵入:勝手に入り込まれたり、住み着かれたりする
  • 放火:枯れ草やゴミがある家は狙われやすい

正直にお伝えすると、当社が買い取った空き家で、不審者が入り込んでいたという経験はありません。同業者から話を聞いたことはありますが、東京ではほとんどない印象です。

ただ、だからといって油断はできません。特に放火は、建物の火災の原因として毎年上位に入っています。空き家で火事が起きると、お隣に燃え広がる危険もあるのです。

狙われやすいのは、ひと目で「誰も住んでいない」とわかる家です。最低限、次のことを心がけましょう。

  • 郵便受けを空にしておく:チラシがたまっていると空き家だとすぐにわかります
  • 燃えやすい物を片付ける:家の周りの枯れ草や段ボールは撤去する
  • 戸締まりと窓ガラスの確認:割れた窓は、放置されている印です
  • 近所の方に声をかけておく:異変があったら連絡をもらえるようにする

「誰かが見ている家」にしておくことが、一番の防犯対策なのです!

ゴミを不法投棄されるリスク

空き家の敷地は、ゴミを捨てられやすい場所です。人の目がなく、庭や駐車スペースに空きがあると、粗大ごみや古い家電、タイヤなどを勝手に置いていかれることがあります。

困るのは、捨てられたゴミを片付けるのが、基本的に土地の持ち主になってしまうことです。捨てた人がわからなければ、処分費用も自分で負担するしかありません。家電や大量のゴミになると、数万円から数十万円かかることもあるのです。

さらに、ゴミが1つ置かれると、「ここは捨ててもいい場所」と思われて、次々と増えていく悪循環に陥りがちです。ゴミがたまれば悪臭や害虫が発生し、放火の原因にもなります。

不法投棄を防ぐには、次の対策が効果的です。

  • 敷地の入口をふさぐ:ロープやフェンスで、車や人が入れないようにする
  • 看板を立てる:「不法投棄禁止」の看板だけでも抑止になります
  • 草を刈っておく:雑草が伸び放題だと、管理されていない土地に見えます
  • 防犯カメラやセンサーライトをつける:ダミーでも効果があります

もしゴミを捨てられてしまったら、すぐに自治体や警察に相談しましょう。見つけたらすぐに片付けて、増やさないことが大切ですね!

近隣トラブル(雑草・害虫・悪臭)に発展するリスク

放置した実家で、実際に一番よく起きるのが近所とのトラブルです。

  • 雑草・庭木:伸びた枝がお隣の敷地にはみ出す、落ち葉が隣の雨どいを詰まらせる
  • 害虫:蚊やハチが発生する。軒下にハチの巣ができることも
  • 悪臭:排水口の水が乾いて、下水の臭いが上がってくる
  • 動物:ハクビシンなどが住み着き、近所の家にも被害が出る

2023年の法改正で、はみ出した枝は、一定の条件を満たせばお隣の方が自分で切れるようになりました。ただ、その費用を後から請求されることもあります。

実家が遠方にあると、苦情の電話が来てもすぐには駆けつけられません。謝ることしかできず、近所との関係はどんどん悪くなっていきます。苦情が自治体に届けば、管理不全空家として指導を受けるきっかけにもなるのです。

実際、当社にご相談に来られる方の多くは、近所から苦情が来たのをきっかけに、ようやく売却を決意されます。

庭木の手入れや雑草の処理は、年に数回でも大きく違います。苦情が来る前に手を打つこと。それが近所との関係を守る一番の方法ですね!

譲渡所得税の特別控除が使えなくなるリスク

意外と知られていないのが、放置しているうちに税金の特例が使えなくなるリスクです。

相続した実家を売るときには、「相続空き家の3,000万円特別控除」という特例があります。売った利益から最大3,000万円を差し引けるので、税金が0円になることも珍しくありません。

ただし、この特例には期限があります。

相続した日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること

たとえば、2024年5月に相続した場合、期限は2027年12月31日です。

ほかにも、主に次の条件があります。

  • 1981年5月31日以前に建てられた家であること(マンションなどの区分所有建物は対象外)
  • 亡くなった親が1人で住んでいたこと(老人ホームに入っていた場合の特例あり)
  • 相続してから売るまで、住んだり貸したりしていないこと
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 建物を残して売る場合は、耐震基準を満たしていること(満たさない場合は、耐震改修をするか解体する必要があります。2024年以降は、買主が売却の翌年2月15日までに工事をする場合も対象です)

この特例が使えるかどうかで、税金は大きく変わります。たとえば利益が2,000万円なら、使えなければ約400万円の税金がかかりますが、使えれば0円です。

なお、相続人が3人以上の場合は、1人あたりの控除が2,000万円になります。特例の適用期限は、現行の制度では2027年12月31日までです。特例が使えるかどうかは売り方によっても変わるため、当社では顧問税理士をご紹介し、売却前に確認しています。「いつか売ろう」が、数百万円の差になることを覚えておいてください。

実家の放置で固定資産税はどうなる?

実家を放置するとき、多くの方が一番気にされるのが固定資産税です。「いつまで払い続けるのか」「亡くなった親の分は誰が払うのか」「更地にすると本当に6倍になるのか」。ここでは、実家の固定資産税についてよくいただく4つの疑問に、順番にお答えします!

  • 固定資産税は放置している限りずっと払い続けるのか
  • 亡くなった親の固定資産税は誰が払うのか
  • 更地にすると固定資産税は本当に6倍になる?
  • 家の固定資産税は年々下がるのか

固定資産税は放置している限りずっと払い続けるのか

結論からお伝えすると、実家を持っている限り、固定資産税は毎年かかり続けます。使っているかどうかは関係ありません。

固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や建物を持っている人にかかる税金です。つまり、実家を手放さない限り、10年でも20年でも払い続けることになるのです。

払わなくてよくなるのは、次のような場合です。

  • 売却する:買主に所有権が移れば、翌年度からかからない
  • 寄付する・国に引き取ってもらう:ただし、受け取ってもらえるケースは限られる
  • 相続しない:相続人になったことを知ってから3か月以内に相続放棄をする

ちなみに、売却した年の分は、1月1日時点の持ち主にいったん全額かかります。ただ、実際の売買では、引き渡した日を境に買主と日割りで精算するのが一般的です。

例外として、評価額がとても低い土地や建物は、固定資産税がかからないことがあります。課税のもとになる金額が、土地で30万円未満、建物で20万円未満の場合です。山林や小さな古家など、ごく一部に限られます。

「払い続けるか、手放すか」の二択しかないと考えておくのが現実的です。毎年の税額は、届いた納税通知書の課税明細書で確認できますので、一度目を通してみてください!

亡くなった親の固定資産税は誰が払うのか

親が亡くなった後の固定資産税は、相続人が払うことになります。ただ、時期によって扱いが少し違うので、整理しておきましょう。

時期払う人
亡くなった年度の分親の納税義務を相続人が引き継ぐ
相続登記が済むまで実家を相続した相続人。決まっていなければ相続人全員が連帯して負担
相続登記が済んだ後実家を相続した人

たとえば、4月に親が亡くなった場合でも、その年度の固定資産税は1月1日時点の持ち主である親にかかっています。親が払いきれていない分は、相続人が代わりに払うことになるのです。

遺産分割がまだ決まっていない間は、相続人全員が連帯して支払う義務を負います。役所からは、相続人の中から代表者を決めて届け出るよう、書類が届くことが多いです。代表者は納税通知書を受け取る窓口役で、代表者が1人で全額を負担するという意味ではありません。

また、名義が亡くなった親のままの場合、実際に相続した人は、自治体に届け出る義務もあります。届け出をしないと、過料の対象になることもあるのです。

そして、相続放棄をした場合は、原則として固定資産税を払う必要はありません。なお、2024年4月から相続登記は義務になり、相続で取得したことを知ってから3年以内に申請しないと10万円以下の過料の対象になります。それより前に相続した実家も、2027年3月31日までに登記が必要です。誰が払うかで揉めないためにも、早めに遺産分割と相続登記を済ませておくことが大切です。

更地にすると固定資産税は本当に6倍になる?

よく「更地にすると固定資産税が6倍になる」と言われますが、厳密には6倍にはなりません。

6倍と言われる理由は、住宅用地の特例です。家が建っている土地は、200㎡以下の部分で固定資産税の計算のもとが評価額の1/6、都市計画税は1/3に抑えられています。解体すると特例が外れるので、「1/6が元に戻る=6倍」と単純計算されているのです。

ところが実際は、更地には負担を和らげる調整のしくみがあり、計算のもとは評価額の70%が上限です。そのため、現行の制度では、固定資産税は最大で約4.2倍、都市計画税は約2.1倍にとどまります(都市計画税は市街化区域内の土地にかかります)。

さらに、解体すれば建物の税金はなくなります。土地の評価額3,000万円(200㎡以下)、建物の評価額200万円の実家で比べてみましょう。

項目家がある状態更地にした状態
土地の固定資産税7万円29.4万円
土地の都市計画税3万円6.3万円
建物の固定資産税・都市計画税3.4万円0円
合計(年)13.4万円35.7万円

全体で見ると約2.7倍です。6倍ほどではないものの、年22万円以上の負担増になります。

なお、管理を放置して特定空家や管理不全空家として勧告を受けた場合も、同じように特例が外れます。家を建てたままでも、更地と同じ税金になってしまうことがあるのです。

解体するなら、年明けを過ぎてからにしましょう。1月1日に建物があれば、その年は特例が使えます。ただし、翌年1月1日までに売れなければ、翌年度からは更地の税額になります。

家の固定資産税は年々下がるのか

「古い家なら、税金はどんどん安くなるのでは?」と思われるかもしれません。答えは、建物と土地で分かれます。

項目年数が経つとどうなる?
建物古くなるほど評価額は下がるが、一定の水準で下げ止まる
土地地価に合わせて変わる。都市部では上がっていることも多い

建物の評価額は、3年に1度見直されます。古くなるほど下がっていきますが、新築時の2割ほどの水準で下げ止まります。木造の家なら、築20〜25年ほどでこの下限に達することが多いのです。さらに最近は、建築費の値上がりが反映されて、思ったほど下がらないこともあります。

つまり、親が長年住んでいた実家の建物は、すでに下限に近く、これ以上はほとんど下がらないケースがほとんどです。

一方、土地の評価額は地価の動きで決まります。首都圏では地価が上がっている地域も多く、土地の税金はむしろ上がっていくことも。

まとめると、古い実家の固定資産税は、待っていても安くはならないと考えておいた方がいいでしょう。下がらない税金を払い続けるより、早めに手放すか活用するかを決める方が、結果的にお金が残りますよ!

実家を放置すると「特定空家」→「行政代執行」に進むリスク

実家を放置し続けると、最終的には自治体が強制的に建物を解体し、その費用を所有者に請求する「行政代執行」に至ることがあります。ただし、そこまでには段階があり、途中で手を打てば止められます。ここでは、指定の基準と行政代執行の実態を、3つのポイントに分けて見ていきましょう!

  • 管理不全空家に指定される基準
  • 特定空家に指定される基準
  • 行政代執行で解体費用を請求されるケース

管理不全空家に指定される基準

管理不全空家は、2023年12月の法改正で新しくできた区分です。「今すぐ危険というわけではないが、このまま放っておくと特定空家になりかねない空き家」を指します。

国の指針では、次のような状態が例として挙げられています。

  • 屋根や外壁の一部が壊れている、はがれかけている
  • 窓ガラスが割れたままになっている
  • 門や塀が壊れている
  • 雑草が生い茂り、立木の枝がお隣や道路にはみ出している
  • ゴミが散らかっている、動物が住み着いている
  • 排水設備が壊れて、汚水が漏れている

見てのとおり、どれも「少し放置すれば起こりうる」状態ばかりです。特定空家ほどひどい状態でなくても、対象になりうるのです。

管理不全空家になると、自治体からまず「指導」を受けます。それでも改善しないと「勧告」に進み、住宅用地の特例が外れて固定資産税が上がります。

一方で、管理不全空家には命令や行政代執行はありません。つまり、この段階はまだ「警告」の意味合いが強いのです。

ただ、指導に従わず状態が悪くなれば、次は特定空家として扱われます。管理不全空家の指導は、最後の引き返せるタイミングだと考えてくださいね!

特定空家に指定される基準

特定空家は、法律で次の4つのいずれかに当てはまる空き家と決められています。

状態具体例
倒壊などで、とても危険になるおそれがある建物が傾いている、屋根が落ちかけている、基礎が崩れている
衛生上、とても有害になるおそれがあるゴミが大量に放置され悪臭がする、ネズミや害虫が大量発生している
管理が行き届かず、景観を大きく損なっている落書きだらけ、窓が割れたまま、植物が建物を覆っている
周辺の生活環境を守るために、放置するのが不適切動物が住み着き周りに被害が出ている、不審者が出入りしている

自治体は、近所からの通報や巡回をきっかけに、実際に現地を調べて判断します。調査のために敷地に入ることもでき、正当な理由なく拒むと20万円以下の過料が科されることもあるのです。

特定空家に指定されると、次の順番で対応を求められます。

  1. 助言・指導
  2. 勧告:住宅用地の特例が外れる
  3. 命令:従わないと50万円以下の過料。命令を受けたことが公表されることも
  4. 行政代執行:自治体が強制的に解体などを行う

管理不全空家との違いは、命令や行政代執行まで進む可能性があることです。

当社にも、行政から通知が届いて慌ててご相談に来られる方がいます。多くは「空き家がボロボロで倒壊しそうだけど、どうしたらいいか」というご相談です。通知が届いた段階なら、まだ売却という選択肢を選べるので、すぐに動いてくださいね!

行政代執行で解体費用を請求されるケース

行政代執行とは、命令に従わない所有者に代わって、自治体が建物の解体などを強制的に行うことです。かかった費用は、後から所有者に請求されます。

主なケースは、次の3つです。

  • 通常の代執行:命令を受けても所有者が対応しない場合
  • 略式代執行:所有者がわからない、連絡がつかない場合
  • 緊急代執行:台風の前など、倒壊の危険が差し迫っている場合(2023年の法改正で新設)

緊急代執行では、命令などの手続きを経ずに解体などが行われることもあります。

怖いのは、請求される費用です。自治体は入札などで業者を決めますが、解体費用に加えて手続きの費用も上乗せされます。自分で業者を選んで解体するより、高くつく傾向があります。

しかも、この費用は普通の借金とは違います。払わなければ、税金の滞納と同じように財産を差し押さえられることもあります。「お金がないから払えない」は通らないのです。

さらに、解体後に残った土地の税金は特例が使えないので高くなり、売るにしても解体費用を払った後になります。

行政代執行は、所有者にとって一番損な終わり方です。そうなる前に、自分で売ってしまえば、費用を請求されるどころか売却代金が手元に残ります。通知を無視して放置することだけは、避けてください。

放置した実家の処分・活用方法(概要)

放置した実家をどうするかは、大きく6つの選択肢(売却は仲介と買取の2通り)から選ぶことになります。それぞれの特徴を一覧にまとめました。

方法どんな実家に向いているか注意点
売却(仲介)立地が良く、建物の状態も悪くない売れるまで数か月以上かかることも。引き渡し後の不具合の責任を求められる場合がある
売却(買取)古い、傷んでいる、荷物が残っている仲介より価格は下がりやすいが、今の状態のまま最短1週間で手放せる
賃貸として活用借りたい人がいる地域にあり、修繕すれば住める貸すまでに修繕費がかかり、入居後の管理も必要
解体して更地にする建物の傷みがひどく、土地としての需要がある解体費用がかかり、売れるまで固定資産税が上がる
空き家バンクに登録移住者を受け入れている地方の実家実務上、売れたという話は少なく、補助的な手段
無償譲渡・相続土地国庫帰属制度売却も活用も難しい受け取ってもらえるケースは限られる。国庫帰属は解体と負担金が必要
相続放棄親に大きな借金がある預貯金も含めてすべて手放すことになる。相続人になったことを知ってから3か月以内に手続き

実家じまいにかかる費用は、方法によって大きく変わります。たとえば解体なら木造で1坪5万〜7万円ほど、家財の撤去は一般的な戸建てで50万円前後が目安です。古い空き家の解体には、自治体が補助金を出している場合もあるので、物件のある市区町村に確認してみてください。

どの方法が合うかは、実家の立地と建物の状態で決まります。放置した期間が長いほど、選べる方法は少なくなっていくのです。迷ったら、まずはいくらで売れるのかを知ることから始めてみてくださいね!

放置せずすぐに相談すべき理由|フィリアコーポレーションの買取事例

ここまで見てきたとおり、実家は放置するほど税金もリスクも増え、手放しにくくなります。だからこそ、思い立ったときにすぐ動けることが大切です。ここでは、放置された実家でもすぐに手放せる当社の買取の2つの特徴と、実際に他社で断られた相続空き家を買い取った事例をご紹介します!

  • 現金最短1週間での買取が可能
  • 残置物そのまま・契約不適合責任免除で引き渡せる
  • 【買取事例】船橋市松が丘「駅から遠い再建築不可」で解決!他社で断られた相続空き家を買取

現金最短1週間での買取が可能

実家を放置している間は、毎日少しずつお金が出ていきます。固定資産税、保険料、通うための交通費。そして、建物の価値も1日ごとに下がっていくのです。だからこそ、手放すと決めたら、終わるまでの期間はできるだけ短い方がいいですよね。

当社の買取なら、次のような流れで進められます。

ステップ目安
ご相談・査定のご依頼お電話・LINE・フォームから(※LINE受付の有無を要確認)
査定額のご提示基本的に1日以内、早ければ1時間ほど
現地の確認建物の中と外、お隣との境界を確認
売買契約・決済同じ日に行うことも可能

順調に進めば、ご相談から最短1週間で現金化できます。仲介で買い手を探すと数か月かかることも多いので、その間の税金や管理の負担がまるごとなくなるのです。

ご相談の際は、固定資産税の課税明細書を手元にご用意いただけると助かります。地番や面積、評価額がわかるので、査定がぐっと早くなります。

ただし、スピードよりも大切にしていることがあります。司法書士による本人確認と、売主様の意思確認は必ず行います。急ぐ理由もきちんと伺い、納得できる場合に限ってスピード対応をしています。

「査定額を聞いてから考えたい」という段階でも、まったく問題ありません。当社から売却を急かすことはありませんので、気軽にご相談ください。

残置物そのまま・契約不適合責任免除で引き渡せる

長年放置した実家には、片付けられないままの家財が残っていることがほとんどです。いざ売ろうと思っても、片付けから始めないといけないと思うと、気が重くなりますよね。

当社の買取なら、次のような状態でもそのまま引き渡していただけます。

  • 家具・家電・衣類が残ったまま
  • 物があふれて足の踏み場もない状態
  • 床が沈んでいる、建物が傾いている
  • 雨漏りやシロアリの被害がある

家財の撤去は、一般的な戸建てで50万円前後、物があふれた家だと100万〜200万円ほどかかることもあります。当社の買取なら、この費用を売主様が負担する必要はありません。

仏壇や写真など大切な物だけは、処分する前にご自身で中身を確認してお持ちください。残った物は、当社が提携の撤去業者と処分いたします。

そしてもう一つ、当社が買取の大前提にしているのが、売主様の契約不適合責任を免除する条件での買取です。

放置した期間が長い家ほど、配管の傷みや雨漏りなど、目に見えない不具合が隠れているもの。正直、売主様ご自身も把握していないことが多いのです。一般の買主に売れば、後から修繕を求められるおそれがあります。

当社は、そうした不具合も含めて買い取ります。引き渡し後に見つかった不具合で、売主様に修繕費を請求することはありません(ご存じの不具合は契約前にお伝えください。知りながら伝えなかった不具合は免責の対象外になります)。放置していた実家だからこそ、この安心感が大きいのです。

【買取事例】船橋市松が丘「駅から遠い再建築不可」で解決!他社で断られた相続空き家を買取

実際に当社が買い取った、相続した空き家の事例をご紹介します。

物件の概要

項目内容
所在地千葉県船橋市松が丘
種別中古戸建て(空き家)
主な問題道路に接する条件を満たさず、建て替えができない(再建築不可)
建物の状態傾きあり、家財が残ったまま
交通駅から遠く、バスの利用が前提
買取後リフォームして賃貸住宅として運用中

ご相談の背景

ご相談者は、親から相続した空き家を手放したいと考えていた方でした。ところが、この家は建て替えができない土地にあり、しかも駅から遠いバス便のエリアです。いくつもの不動産会社に相談したものの、「売りにくい」と次々に断られてしまったそうです。

当社の判断と対応

当社は、道路の状況や立地などの条件を調べたうえで、建て替えができないことを前提に価格を算出しました。

決め手になったのは、賃貸の需要です。建て替えはできなくても、今の建物を活かせば、賃貸住宅として十分に使えると判断しました。立地に合った家賃を設定すれば、投資としての利回りも確保できます。

売主様には、契約不適合責任を免除し、家財も残したまま引き渡していただく条件で合意しました。買取後は、最小限の費用でリフォームを行い、現在は賃貸住宅として運用しています。今後は、投資家の方に収益物件として売却する予定です。

この事例のポイント

  • 他社に断られても、専門の会社なら買い取れることがある
  • 駅から遠くても、賃貸の需要があれば出口は描ける
  • 傾きや家財が残っていても、そのまま引き渡せる

この物件のように、利用する予定はないのに、固定資産税だけを払い続けている方は少なくありません。放置して傷みが進む前に動くことが、選択肢を残す一番の近道ですよ!

株式会社フィリアコーポレーションの対応実績数まとめ

種別対応実績数
空き家146件
再建築不可92件
長屋・連棟60件
共有持分25件

※2026年10月時点

実家放置に関するよくある質問

住まない実家は相続してはいけないのですか?

いいえ、相続しても大丈夫です。住まない実家でも、相続して売れば現金に換えられます。問題なのは、相続した後に放置してしまうことです。税金や管理の負担がかかり続け、建物も傷んでいきます。相続放棄をすると、預貯金などもすべて手放すことになるので、まずは実家がいくらで売れるのかを確かめてから判断しましょう。当社の無料査定もぜひご利用ください!

亡くなった人の固定資産税は誰が払うのですか?

相続人が払います。固定資産税は1月1日時点の持ち主にかかるので、その年度の分は、亡くなった親の納税義務を相続人が引き継ぎます。遺産分割がまだ決まっていない間は、相続人全員が連帯して支払う義務を負います。実家を相続する人が決まって相続登記をすれば、翌年度からはその人が払います。相続放棄をした場合は、原則として払う必要はありません!

更地にすると固定資産税は6倍になりますか?

厳密には6倍にはなりません。家が建っている土地は、住宅用地の特例で固定資産税が最大1/6に抑えられています。更地にするとこの特例は外れますが、負担を和らげる調整があるため、土地の税金は最大で約4.2倍です。さらに、建物の固定資産税はなくなります。先ほどの例では全体で約2.7倍でしたが、基本的に税金は上がるので、解体する前に必ず試算しましょう!

固定資産税は一生払わなくてはいけませんか?

実家を持っている限り、毎年払い続けることになります。固定資産税は、使っているかどうかに関係なく、1月1日時点の持ち主にかかる税金だからです。払わなくてよくなるのは、売却するなどして持ち主でなくなったときです。古い建物の税金は下げ止まり、土地は地価が上がれば税金も上がります。払い続けるのが負担なら、早めに手放すことを考えましょう!

まとめ

実家を放置しても、問題は先送りになるだけで、なくなることはありません。むしろ時間が経つほど、税金や維持費の負担は積み重なり、建物は傷み、近所とのトラブルや行政からの指導につながっていきます。この記事のポイントをおさらいしておきましょう。

  • 放置のリスクは8つ:資産価値の低下、税金と維持費、特定空家の指定、損害賠償、犯罪、不法投棄、近隣トラブル、税金の特例の期限切れ
  • 固定資産税は持っている限りかかり続ける:古い家でも税金は下げ止まり、待っても安くはならない
  • 「更地で6倍」は厳密には誤り:土地の税金は最大約4.2倍。建物の税金はなくなるが、全体では上がるので必ず試算を
  • 行政代執行は一番損な終わり方:管理不全空家の指導の段階なら、まだ引き返せる
  • 3,000万円控除には期限がある:相続から3年目の年末までに売らないと使えない

実家の放置で一番もったいないのは、「いつか考えよう」と思っている間に、選べる道が少しずつ減っていくことです。当社にご相談に来られる方の後悔で一番多いのも、「もっと早く動けばよかった」なのです。

当社は、空き家をはじめとした、一般的に売りにくい不動産の買取を専門にしています。家具や荷物が残ったまま、傾きや雨漏りがあっても、今の状態のまま買い取れます。引き渡し後に不具合が見つかっても、売主様が責任を負うことはありません。最短1週間での現金化も可能です。

「他社に断られた」「何年も放置してしまった」という実家でも、あきらめる必要はありません。実家をどうするか迷ったら、まずは当社の無料査定で、いくらで売れるかを確かめてみてください。売るかどうかは、金額を見てから決めていただいて構いません!

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監修者
越川直之

越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)

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訳アリ不動産1,000件以上の相談実績を持つ、空き家・再建築不可・長屋・共有持分の専門家。株式会社フィリアコーポレーション代表取締役。現場経験に基づき、訳アリ不動産売却の正しい知識を監修しています。

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