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売れない家はどうする?放置厳禁の正しい対処法【2026年11月最新】

公開日 2026年11月2日

最終更新日 2026年11月2日

監修者
越川直之

越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)

代表ブログへ

訳アリ不動産1,000件以上の相談実績を持つ、空き家・再建築不可・長屋・共有持分の専門家。株式会社フィリアコーポレーション代表取締役。現場経験に基づき、訳アリ不動産売却の正しい知識を監修しています。

目次

家が売れない主な理由とは

このコラムに辿り着いた方は今、「なぜうちの家は売れないんだろう」とお悩みではないでしょうか?実は、売れない家には共通する理由が隠れていることがほとんどです!原因が分かれば、打てる手も見えてきますね。
ここでは、現場でよく相談を受ける家が売れない主な理由を4つに整理してご紹介します。

立地・利便性に問題がある(駅から遠い・田舎など)

「建物の状態は悪くないはずなのに売れない」というご相談で意外と多いのが、立地の問題です。駅やバス停から距離がある、車がないと生活しづらいといった物件は、都市部に住む方や車を持たない方にとってはどうしても魅力が薄れてしまいます。

周辺に次のような施設が少ないことも、利便性の低さとして敬遠される要因になります。

  • 保育園や学校などの教育施設
  • 病院やクリニックなどの医療機関
  • スーパーやコンビニなどの買い物施設

ただ、利便性が多少悪くても悲観する必要はありません。「閑静で静かな環境」は、見方を変えれば立派な魅力です。実際に住んで感じた良さを、売り出し情報にしっかり盛り込んでみてください。

なお、一都三県から離れた地方の実家をどうすればいいのかというご相談も、私たちのもとには数多く寄せられます。弊社で買取が難しいエリアであれば、地域の不動産会社をご紹介することも可能ですので、まずは一度ご相談いただければと思います!

築年数が古く建物の状態が良くない

新築や築浅の物件ほど早く売れていくのは当然のことです。逆に築年数が古い家は、「住むには修繕費がかさみそう」「地震に弱そう」といった不安から、買い手に敬遠されがちです。

特に耐震性は気になるところですね。1981年6月1日より前に建築確認を受けた建物は「旧耐震基準」にあたり、現在の基準と比べて地震への強さに差があります。築年数ではなく、この建築確認日が分かれ目になる点は覚えておいてください。

正直、古い家の改修はハードルが上がっています。2025年の法改正により、木造2階建てなどは大規模な修繕に建築確認申請が必要になったのです。「とりあえずリフォームして住めばいい」が難しくなってしまいました。

とはいえ諦める必要はありません。部分的なリフォーム歴など状態の良さをアピールできる材料があれば、しっかり発信して買い手の不安を解消しましょう!

売り出し価格が相場に合っていない

価格が高すぎれば当然売れませんが、安すぎても売れない場合があるので注意が必要です。それぞれ理由を見ていきましょう。

まず高すぎるケース。少しでも高く売りたいという気持ちは当然ですが、相場から外れた価格では買い手はまず現れません。査定額が極端に高い不動産会社には要注意です。媒介契約を取りたいがために根拠の薄い高値を提示する、いわゆる「高預かり」という手法があるのです。高い査定額に飛びついてしまう前に、その根拠を確認することをおすすめします。

逆に安すぎる場合も問題です。相場から大きく外れた安値は、「事故物件なのでは」「違法建築なのでは」と買い手に不信感を与えてしまいます。値下げするにしても、相場観を踏まえた適切な価格設定が欠かせません。

需要が動くタイミングを見誤り、閑散期に高値で売り出してしまうのも、売れ残りの一因になるので気をつけたいところです。

内見対応・物件の印象が悪い

内見でチェックされているのは、物件そのものだけではありません。実は「この売主さんなら安心して取引できそうか」という視点も、買い手は無意識にチェックしているのです。物件に問題がなくても、対応がそっけなかったり、質問に真摯に答えてくれなかったりすると、それだけで印象は下がってしまいます。

さらに見落としがちなのが、物件自体の見せ方です。荷物が出しっぱなし、掃除が行き届いていない状態では、人が住んでいた生活感ばかりが目立ち、物件本来の魅力が伝わりません。

実は当社が買取の査定で現地調査を行う際も、まず見るのは室内の状態と外観の印象です。プロの目線でもそこが大きな判断材料になるくらいですから、一般の内見者が同じポイントを見ているのは当然ともいえますね。内見前にはひと通り片づけと掃除を済ませ、当日は一人ひとりに丁寧に向き合う。この積み重ねが、物件の魅力を正しく伝える近道になります!

売れない家を放置するとどうなる?リスクを解説

「どうせそのうち売れるだろう」と放置してしまうと、実は状況は静かに悪化していきます。資産価値の低下はもちろん、管理の手間や税負担まで、知らないうちに重なっていくのです。ここでは、売れない家を放置した場合に起こる3つのリスクを順番に見ていきましょう。

資産価値がさらに下がる

建物は時間が経つほど、経年劣化で商品価値を失っていきます。国税庁が定める木造住宅の法定耐用年数は22年とされており、築20年を超えるあたりから建物としての評価はほぼゼロに近づくのが実情です。

「もう少し待てば価値が上がるかもしれない」と期待される方もいますが、残念ながら値上がりが見込めるのは一部の都市部に限られます。需要の少ないエリアであれば、大規模な再開発でもない限り、待っていても状況は好転しません。むしろ今日が一番高く売れるタイミングなのです。

また、資産価値の下落は売却益にも直結します。売却代金を住宅ローンの返済に充てる予定であれば、価値が下がるほど手元に残るお金も減ってしまい、最悪の場合は完済できなくなるケースもあるので注意が必要です。

管理の手間・コストがかかり続ける

不動産は、人が住んでいなくても所有している限り管理責任から逃れられません。放置すれば台風で屋根が飛んで近隣に損害を与えたり、害虫や動物が住み着いたりと、思わぬトラブルに発展することもあります。

維持にかかる費用も、決して小さくありません。

  • 固定資産税・都市計画税
  • 水道代・電気代
  • 修繕費(屋根や外壁の傷み、庭木の手入れなど)

何もしなくても、これらの出費は毎年発生し続けます。

管理の基本は「定期的な換気と通水」です。水を出さないと排水口の封水が切れて臭いや虫の侵入につながり、換気を怠ると湿気で建物も傷みます。このひと手間を怠ると、空き家は想像以上のスピードで劣化してしまうのです。

管理不十分な状態が続けば、行政からの指導につながることもあります(詳しくは次の項目で)。手間もコストもかけ続けるなら、早めに手放す選択肢を検討する価値は十分にあるでしょう。

特定空き家に指定され固定資産税が上がる

空き家を放置して「特定空き家」に指定され勧告を受けると、固定資産税の軽減措置(住宅用地の特例)が外れてしまいます。よく「固定資産税が6倍になる」と言われますが、実はこれは正確ではありません。実際には負担調整措置が働くため、上限は固定資産税で約4.2倍、都市計画税で約2.1倍程度です。

区分固定資産税(評価額3,000万円の場合)
通常(住宅用地の特例あり)約7万円
特例が外れた場合(約4.2倍)約29.4万円

2023年の法改正では、特定空き家の一歩手前の「管理不全空き家」の段階でも、勧告を受ければ同様に特例が外れる対象になりました。「まだ大丈夫」と思っているうちに対象は広がっているのです。

特に再建築不可の空き家は注意が必要です。管理が行き届かないまま放置が続くと、5年ほどで資産価値がほぼゼロになるケースもあります。税負担が増えるだけでなく、売却できる間口そのものが狭まっていくのですね。

1年以上売れない家はどうすべき?判断の目安

「もう1年も経つのに、まだ売れていない」そんな状況に焦りを感じている方も多いのではないでしょうか?実は1年という期間には、判断を見直すべき一つの目安があります。ここでは、1年を区切りと考えるべき理由と、仲介を続けるか買取に切り替えるかの判断サインの2つを見ていきましょう。

「1年」を一つの区切りと考えるべき理由

「まだ焦る時期じゃない」と思っているうちに、時間だけが過ぎていくケースは本当に多いです。実務上の感覚として、売主様の後悔で圧倒的に多いのは「早く売っておけばよかった」という声なのです。早く売って後悔したという話は、ほとんど聞きません。

そもそも人は、何かきっかけがないとなかなか動けないものですよね。実際、所有者が売却を決断するのは、たいてい次のようなことが起きたタイミングです。

  • 近隣からクレームが来たとき
  • お盆や正月に親族が集まって話し合ったとき
  • 台風で雨漏りが心配になったとき

問題が起きてから慌てて動くより、自分で「1年」という区切りを先に決めておくほうが、はるかに落ち着いて判断できます。きっかけを待たず、自分のタイミングで動き出すことが何より大切です!

仲介を続ける・会社を変える・買取に切り替える、判断のサイン

1年経っても売れないとき、次の一手は大きく3つの選択肢に分かれます。どれを選ぶべきかは、今の状況によって変わってきます。

選択肢こんな状況なら検討しやすい動く前に確認すべきこと
今の会社のまま続ける内見の反響があり、具体的な改善提案も出ている次に見直すタイミングと判断基準
別の会社に変える報告や提案が乏しく、似た物件の実績も見えない媒介契約の残り期間・解約条件、他社の提案内容
買取に切り替える売却期限が迫っていて、金額より確実性を優先したい複数社の買取価格、引き渡し条件

迷ったときの判断基準はシンプルです。「時間をかけてでも高く売りたいのか」「確実性を優先したいのか」、この優先順位をまず自分の中ではっきりさせること。そのうえで、今の担当者が動いてくれているかどうかを冷静に見極めてみてください!

売れない家を売るためにできる改善策

「このまま待っているだけでいいのかな」と不安になったら、まずは売り方そのものを見直すタイミングかもしれません。価格や広告、内見対応など、ちょっとした工夫だけで反応が変わることは意外と多いのです。ここでは、売れない家を売るためにできる5つの改善策を見ていきましょう。

売り出し価格を相場に合わせて調整する

内見の問い合わせが少ないなら、まずは価格が相場からズレていないか確認しましょう。比較する物件は、同じ市区町村というだけでなく、駅からの距離や面積、築年数、間取りなどの条件をできるだけ近づけることがポイントです。

自分でも大まかな相場は調べられます。「市区町村名+坪単価」で検索すれば、だいたいの市場価格が把握できますし、SUUMOなどのポータルサイトで近隣の売り出し状況を見れば、肌感覚もつかめます。

ただし、値下げの根拠にするべきは、販売中の物件ではなく実際の成約事例です。不動産会社に類似物件の成約データを見せてもらい、その価格で売れる根拠と、価格を変えた場合の反響見込みをきちんと説明してもらいましょう。

なお、問い合わせが少ない原因は価格だけとは限りません。広告や内見対応に問題があれば、値下げしても反響は増えにくいので、あわせて次の項目も確認してみてください。

内覧時の印象をよくする

内見まで来ているのに話が進まないなら、大掛かりなリフォームより先に、清掃や整理整頓、当日の案内の仕方を見直してみましょう。

内見前にできることは次のとおりです。

  • 第一印象を左右する玄関を掃除する
  • 水回りやベランダ、庭をきれいにする
  • 家具や物を減らし、部屋を広く見せる
  • 収納の中も見せられる状態にしておく
  • ペット臭やたばこ臭、排水口のにおいをチェックする

当日は、事前の換気と全室の照明オンを忘れないようにしましょう。子どもやペットは可能なら一時的に預け、内見者が気兼ねなく質問できる雰囲気づくりを意識してください。

雨漏りや設備の不具合がある場合は、隠さず不動産会社に伝えることも大切です。住み慣れた自分の家への愛着は、内見者には関係ありません。思い出の詰まった空間でも、購入希望者の目線に立って準備することが、せっかくのチャンスを逃さないコツです。

広告の写真・訴求内容を改善する

どんなに良い物件でも、広告を見て「行ってみたい」と思ってもらえなければ内見にはつながりません。ポータルサイトや配布チラシに掲載されている写真・コメントを、まずは売主自身の目でチェックしてみましょう。

写真で特に重要なのは、室内をきちんと見せることです。外観や周辺施設の写真ばかりで室内写真が少ないと、「何か見せたくない事情があるのでは」と不安を与えてしまいます。

  • リビング・各居室・水回り・収納の写真があるか
  • 明るい時間帯に撮影されているか
  • 前面道路や駐車場の様子も写っているか

コメント欄も、「日当たり良好」のような抽象的な表現は要注意です。「南向きリビング」「駅徒歩○分」「○年に給湯器交換済み」など、具体的な事実に置き換えるだけで信頼度がぐっと上がります。掲載サイトの数やチラシの配布エリアも、一度不動産会社に確認してみてください。

不動産会社・媒介契約を切り替える

価格も広告も内見対応も改善したのに反響が変わらないなら、媒介契約や不動産会社そのものを見直すタイミングです。媒介契約には3種類あり、それぞれ自由度や報告義務が異なります。

媒介契約複数社への依頼自分で買主を見つける販売状況の報告義務会社を変える際の確認点
一般媒介契約可能可能なし明示型なら、追加契約した会社を既存の会社へ通知する
専任媒介契約1社のみ可能14日に1回以上契約期間・更新時期・途中解約費用
専属専任媒介契約1社のみ不可7日に1回以上契約期間・更新時期・途中解約費用

専任・専属専任の契約期間は3か月以内と決まっているので、途中で解約したい場合は、それまでにかけた広告費の扱いを契約書でチェックしておきましょう。

長く売れない原因が、そもそも不動産会社の「その土地での販売力不足」にあることも珍しくありません。大手は動きやすい物件を優先しがちで、売りにくい物件の経験値が溜まりにくい傾向があります。次の会社を選ぶ際は査定額だけでなく、周辺の類似物件を実際に売った実績まで比較してみてください!

インスペクション・瑕疵担保保険で安心感を加える

「インスペクション」とは、建築士などの専門家が建物の劣化状況や欠陥の有無を調査し、合否を判定する仕組みです。調査対象は、構造耐力に関わる基礎・柱・梁などの安全性、屋根や外壁からの雨漏り・水漏れの有無、給排水管の劣化具合などが中心になります。

調査項目主な確認箇所
構造の安全性基礎・柱・梁・床・土台
雨漏り・水漏れ屋根・外壁・サッシ・天井
配管の劣化給水管・排水管・換気ダクト

結果が「合格」であれば、買い手は安心して購入を決めやすくなります。不合格でも、どこを・いつ・いくらで直すべきかが明確になるので、修繕してから売り出す判断材料にもなります。費用相場は5万円程度が目安です。

売れない家の処分方法(買取・解体・賃貸など)

仲介での販売がうまくいかない場合でも、諦める必要はありません。買取や解体、賃貸活用など、手放し方や活かし方には実はいくつもの選択肢があります。ここでは、売れない家を処分する7つの方法を、それぞれのメリットとあわせて見ていきましょう。

専門の買取業者に売却する

買い手を探して待つのではなく、不動産会社に直接買い取ってもらうのが「買取」です。仲介のように内見対応や交渉を重ねる必要がなく、確実に・早く手放せるのが最大のメリットです。

ただし、仲介よりも売却額は下がる傾向にあります。買取業者はリフォームなどを行ったうえで再販して利益を得る仕組みのため、その分のコストが価格に反映されるからです。

とはいえ、「魅力に乏しい」と判断された物件でも、活用のノウハウを持つ専門業者であれば買い取れるケースは少なくありません。当社のような専門買取業者であれば、片付けやリフォームをせず現況のまま、最短1週間ほどで現金化することもできます。遠方の実家で内見対応が負担という方にとっても、手間がかからないのは大きな利点といえるでしょう。詳しいメリットは、このあとの項目でさらに詳しくご紹介します。

解体して更地にする

古い建物が残っていると、それ自体が買い手にとってマイナス材料になることがあります。解体して更地にすれば、買い手は自由に活用方法を描けるようになり、売れやすくなるケースもあります。

ただし、注意点も3つあります。

  • 解体費用の分、手取りが目減りする
  • 住宅用地の特例が外れ、固定資産税が上がる
  • 再建築不可物件は、解体すると建て替えができなくなる

解体費用は、木造であれば坪5万〜7万円程度が目安です。更地の売却額より解体費用が上回れば赤字になってしまうので、事前の見積もりは欠かせません。自治体によっては解体費用の補助金制度を設けていることもあるので、窓口に確認してみる価値はあります。

賃貸として活用する

「売れないなら貸してしまおう」と考える方も多いでしょう。実際、立地次第では安定した家賃収入が期待できる選択肢です。賃貸需要があるかどうかは、SUUMOなどのポータルサイトで近隣の募集状況や賃料を調べると、おおよその感覚はつかめます。

ただし、運用は見た目ほど簡単ではありません。外壁の塗り替えや設備の入れ替え、広告費など、継続的に住んでもらうための費用は決して小さくありません。

民泊やシェアハウスとして活用する方法を紹介されることもありますが、実際のところ、融資が組みにくく現金で買える投資家に対象が絞られてしまうぶん、収益化のハードルは高めです。堅実に収益を狙うなら、ファミリー層に安定した需要がある戸建賃貸がもっとも手堅い選択肢といえます。

それでも、修繕計画や入居者募集には専門知識が必要なので、管理会社や賃貸運用に強い専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

隣地所有者に声をかける

「隣の土地は借金してでも買え」と言われるほど、隣地には特別な価値があります。土地の形が整ったり、接道条件が良くなったり、将来の建て替え時に活用できる土地が広がったりと、単独所有では得られないメリットがあるからです。実際、隣地に声をかけたことで、売れないと思っていた物件が動き出すケースもあります。

当社でも、再建築不可の物件を買い取ったあとに隣地の方へ買取を打診することがあります。たとえば横浜市中区の事例では、単独では再建築不可でゴミ屋敷状態・傾きのある老朽物件を、隣地の所有者と粘り強く交渉し両地を一括取得。接道要件をクリアして再建築可能な土地として再生した実績があります。

ただし、隣地にとってメリットがあるかどうかは、先方の資産状況にも左右されるため、実務上は断られることも少なくありません。それでも、売却の選択肢の一つとして、早い段階で一声かけてみる価値は十分にあります。

自治体や法人に寄付する

「お金はいらないので、とにかく手放したい」と考える方もいるでしょう。寄付や譲渡という選択肢もありますが、実際にはハードルが低くありません。

まず自治体への寄付です。自治体にとって不要な物件を引き取るメリットはほとんどありません。固定資産税の税収がなくなるうえ、むしろ管理コストを自ら負担することになるからです。公共性の高い物件でない限り、基本的には断られると考えておきましょう。

個人や法人への譲渡を考える場合は、税金に注意が必要です。

  • 法人に無償で譲渡すると、譲渡する側に譲渡所得税(みなし譲渡課税)がかかる
  • 個人に無償で譲渡すると、受け取る側に贈与税がかかる可能性がある
  • 名義変更の際には、いずれも登録免許税がかかる

「お金をもらわないから税金もかからない」というのは誤解なのです。トラブルを避けるためにも、譲渡を進める前に税理士などの専門家へ相談しておくと安心です。

空き家バンクに登録する

空き家バンクは、自治体が運営する「売りたい・貸したい」人と「買いたい・借りたい」人をつなぐマッチングサービスです。不動産会社が扱わないような物件も載っているため、掘り出し物を探す方の目に留まる可能性はあります。

ただし、実務上は空き家バンク経由で実際に売れたという話はほとんど聞きません。自治体はあくまで情報提供の場を用意しているだけで、販促活動や売れなかったときの保証をしてくれるわけではないからです。

さらに注意したいのは、売主・買主が直接やり取りするケースが多い点です。不動産の知識がないまま交渉を進めると、価格や契約条件で損をしてしまうリスクもあります。登録自体は無料で手間もかからないので、選択肢の一つとして試す価値はありますが、まずは専門業者に相談したうえで、あくまで補助的な手段として使う程度にとどめておくのがおすすめです。

相続放棄・相続土地国庫帰属制度を使う

「そもそも相続したくない」という場合は、相続放棄や相続土地国庫帰属制度という選択肢もあります。

相続放棄は、不動産だけを手放せるわけではなく、預貯金などすべての資産を放棄することになる点に注意が必要です。たとえば現金500万円と処分に困る不動産を相続するケースで、相続放棄をすれば手残りは0円ですが、専門業者に有償で200万円支払って引き取ってもらえば、手残りは300万円になります。「売れない=相続放棄」と決めつける前に、資産全体で計算してみることをおすすめします。

2023年4月に始まった相続土地国庫帰属制度は、相続した土地を国に引き取ってもらう制度です。ただし建物が残っていると申請自体ができず、解体して更地にする必要があります。さらに10年分の土地管理費相当額(宅地は原則20万円〜)の負担金のほか、土壌汚染や崖がないことなど複数の要件もあり、誰でも使える制度ではありません。

売れない家を手放す前に確認しておきたいこと

いざ売却を進めようとしたときに、書類や権利関係の不備で足止めされるのはよくある話です。思わぬところでつまずかないよう、事前にチェックしておきたいポイントがあります。ここでは、売却前に確認しておきたい3つのことを見ていきましょう。

相続登記・名義変更が完了しているか

空き家を相続したら、まず確認したいのが名義変更(相続登記)です。名義が亡くなった方のままだと、買い手から見て誰が本当の売主なのか分からず、そもそも取引を進められません。

相続登記は、2024年4月から義務化されています。正当な理由なく取得から3年以内に申請しないと、10万円以下の過料の対象になる可能性があるのです。ただ現場の実感としては、義務化後も未了のままの方は依然として多く見られます。

共有者が複数いる場合は、遺産分割協議に時間がかかりがちなので、早めに着手しておくことが肝心です。なお、相続登記と売却時の所有権移転登記を同じ司法書士に任せると、経緯や必要書類をすでに把握しているぶん、手続きがスムーズに進みやすくなります。

境界が確定しているか

隣地や道路との境界があいまいなままだと、売却の際に思わぬ足かせになります。一般的な仲介での売買では、買主側からすべての境界が確定していることを条件として求められるケースがほとんどです。

売却前にチェックしておきたいポイントは次のとおりです。

  • 隣地との境界に、境界標など動かぬ証拠があるか
  • 道路との境界(道路査定)が済んでいるか
  • 庭木や塀など、越境しているものがないか

境界が未確定なら、隣地所有者や自治体立ち会いのもとで測量する「確定測量」が必要で、相応の費用と時間がかかります。越境がある場合も、売却前にその扱いを整理しておくと、契約後のトラブルを防げます。

告知すべき事項を隠していないか

雨漏りや設備の故障、過去の近隣トラブルなど、売主にとって不利に思える情報ほど、つい黙っておきたくなるものです。ですが、こうした事実は自己判断で隠さず、不動産会社へ伝える必要があります。

契約後に不具合が発覚すると、売主が「契約不適合責任」を問われ、損害賠償や契約解除を求められるおそれがあるからです。黙っていたことが後から発覚すれば、信頼問題にも発展しかねません。

隠すメリットは何一つなく、告知を徹底することが、結果的にトラブルのない取引への一番の近道になります。なお、こうした不具合リスクをまるごと引き受けてくれる契約不適合責任免責の買取という選択肢もあるので、気になる方は後ほど紹介する内容もあわせてご覧ください。

売れない家の処分でやりがちなNG行動

早く手放したいという焦りから、かえって状況を悪化させてしまう行動をとってしまう方も少なくありません。良かれと思ってやったことが、実は逆効果だったというケースもよくあります。ここでは、売れない家の処分でやりがちな4つのNG行動を見ていきましょう。

売却前に家を解体してしまう

「古い建物があると売れないから」と、相談前に解体してしまうのは早計です。解体には当然費用がかかりますし、更地にすると住宅用地の特例が外れて固定資産税が上がってしまうことも見落とされがちです(詳しくは前の章で解説したとおりです)。

特に注意したいのが再建築不可物件です。再建築不可の土地は、建物を解体すると二度と建て替えができなくなります。「古くて危ないから」と先に壊してしまうと、本来なら使い道があったはずの建物を、自ら手放してしまうことになりかねません。

解体するかどうかは、売却の見通しが立ってから判断するのが基本です。迷ったら、壊す前に一度専門業者へ相談してみてください!

売れない理由を突き止めずに空き家にしてしまう

「内覧の日程調整がしやすくなるから」と、深く考えずに先に引っ越して空き家にしてしまうのは要注意です。空室であれば生活感を気にせず見せられる一方、引っ越し先の家賃や管理の手間といった新たな負担が発生します。居住中のままのほうが、家具の配置から暮らしのイメージが伝わりやすいという利点もあります。

それに、空き家は放置するほど傷みが早まります。当社に寄せられるご相談の中にも、空き家期間5年でも週1回窓を開けて風通しをしていた方と、半年放置しただけの方とで、傷み方にびっくりするほど差が出たケースがあります。

空き家化を検討するのは、「内覧に立ち会える日が極端に少ない」「荷物が多くて室内を見せられない」など、それで本当に問題が解決する場合に限りましょう。

相場の裏付けがないまま大幅に価格を下げてしまう

「とにかく安くすれば売れるはず」と、勢いで大幅な値下げに踏み切ってしまうのは避けたいところです。問い合わせが少ない原因が、実は広告や内見対応にあるケースも多く、その場合は値下げだけでは状況が変わりません。

値下げを検討する前に、類似物件の成約価格や競合物件の価格、問い合わせ数の推移を確認しましょう。そのうえで、どこまで下げれば手取りがいくらになるのかを具体的にシミュレーションしておくことが大切です。不動産会社に、こうしたデータをもとにした根拠を説明してもらうと、判断の材料になります。

一度大きく下げた価格は、あとから元に戻すのが難しいものです。感覚ではなく、データに基づいて慎重に判断しましょう。

売却前に自己判断でフルリフォームしてしまう

「リフォームすれば高く売れるはず」と、売り出し前に大掛かりな工事をしてしまうのは要注意です。かけた費用がそのまま売却価格に上乗せできるとは限りません。

特に投資用として購入を検討する層は、自分なりの賃貸運営プランや内装の好みを持っていることが多く、売主が先回りしてリフォームしてしまうと、かえってその意図とズレてしまい、せっかくの工事費用が無駄になることもあります。

まずは清掃や軽微な補修だけで印象が改善しないか試してみましょう。本格的な工事を検討する場合も、現状のまま売る場合とリフォーム後に売る場合の査定価格の差が、工事費用に見合うかを事前に比較してから判断することをおすすめします。

売れない家は専門の買取業者に相談するのがおすすめな理由

ここまで紹介してきた改善策を一通り試しても状況が変わらないなら、価格や見せ方ではなく、物件自体に訳あり物件としての要因が隠れている可能性が高いといえます。そんなときこそ頼りになるのが、専門の買取業者です。ここでは、売れない家を買取業者に任せるべき4つの理由を見ていきましょう。

最短1週間で現金化・提示額通りに売却できる

買取の大きな魅力は、提示された査定額がそのまま売却額になるという確実性です。仲介の査定額はあくまで「売れる見込み」の金額であり、実際には値下げ交渉で下がることも珍しくありません。一方、買取はプロである業者自身が買うため、提示額から大きく減額されることはまずありません。

スピード面も強みです。当社では必要書類がそろい、司法書士による本人確認が完了すれば、最短1週間での決済も可能です。実際に、施設への入居費用が急ぎで必要という理由で、1週間で決済まで進んだケースもあります。

「とにかく早く、確実に手放したい」という方にとって、金額と期間の両方に見通しが立つのは大きな安心材料になるはずです!

仲介手数料0円・契約不適合責任も免責

買取は、当社が直接の買主になる取引です!仲介を挟む一般的な売却と比べると、費用とリスクの両面で大きな差があります。

項目仲介で売却する場合当社の買取
仲介手数料売却価格に応じて発生0円
引き渡し後の不具合対応売主が契約不適合責任を負うことがある免責

仲介手数料がまるごと不要になるのは、手残り額に直結する大きなメリットです。中間マージンや広告費がかからないぶん、買取価格にも還元しやすくなります。

もうひとつの安心材料が、契約不適合責任の免責です。古い家や訳あり物件は、引き渡し後に雨漏りや配管トラブルが見つかることも珍しくありません。当社ではこの責任を免除する取引を標準にしているので、引き渡した後に「何か言われるのでは」と不安を抱える必要がないのです。

残置物そのまま・解体不要の現況買取

一般的な売却では、売主側にもやるべきことがいろいろあります。

  • 境界を確定させるための測量
  • 家財道具など残置物の撤去
  • ご近所への挨拶まわり

当社の買取では、こうした準備を一切求めません。残置物が残ったままでも、ゴミ屋敷の状態でも、建物が傾いていても、今ある状態そのままで買い取ります。片付けも掃除も不要で、追加費用もかかりません。

解体についても同様です。古い建物をそのままにしておいて構わないので、解体費用を自分で負担する必要もありません。売買契約と決済を同日に行うことも可能なので、「とにかく今の状態のまま、早く手放したい」という方にとって、負担の少ない選択肢になるはずです。

避けるべき買取業者の見分け方

買取業者の中には、最初だけ高い金額を提示して訪問のアポイントを取り、実際に会ってから減額するという手口を使う会社も残念ながら存在します。査定額の高さだけで飛びつかず、その金額の根拠をきちんと説明してもらうことが大切です。

見分けるポイントは、主に次の3つです。

  • 契約を急がせる、焦らせるような営業をしてこないか
  • 査定額の根拠を具体的に説明してくれるか
  • 同じようなエリア・物件タイプでの買取実績が豊富か

訳あり不動産には決まった相場がなく、査定額の差はその会社がどれだけ場数を踏んできたかに左右されます。複数社に相談する際は、金額だけでなく、こうした説明の丁寧さや実績まで見比べて選ぶようにしてください。

株式会社フィリアコーポレーションの対応実績数まとめ

種別対応実績数
空き家157件
再建築不可98件
長屋・連棟64件
共有持分27件

※2026年11月時点

売れない家に関するよくある質問

ここまで解説してきた内容と重なる部分もありますが、改めて多くの方から寄せられる疑問に、結論から簡潔にお答えします。検索で気になった疑問をお持ちの方は、ここだけ読んでいただいても大丈夫です。売れない家に関するよくある6つの質問を見ていきましょう。

売れない家を手放すにはどうしたらいいですか?

まずは価格・広告・内見対応に問題がないか見直すのが基本です。類似物件の成約価格と比較し、写真や説明文、内見可能な日程も確認しましょう。それでも反響が変わらなければ、仲介にこだわらず専門の買取業者へ相談するのも一つの手です。現況のまま、最短1週間ほどで現金化できるケースもあるので、一度状況をお聞かせください。

1年以上売れない家はどうなる?

放置するほど資産価値は下がり、管理の手間やコストも増え続けます。特定空き家に指定されれば、固定資産税の軽減特例が外れて負担が増えることもあります。1年を一つの区切りとして、価格や不動産会社の見直し、買取への切り替えなどを検討しましょう。まずは現状の反響状況を整理するところから始めてみてください。

価値のない家を相続すると、税金はかかりますか?

固定資産税・都市計画税は、建物の資産価値の有無にかかわらず、所有している限り毎年発生します。一方で相続税は、遺産全体が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超える場合にのみ課税されるため、不動産単体の価値だけでは判断できません。他の財産とあわせて、税理士に確認しておくと安心です。

実家じまいをするのに、費用はどのくらいかかりますか?

解体費用は木造で坪5万〜7万円程度、残置物の撤去費用は一般的な戸建てで50万円程度、ゴミ屋敷状態だと100万〜200万円程度が目安です。これらに加えて境界確定のための測量費がかかることもあります。買取であれば、こうした費用をかけずに現況のまま手放すことも可能なので、費用面が心配な方は相談してください!

実家が空き家になった場合、放置するとどうなりますか?

建物の劣化や資産価値の低下に加え、近隣トラブルや特定空き家指定による固定資産税の増額といったリスクが生じます。放置期間が長引くほど修繕費もかさみ、売却価格も下がりやすくなるため、管理が難しい場合は早めに売却を含めた対応を検討することをおすすめします。定期的な換気や通水だけでも傷み方は変わります。

今は家が売れない時代って本当ですか?

全国の空き家は約820万戸、空き家率は13.5%にのぼり、立地やエリアによる二極化は進んでいます。ただし、需要のあるエリアや物件は今も問題なく売れており、「家全般がまったく売れない時代」とは言い切れません。売れにくい事情がある物件ほど、早めに専門業者へ相談するのが結果的に近道になります。

まとめ|売れない家は放置せず、早めの行動を

ここまで、家が売れない理由から改善策、処分方法、専門業者に相談するメリットまで解説してきました。状況別に取るべき行動を整理すると、次のようになります。

状況おすすめの行動
売り出してまだ間もない価格・広告・内見対応を見直す
1年以上売れていない媒介契約や不動産会社を見直す、または買取を検討する
相続した実家で困っている相続登記や境界を確認し、買取・空き家バンクなどと比較する
とにかく早く・確実に手放したい専門の買取業者に相談する

当社にご相談いただく方の多くが口にされるのは、「早く動いておけばよかった」という後悔です。悩んでいる間にも、建物は傷み、資産価値は下がり、相続が重なれば共有者も増えていきます。「まだ大丈夫」と先延ばしにするほど、選択肢は狭まっていくのです。

だからこそ、誰かに任せきりにせず、今この記事を読んだあなたが、まず一歩を踏み出してみてください。残置物が残ったままでも、建物が古くても、権利関係が複雑でも、当社は現況のまま、無料査定でお話を伺います。秘密厳守で、匿名でのご相談も歓迎です。あなたの家にとっての最善の出口を、一緒に見つけていきましょう!

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監修者
越川直之

越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)

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訳アリ不動産1,000件以上の相談実績を持つ、空き家・再建築不可・長屋・共有持分の専門家。株式会社フィリアコーポレーション代表取締役。現場経験に基づき、訳アリ不動産売却の正しい知識を監修しています。

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