コラム記事

空き家を再生させる「社会貢献」に興味がありますか?【アンケート結果発表】

公開日 2026年6月2日

最終更新日 2026年6月2日

監修者
越川直之

越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)

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訳アリ不動産1,000件以上の相談実績を持つ、空き家・再建築不可・長屋・共有持分の専門家。株式会社フィリアコーポレーション代表取締役。現場経験に基づき、訳アリ不動産売却の正しい知識を監修しています。

近年、日本国内で深刻化している「空き家問題」。親から実家を相続したものの、「古すぎて売れない」「遠方に住んでいて管理ができない」といった理由から、やむを得ず放置されてしまうケースが後を絶ちません。放置された空き家は、景観の悪化だけでなく、倒壊の恐れや防犯上のリスクなど、地域社会全体に深刻な影響を及ぼします。

その一方で、こうした空き家をネガティブな「負動産」として捉えるのではなく、リノベーションなどによって再生させ、社会に役立てる「社会貢献」への関心が高まっています。

今回は、全国の男女500名を対象に「空き家を再生させる社会貢献に関する意識調査」を実施しました。本記事では、調査結果を詳しく分析するとともに、空き家専門家の視点から、眠っている不動産を地域の資産へと生まれ変わらせる具体的な解決策を解説します。の影響と対策」について詳しく解説します。

  • 調査対象: 全国の男女
  • 調査期間: 2026年5月15日~16日
  • 調査機関: 自社調査
  • 調査方法: インターネットによる任意回答
  • 有効回答数: 500人(女性243人/男性257人)

空き家を再生させる「社会貢献」に興味がありますか?

調査の結果、「興味がある」が24.2%、「どちらかというとある」が41.8%となり、合わせて66.0%と6割以上の人が空き家再生を通じた社会貢献に対して肯定的であることが分かりました。

かつてのように「古い家は壊して新しく建てる」というスクラップ&ビルドの時代から、既存の建物を大切に活かし、地域社会や環境に配慮した選択をしたいと考える人が多数派となっていることが窺えます。

興味があると答えた理由

多くの人々が空き家再生による社会貢献に興味を抱いているのでしょうか。「興味がある」「どちらかというとある」と回答した330名にその理由を聞きました。それぞれの背景を分析し、プロの見解を交えて解説します。

1位:「直して使う」文化を広めたい(38.8%)

最も多かった理由は「『直して使う』文化を広めたい」という意見でした。物を大切にする日本の伝統的な精神や、環境保護への意識が色濃く反映された結果と言えます。

【プロの見解】新築至上主義から既存住宅を循環させる社会への移行は、資源の有効活用や廃棄物削減の観点から非常に意義があります。建て替えができない「再建築不可物件」であっても、構造や基礎を活かして適切なリノベーションを施すことで、居住用や投資用資産として十分に再生・再利用が可能です

2位:安く住める場所を提供したい(27.3%)

次に多かったのが、住宅困窮者や若い世代、投資家に向けた「手頃な住まい」の提供を望む声です。空き家を安価な賃貸住宅として再利用することは、住まいの選択肢を広げる素晴らしい社会貢献です。

【プロの見解】 古い空き家や隣家と壁が繋がっている長屋(連棟住宅)は、住宅ローンの審査が通りにくく一般市場では売りづらい傾向にあります。しかし、これらを綺麗にリフォームして蘇らせることで、手頃な家賃で住める場所を求める人や、賃貸運用を目的とする投資家へのマッチングがスムーズになり、地域の住環境の流動性を高めることができます。

3位:有効活用してほしい(18.2%)

自身では活用できないものの、誰かに意味のある形で使ってほしいという切実な願いが背景にあります。

【プロの見解】 有効活用したいと考えても、自力で解体費用を工面したりリフォームを施したり、あるいは室内の膨大な荷物(残置物)を処分したりするのは経済的・時間的に大きな負担となります 。このような場合、荷物やゴミの撤去、隣人との交渉、売却後の責任(契約不適合責任)の免除を含めてそのまま引き受けてくれる「現況のまま直接買い取る専門業者」へ相談することが、手間のない最も合理的な解決策となります 。

4位:地域の景観を保ちたい(10.9%)

空き家が長年放置されると、庭木や雑草が生い茂り、外壁のひび割れなどによって街全体の美観や資産価値を損ねてしまいます。近隣住民への配慮から、景観の維持を重要視する声も目立ちました。

【プロの見解】 遠方で定期的な管理ができない、あるいは見回りの維持コストが重いといった状況を放置すると、物件の状態は悪化し近隣クレームに発展します。トラブルが表面化する前に専門の不動産会社に直接買い取ってもらうことで、結果として周囲の良好な住環境や景観の維持に貢献することができます。

5位:廃墟があるのが嫌(4.8%)

防災・防犯上の観点から、身近に管理されていない「廃墟」が存在することへの強い危機感や不快感を示す意見です。

【プロの見解】適切に管理されていない空き家は、法改正によって「管理不全空き家」などに指定され、土地の固定資産税が最大6倍に跳ね上がるリスクがあります。また、放置された廃墟は放火や不法投棄、不審者の侵入といった犯罪を誘発しやすいため、地域社会にとっても深刻な問題です 。老朽化やゴミ屋敷化が進んだ物件であっても、適切なリフォームや解体、複雑な権利関係の整理を進めて速やかに放置状態を解消することが、街の安全性を高め、地域の防災・防犯機能の向上に直結します。

まとめ:空き家再生がもたらす社会貢献と未来への意義

  • 「直して使う」循環型社会への高い関心:アンケートでは6割以上が空き家再生を通じた社会貢献に興味を示しており、既存の建物を手入れして長く大切に使う文化への共感が広がっています。
  • 地域社会の住環境の向上と選択肢の拡大:空き家を適切に再利用することは、手頃な住まいの確保や周囲の景観維持につながり、地域全体の住みやすさを高めることに直結します 。
  • 放置がもたらす防犯・防災上の社会的リスク:管理されない建物の放置は、放火や不法投棄などの治安悪化を招くほか、法改正による固定資産税の増税リスク(最大6倍)にもつながるため、早期の解消が求められます 。
  • 個人の負担解消からまちづくりへの貢献へ:適切な活用や処分を進めることは、所有者自身の管理の手間や不安を無くすだけでなく、次世代へ安全な街を繋ぐ立派な社会貢献となります 。

空き家をどのように扱うかは、周囲の住環境やこれからの地域社会にとっても大切な選択です。もし所有している空き家のことで少しでも不安や悩みを抱えているなら、まずはその物件が持つ価値や、活用できる選択肢を客観的に知ることから始めてみませんか。

一人で抱え込まずに専門的な知識を持つプロに相談し、無料の査定を依頼してみるだけでも、これからの維持管理の手間や税金のリスクを解消し、前向きな一歩を踏み出すきっかけになるはずです。

当コンテンツの運営、執筆は株式会社フィリアコーポレーションが行っています。 詳細は、コンテンツ制作ポリシープライバシーポリシーを参照ください。

監修者
越川直之

越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)

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