訳アリ不動産1,000件以上の相談実績を持つ、空き家・再建築不可・長屋・共有持分の専門家。株式会社フィリアコーポレーション代表取締役。現場経験に基づき、訳アリ不動産売却の正しい知識を監修しています。
コラム記事
親が亡くなったらやることリスト|手続きの順番・期限と、実家が空き家になる前にすべきこと
公開日 2026年7月1日
最終更新日 2026年7月2日
越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)
代表ブログへ本記事のまとめ
- 親の死後、7日以内の死亡届や14日以内の年金・保険手続き、10か月以内の相続税申告など、期限別タイムライン
- ATMから独断で出金するリスク、実家だけを部分的に相続放棄することはできないという注意点
- 空き家のまま放置すると、建物の劣化を早めるだけでなく、固定資産税が最大6倍に跳ね上がるリスク
- 相続登記の放置による罰則や、共有名義のまま世代交代が進むと、将来的に売却の合意形成が極めて困難に!
- 実家が空き家に!他社で断られる訳あり不動産でも、フィリアコーポレーションなら現況のまま買い取ります。
親が亡くなった直後は、深い悲しみの中にいる時間さえ十分に取れないほど、やるべきことが次々と押し寄せてきます。死亡届の提出や葬儀の準備に始まり、年金・保険の手続き、銀行口座の凍結、相続税の申告、実家の問題まで、期限が決まっているものも多く、「何から手をつければいいのか分からない」と戸惑う方がほとんどです。
本記事では、親が亡くなった直後から行う手続きを期限別に整理するとともに、実家が空き家になる前に知っておきたい注意点や、売却・活用の選択肢まで、現場の実務に基づいて分かりやすく解説します。一つずつ順番に読み進めていただければ、今やるべきことが必ず見えてきますので、ご安心ください。
目次
- 1 親が亡くなったら何から始める?やることの全体像
- 2 【7日以内】親が亡くなったらすぐにすること
- 3 【14日以内】親が亡くなったらすることリスト
- 4 親が亡くなったら銀行口座はどうなる?凍結前にすべきこと
- 5 親が亡くなったら、遺産相続・相続放棄の判断は何を見て決める?
- 6 【親が亡くなったら】相続した不動産で見落としがちな注意点
- 7 【実家に関して】親が亡くなったらしてはいけないこと
- 8 親が亡くなった後の税金の手続き
- 9 親が亡くなった。手続きを後回しにするとどうなる?放置のリスク
- 10 親が亡くなったら困ったときの相談先|役所・士業・不動産の専門業者の使い分け
- 11 親が亡くなったら実家に関するよくある質問
親が亡くなったら何から始める?やることの全体像
行政手続きには期限が決まっているものが多く、優先順位を間違えると後々の手続きに支障が出ることもあります。まずは全体の流れを把握しておくことが大切です。
親が亡くなった後の手続き順番|期限ごとのチェックリスト
親が亡くなると、死亡届の提出(7日以内)から始まり、世帯主変更、年金や保険の手続き、相続税の申告(10ヵ月以内)まで、やるべきことが目白押しです。気持ちの整理がつかないうちに、役所・銀行・専門家への対応が一気に押し寄せるため、まずは期限の近いものから順に整理することが大切です。
親が亡くなると、死亡届の提出(7日以内)から始まり、世帯主変更、年金や保険の手続き、相続税の申告(10ヵ月以内)まで、やるべきことが目白押しです。気持ちの整理がつかないうちに、役所・銀行・専門家への対応が一気に押し寄せるため、まずは期限の近いものから順に整理することが大切です。
【7日以内】親が亡くなったらすぐにすること
親が亡くなった直後は、悲しむ時間もないまま葬儀の手配が始まり、同時に行政手続きも動き出します。この最初の7日間は、その後のすべての手続きの「起点」となる期間です。何から始めればいいのか分からなくても、順番に対応していけば必ず乗り越えられます。まずは以下の3つを押さえておきましょう。
- 死亡届・死亡診断書の提出
- 火葬・埋葬許可証の申請
- 遺言書の有無の確認はできるだけ早めに
死亡届・死亡診断書の提出
親が亡くなったら、死亡届は7日以内に提出する義務があります。死亡届は、医師から発行される死亡診断書(または死体検案書)と一体になった用紙で、亡くなった方の本籍地・死亡地、または届出人の住所地のいずれかの役所に提出します。多くの場合、葬儀社が提出を代行してくれるので、まずは葬儀社に相談すると安心です。
この死亡届を提出しないと、火葬許可証も発行されず、その後の年金停止や口座凍結といった一連の手続きにも進めません。つまり、すべての手続きの起点になる、いちばん最初のステップです。ご家族が亡くなった直後はショックで何も考えられない状態だと思いますが、ご安心ください。葬儀社のスタッフが手順を丁寧に教えてくれますので、まずは流れに沿って一つずつ進めていけば大丈夫です。
火葬・埋葬許可証の申請
死亡届を提出すると同時に申請するのが、火葬許可証です。これがなければ火葬場で火葬を行うことができません。役所の窓口で死亡届と一緒に申請すれば、その場で発行されるケースが多く、葬儀社が代行してくれることも一般的です。
火葬が終わると、火葬場から「火葬済み」の印が押された許可証(埋葬許可証)が返却されます。この埋葬許可証は、お墓に納骨する際に必要になるため、紛失しないよう保管しておきましょう。後から実家の整理を進める際にも、戸籍関連の書類は何度も使うことになります。
遺言書の有無の確認はできるだけ早めに
火葬の手続きと並行して進めておきたいのが、遺言書の有無の確認です。遺言書があるかどうかで、その後の相続手続きの進め方が大きく変わってきます。自筆証書遺言は自宅の金庫や引き出し、公正証書遺言であれば公証役場、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用していれば法務局に確認することができます。
遺言書が見つかった場合、自筆証書遺言(法務局保管以外)は家庭裁判所での「検認」という手続きが必要になる点に注意してください。検認前に開封してしまうと罰則の対象になることもあるため、慌てて開けないようにしましょう。実家が再建築不可物件や共有持分など、訳あり不動産に該当する場合は、遺言書の内容次第で相続人同士の話し合いの難易度も変わってきます。早い段階で専門家に相談しておくと、後の手続きがスムーズに進みやすくなります。
【14日以内】親が亡くなったらすることリスト
7日以内の手続きが落ち着いたら、次は住民票・年金・保険まわりです。14日という期限は意外と早く来ます。葬儀後の慌ただしさが続くうちに、忘れずに対応しておきたいのが以下の2つです。
- 世帯主変更届の提出
- 年金受給停止はいつまで?健康保険の資格喪失手続き
世帯主変更届の提出
亡くなった親が世帯主だった場合、世帯主変更届を14日以内に役所へ提出する必要があります。ただし、残された世帯員が1人だけの場合や、次の世帯主が明確な場合(例えば配偶者と未成年の子のみの世帯など)は、届出が不要になるケースもあります。お住まいの自治体の窓口で確認するのが確実です。
この手続きは住民票に関わるものなので、後々の行政手続きで住民票の写しが必要になった際にも影響してきます。実家が遠方にあり、親と世帯が別だった場合は、この届出自体は不要なケースが多いですが、代わりに実家側の今後の管理(誰が住むのか、空き家にするのか)について早めに方針を決めておくことをおすすめします。空き家のまま放置する期間が長くなるほど、老朽化が進み、売却や活用の選択肢が狭まっていくためです。
年金受給停止はいつまで?健康保険の資格喪失手続き
年金を受給していた親が亡くなった場合、年金受給停止の手続きは、国民年金で14日以内、厚生年金で10日以内が目安です。手続きを行わずに年金を受け取り続けてしまうと、後から「未支給年金」として返還を求められるケースがあるため、早めの対応が必要です。同時に、未支給分の年金がある場合は「未支給年金請求」の手続きで遺族が受け取れることもあります。
健康保険についても、国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合は資格喪失の手続きが必要です。会社の健康保険(社会保険)に加入していた場合は、勤務先が手続きを行うのが一般的です。これらの手続きは年金事務所や役所の窓口で同時に進められることが多いので、まとめて済ませてしまうと効率的です。「手続きが多くて大変ですよね」と感じる方がほとんどですが、一つずつ片付けていけば必ず終わりますので、ご安心くださいね!
親が亡くなったら銀行口座はどうなる?凍結前にすべきこと
親の死亡は、いずれ金融機関にも伝わり、口座が凍結されます。「お金を引き出してもいいのか」「凍結されたらどうすればいいのか」と戸惑う方も多いですが、正しい手順を知っておけば慌てずに対応できます。
- 死亡後にATMからお金を引き出すのは問題ない?
- 凍結後に口座を引き継ぐための必要書類
死亡後にATMからお金を引き出すのは問題ない?
親が亡くなった直後、葬儀費用などの支払いのために「死亡後でもATMからお金を引き出してよいのか」と悩む方は少なくありません。結論として、金融機関が死亡を把握する前であれば、ATMでの引き出し自体は技術的に可能です。しかし、これは相続人全員の同意を得ていない状態で行うと、後々の遺産分割協議でトラブルの火種になりかねない行為でもあります。
特に相続人が複数いる場合、「誰かが勝手にお金を使った」という疑念は、その後の話し合いをこじらせる典型的なパターンです。不動産の相続でも同様で、共有持分(複数人で1つの不動産を所有する状態)になった実家を、誰の断りもなく動かしてしまうと、深刻な対立に発展することがあります。弊社が扱った目黒区八雲の案件では、共有者の一人に物件を独占される形で長年身動きが取れなかった共有持分40%を、誠実な交渉の末に即決済した実績があります。お金も不動産も、独断で動かす前に必ず関係者間で共有することが、後のトラブル防止につながります。
凍結後に口座を引き継ぐための必要書類
金融機関に死亡の事実が伝わると、口座は凍結され、原則として相続手続きが完了するまで出し入れができなくなります。口座を引き継ぐためには、一般的に戸籍謄本(除籍謄本)、相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書などが必要になります。遺言書がある場合は、検認済みの遺言書や法務局の保管証明書も求められます。
これらの書類は、相続税の申告や不動産の相続登記でも繰り返し使うことになるため、まとめて複数部取得しておくと後の手続きが楽になります。「書類が多くて心が折れそうです」という声もよく聞きますが、司法書士や税理士と連携することで、一気通貫で進めることができます。弊社も提携している司法書士事務所や顧問の弁護士・税理士と連携し、不動産の出口戦略までセットでサポートする体制を整えています。
親が亡くなったら、遺産相続・相続放棄の判断は何を見て決める?
相続するか、放棄するか。この判断を焦って決めてしまうと、後から「もっと選択肢があったのに」と後悔するケースがあります。特に実家のような不動産が絡む場合、正しい判断材料を持っておくことが大切です。
- 相続放棄をすると実家(不動産)も手放すことになる
- 現金と訳あり不動産が残った場合の判断材料
相続放棄をすると実家(不動産)も手放すことになる
相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の財産・借金のすべてを受け継がない選択をすることです。注意したいのは、相続放棄は「選んで一部だけ放棄する」ことができない点です。預貯金などの現金資産は受け取りたいが、処分に困る実家だけ放棄したい、という都合のよい使い方はできません。
実家が再建築不可物件(建築基準法上、建て替えができない土地)や共有持分など、いわゆる「訳あり不動産」だった場合、相続放棄を選ぶ方は少なくありません。しかし、相続放棄をすれば現金資産も含めてすべて手放すことになります。弊社では、こうした訳あり不動産を有償買取という形で引き受けることで、所有者の方が現金資産だけは相続できるよう、出口戦略をご提案することも可能です。判断を急がず、まずは選択肢を整理してから決めることをおすすめします。
現金と訳あり不動産が残った場合の判断材料
弊社に寄せられた相談の中に、こんなケースがありました。亡くなった親の遺産を調べたところ、少しの預貯金とともに、地方にある「傾いた実家」が残されていたというご相談です。維持費や固定資産税で赤字になりそうな実家を抱えるよりも、現金を諦めて相続放棄すべきか悩んでいる、という内容でした。
このような場合、まず確認すべきは「訳あり不動産でも有償買取してもらえる可能性があるか」です。仮に現金500万円と、売却が難しい訳あり不動産が残っているケースで、その不動産を100万円で専門業者に買い取ってもらえれば、現金と合わせて400万円を相続できます。一方、相続放棄を選べば手元に残るのは0円です。「相続放棄=安全策」とは限らないことを知っておくと、判断の幅が広がります。弊社では無料査定・秘密厳守で対応しており、相続放棄の期限(3ヵ月)が迫っている場合も迅速にお調べしますので、判断に迷ったらお早めにご相談ください。
0円で手放す前に、まずは確認!。
【親が亡くなったら】相続した不動産で見落としがちな注意点
「とりあえず後で考えよう」と実家を空き家のまま放置してしまう方は少なくありません。ですが、何もしないことが一番のリスクになるケースが多いのが、不動産の怖いところです。特に見落とされがちな注意点を整理しておきます。
- 実家を空き家のまま放置すると固定資産税が6倍になる場合がある
- 空き家は老朽化が早い|放置期間別の劣化スピード
- 再建築不可・共有持分・長屋の実家は売却できる?
- 共有名義のまま相続すると将来の売却が難しくなる理由
実家を空き家のまま放置すると固定資産税が6倍になる場合がある
「とりあえずゆっくり考えよう」と空き家のまま実家を置いておいたところ、管理不全空き家として通告されてしまった、というご相談は実際によくいただきます。固定資産税は、建物が建っている土地よりも、何も建っていない更地のほうが高くなるよう定められています。一見、空き家のままにしておけば税金は変わらないように思えますが、ここに見落としがちな落とし穴があります。
老朽化が著しいと判断され「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定されると、住宅用地の特例(税負担が最大1/6になる軽減措置)が解除され、結果的に固定資産税が最大6倍に跳ね上がってしまうのです。「何もしない」という選択が、実は最もコストのかかる選択になりかねません。空き家を放置するリスクについては、弊社が「いたばしSDGsパートナー」として地域の防犯・防災の観点からも発信を続けている分野であり、定期的な管理か、早期の売却判断のどちらかを選ぶことを強くおすすめしています。
空き家は老朽化が早い|放置期間別の劣化スピード
空き家は、人が住んでいる家と比べて劣化のスピードが圧倒的に早いという特徴があります。人の気配がなくなると、ハクビシンなどの動物が侵入したり、風通しが悪くなることで湿気がこもり、建物内部から腐敗が進みます。シロアリ被害が広がれば、最悪の場合は倒壊にまで至ることもあります。
弊社にご相談いただいた所有者様の中には、空き家期間が5年間に及んでいても、週に一度窓を開けて風通しをしていたケースがありました。この物件は、驚くほど良好な状態を保っており、問題なく売却につながりました。一方で、半年放置しただけでも、風通しを一切していなかった物件は劣化が進んでいることもあります。つまり、放置した「期間」よりも、「管理の有無」のほうが劣化スピードに直結するのです。今すぐ売却を決められない場合でも、最低限の風通しだけは続けることをおすすめします。
再建築不可・共有持分・長屋の実家は売却できる?
「再建築不可物件」「共有持分」「長屋・連棟」といった言葉を聞くと、売却できないのではと不安になる方も多いと思います。ですが、ご安心ください。これらはいずれも弊社が専門に取り扱っている領域であり、一般の仲介会社が敬遠する物件こそ、解決のノウハウが活かせる分野です。
実際の実績として、大田区東糀谷では再建築不可・連棟という「建て替えできない」築古の小規模戸建てを買取し、板橋区向原では他社が敬遠する「借地権の大型長屋」を現状買取しました。いずれも他社では断られ、解決が困難とされていた案件です。「うちの実家もどうせ無理だろう」と諦める前に、一度専門業者に相談してみることをおすすめします。状態や権利関係がどれほど複雑でも、現況のまま、残置物が残ったままでの買取が可能なケースは多くあります。
共有名義のまま相続すると将来の売却が難しくなる理由
実家を兄弟姉妹など複数人で共有名義のまま相続すると、不動産全体を売却するには共有者全員の同意が必要になります。最初は共有者が少なくても、時間が経過するたびに新たな相続が発生し、関係性の遠い親戚にまで権利者が広がっていきます。数十年後には、一つの実家に何人もの所有者がいる状態になることも珍しくありません。
弊社が扱う案件でも、文京区向ヶ丘のように、親族間トラブルによって5年間放置された共有持分20%のみを買取した実績があります。共有者全員の合意が取れなくても、ご自身の持分だけを売却することは可能です。「単独名義にしておくことが大切」とよく言われる理由はここにあり、共有のまま放置するほど、将来の合意形成が難しくなっていきます。早めに単独名義へ整理するか、持分だけでも売却するかを検討しておくと安心です。
【実家に関して】親が亡くなったらしてはいけないこと
「少しでも高く売れるように」「早く片付けてしまおう」という気持ちはよく分かります。ただ、良かれと思って動いた結果、売却の選択肢を自ら狭めてしまうケースは思いのほか多いです。以下の3つは、実家を相続したら特にやってしまいがちなNG行動です。
- 自己判断で解体・セットバックしてはいけない
- 近隣との交渉を自分で進めて関係を壊してはいけない
- 売却前に自分の判断でリフォームしてはいけない
自己判断で解体・セットバックしてはいけない
「再建築不可の実家を相続したので、解体してセットバックすれば建て替えられるはず」と考え、実際に解体まで進めてしまってから「建て替えられなかった」とご相談に来られる方は少なくありません。セットバックが有効なのは、建築基準法42条2項に定められた道路に限られます。法律上の道路に該当しない通路の場合、どれだけ敷地を後退させても再建築は認められません。
この判断ミスは取り返しがつかないことが多く、すでに解体してしまった建物は元には戻せません。「念のため専門家に確認してから動く」ことが、何より大切です。弊社では宅地建物取引士・空き家相談士の資格を持つ代表が、解体やセットバックの判断についても事前にアドバイスしています。「もう解体してしまったかも」と焦る前に、まずは現状を相談していただければ、それでも活用できる方法を一緒に探すことができます。
近隣との交渉を自分で進めて関係を壊してはいけない
再建築不可物件や、隣地との境界に課題がある実家の場合、「自分で隣の方と交渉してみよう」と考える方もいらっしゃいます。ですが、これは慎重に判断すべき行動です。中途半端な交渉で揉めてしまうと、その後の売却自体が難しくなることがあります。不動産は、将来の可能性ごと買い手に評価されるものです。一度こじれた近隣関係は、将来建て替えできる可能性そのものを潰してしまうリスクがあります。
弊社が手がけた板橋区向原の案件では、借地権と連棟という二重の制約を抱え、地元業者からも「権利関係が複雑」として敬遠されていた物件を、地主との名義書換料(譲渡承諾)交渉まですべて代行し、現状買取につなげました。「何もしないことも大切」という判断は、専門知識があるからこそできる選択です。ご自身で動く前に、まずは専門業者に交渉ごと任せてしまうほうが、結果的にスムーズに進むケースが多いです。
売却前に自分の判断でリフォームしてはいけない
「少しでも高く売れるように」という思いから、売却前に自己判断でリフォームを行う方もいますが、これはおすすめできません。実家の購入を検討する層の多くは投資家で、民泊用にするのか、外国人向けにするのか、単身者向けにシンプルにまとめるのか、それぞれ独自の戦略を持っています。投資家の意図と異なるリフォームをしてしまうと、自分で支払った費用が無駄になってしまう可能性があります。
一般個人が住居として購入する場合も同様に、家族構成によって必要な内装は変わってきます。「何もせず、現況のまま引き渡す」ことが、結果的に一番合理的な選択です。弊社では残置物が残ったままの「完全現状渡し」に対応しており、さらに引き渡し後の契約不適合責任(売却後に発覚した不具合への責任)を免除する取引を標準化しています。リフォームにお金をかける前に、まずは現況のまま相談してみてください。
親が亡くなった後の税金の手続き
実家を相続すると、税金の問題は避けて通れません。相続税・固定資産税ともに期限や支払い義務があり、知らずに放置すると追加の負担が発生することもあります。あらかじめ仕組みを把握しておきましょう。
- 相続税の申告期限は10か月以内
- 固定資産税は誰が支払う?
相続税の申告期限は10か月以内
相続税の申告と納税には、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内という期限が設けられています。この期限を過ぎると、無申告加算税や延滞税といった追加の負担が発生する可能性があるため、注意が必要です。10ヵ月という期間は長く感じられますが、遺産分割協議や不動産の評価、必要書類の収集などを考えると、決して余裕のある期間ではありません。
特に実家のような不動産が含まれる場合、評価額の算出に時間がかかることがあります。さらに、再建築不可物件や共有持分のように、一般的な評価方法が当てはまりにくい「訳あり不動産」では、税理士との連携が不可欠です。弊社は提携の税理士・弁護士・司法書士と連携し、相続税の申告から不動産の売却までを一気通貫でサポートできる体制を整えています。期限が迫ってから慌てるのではなく、早い段階で専門家へ相談することをおすすめします。
固定資産税は誰が支払う?
固定資産税は、毎年1月1日時点の不動産の所有者に課税される税金です。親が1月1日時点で所有者だった場合、その年の固定資産税は基本的に親の名義(死亡後は相続人が承継)で課税され、相続人が代わりに支払うことになります。相続人が複数いる場合は、誰がいったん立て替えて支払うのか、後で遺産分割の際にどう清算するのかを、早めに話し合っておくと安心です。
特に注意したいのが、空き家のまま放置してしまった場合です。老朽化が進み「特定空き家」に指定されると、住宅用地の特例が外れ、固定資産税が最大6倍に跳ね上がることがあります。「税金を払うためだけに維持するのはつらい」と感じる方も多いはずです。固定資産税の負担が重荷になってきたら、それは売却を検討する一つのタイミングかもしれません。
親が亡くなった。手続きを後回しにするとどうなる?放置のリスク
「いつかやろう」と先延ばしにした手続きが、後になって大きな負担として返ってくることがあります。特に不動産に関わる手続きは、放置した時間の分だけ問題が複雑になっていきます。後悔しないために、知っておいてほしいリスクが2つあります。
- 相続登記を放置すると罰則がある
- 不動産を共有のまま放置すると相続のたびに権利者が増える
相続登記を放置すると罰則がある
不動産を売却する際には、必ず相続登記を済ませてからでないと売却手続きに進めません。相続登記とは、不動産の名義を亡くなった親から相続人へ変更する手続きのことです。「とりあえず後でやろう」と放置すると、現在は法律上の罰則対象になることもあるため、早めに完了させておくことが重要です。
特に共有者が複数いる場合、相続登記に必要な合意形成自体に時間がかかります。連絡が取りにくい親族がいたり、関係性が複雑な場合は、想定以上に長期化することも珍しくありません。弊社では司法書士事務所と提携しており、相続登記の段取りから不動産の売却まで、ワンストップで相談に対応しています。「相続登記がまだだから売却の相談もできない」と諦める必要はなく、登記の段取りも含めて並行して進めることが可能です。
不動産を共有のまま放置すると相続のたびに権利者が増える
現在、日本にある住宅の多くは戦後に建てられたもので、すでに親世代から孫世代へと相続が進んでいるケースが目立ちます。時間が経過するほど、不動産の権利を持つ世代の幅はどんどん広がっていきます。今後の日本では、これまで経験したことのないレベルで、共有者が複数存在する不動産を扱う時代になると見込まれています。
共有名義のまま放置すればするほど、不動産全体の売却に必要な「全員の同意」を取ることが難しくなっていきます。弊社が手がけた足立区六木の案件では、親族の不幸により「明日までに資金が必要」という切迫した状況の中、誠実な対話と司法書士連携によって、共有持分を1週間でスピード買取した実績があります。共有のまま長期間放置する前に、ご自身の持分だけでも整理しておくことが、将来の負担を減らす最も確実な方法です。
親が亡くなったら困ったときの相談先|役所・士業・不動産の専門業者の使い分け
手続きが複雑になるほど、「誰に相談すればいいのか」が分からなくなってしまいます。役所・士業・不動産業者は、それぞれ得意な領域が違います。適切な窓口を選ぶことが、問題解決の近道です。
- 実家の売却に迷ったら専門業者に相談する
実家の売却に迷ったら専門業者に相談する
相続に関する手続きは、内容によって相談先が異なります。死亡届や年金の手続きは役所、相続税は税理士、相続登記は司法書士、相続放棄や遺産分割で揉めそうな場合は弁護士、というのが基本の使い分けです。一方で、「実家をどう処分すればいいか」という不動産の出口戦略は、これらの士業だけでは解決しきれない領域です。
再建築不可・共有持分・長屋・連棟といった訳あり不動産は、大手の仲介会社や買取会社が「対応できない」と判断し、いったん断られるケースも少なくありません。弊社フィリアコーポレーションは、そうした「他社が断った物件」を最終的に引き受ける「不動産業界のプロが頼るプロ」として、累計1,000件を超える相談実績を積んできました。隣人との交渉、境界測量、残置物の撤去まで、売主が精神的に負担を感じる部分はすべて当社が引き受けます。「どこに相談すればいいか分からない」という複雑な物件こそ、専門業者の知見を頼ってみてください。
\ 無料で安心!まずは査定から /
今すぐあなたの物件をチェック
親が亡くなったら実家に関するよくある質問
Q. 親が亡くなって、実家に関して最初にやるべきことは何ですか?
最初に行うべきは、実家の状態を把握し、空き家として放置しないための管理体制を整えることです。死亡届などの行政手続きと並行して、実家の鍵の管理者を決め、定期的に風通しや見回りができる状態にしておきましょう。空き家は管理の有無によって劣化スピードが大きく変わるため、相続の方向性が決まるまでの「つなぎ」の期間でも、最低限の管理だけは欠かさないことが大切です。
その上で、実家が再建築不可物件や共有持分など、訳あり不動産に該当しないかを確認しておくと、その後の選択肢を考えるうえで役立ちます。弊社は無料査定・秘密厳守で対応しており、親族や近隣に知られたくない「匿名相談」も歓迎しています。早い段階で専門家に相談し、全体像を把握しておくことが、後悔のない判断につながります。
Q. 相続放棄をしたいが、実家の不動産だけ先に処分する方法はありますか?
結論として、相続放棄をした場合、不動産だけを除外して放棄することはできません。相続放棄は、預貯金や不動産を含む財産のすべてを放棄する制度であり、「不動産だけ放棄して現金は受け取る」という選択は認められていません。
実家の不動産だけを先に処分したいのであれば、選択肢は限られます。一つは、両親がご存命のうちに売却を済ませておく方法です。もう一つは、一旦相続をしたうえで、相続後に不動産を売却する方法です。後者を選ぶ場合、訳あり不動産であっても、専門の買取業者であれば現況のまま、残置物が残った状態でも買取が可能なケースが多くあります。相続放棄を決断する前に、一度査定を依頼し、選択肢を比較してから判断することをおすすめします。
Q. 相続した実家が再建築不可物件でも売却できますか?
はい、再建築不可物件であっても売却は可能です。再建築不可物件とは、建築基準法上の道路に接していないなどの理由で、建物を解体した後に新しく建て替えることができない土地のことです。一般の仲介会社では取り扱いに慎重になりがちですが、専門の買取業者であれば現況のまま買い取ることができます。
実際に弊社では、川口市芝富士で道路が接道していないために再建築不可となっていた物件を、リフォーム前提で買取した実績があります。再建築不可物件は通常の不動産と比べて売却相場が3割〜7割ほど低くなる傾向がありますが、エリアや建物の状態によって差が大きいため、複数の専門業者に査定を依頼して比較することが、納得のいく売却につながります。
Q. 親の家を空き家のまま数年放置してしまいましたが、まだ売却できますか?
数年放置してしまった実家であっても、多くの場合まだ売却の可能性は残っています。ただし、2025年の建築基準法改正により、いわゆる「4号特例」が見直され、再建築不可物件などに対して行える工事が軽微な修繕に限定されるようになりました。この兼ね合いで、大規模なリフォームを前提とした活用は難しくなっている点は知っておく必要があります。
とはいえ、軽微な修繕の範囲で住める・貸し出せる状態であれば、専門業者による買取の可能性は十分にあります。劣化が進めば進むほど選択肢は狭まっていくため、「まだ売れるタイミング」のうちに専門の不動産会社に見てもらうことが何より重要です。弊社では空き家・再建築不可・長屋・共有持分といった訳あり不動産を専門に扱っており、他社で断られた物件でも、まずは現状を確認させていただきます。一人で悩まず、早めにご相談ください。
\ 無料で安心!まずは査定から /
今すぐあなたの物件をチェック
当コンテンツの運営、執筆は株式会社フィリアコーポレーションが行っています。 詳細は、コンテンツ制作ポリシー、プライバシーポリシーを参照ください。
越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)
代表ブログへ訳アリ不動産1,000件以上の相談実績を持つ、空き家・再建築不可・長屋・共有持分の専門家。株式会社フィリアコーポレーション代表取締役。現場経験に基づき、訳アリ不動産売却の正しい知識を監修しています。




