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コラム記事
家よりも「土地」にこそ価値があると思いますか?【アンケート結果発表】
公開日 2026年6月15日
最終更新日 2026年6月15日
越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)
代表ブログへ近年、実家の相続や空き家問題が大きな社会現象となっています。特に親から受け継いだ実家が、築年数の経った古い家であったり、「道狭くて建て替えができない(再建築不可)」などの法的制限を抱えていたりする場合、「ボロボロの建物には価値がないのでは?」「売るに売れないのではないか」と一人で不安を抱え込んでしまう方は少なくありません 。
不動産を売却・処分する上で、私たちは「建物」と「土地」のどちらに重きを置くべきなのでしょうか。
今回、全国の男女300人を対象に「実家の空き家・訳あり不動産の価値に関する意識調査」を実施しました。そこから見えてきた、生活者たちが考える不動産の価値の本質と、不動産実務に精通した専門家の視点による具体的な解決策を分かりやすく解説します。
- 調査対象:全国の男女
- 調査期間:2026年6月1日~3日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:300人(女性153人/男性147人)
目次
家よりも「土地」にこそ価値があると思いますか?

アンケートの結果、「そう思う」と「どちらかというとそう思う」を合わせると、全体のちょうど60.0%の人が「不動産の価値の本質は土地にある」と回答しました。建物は時間の経過とともに老朽化し価値が減少していくのに対し、土地という資産に対して普遍的な価値を見出している人が多いことが分かります。
「土地」にこそ価値があると思う理由

アンケートで上位に挙がった「土地に価値があると思う理由」について、1位から5位までの項目を抽出し、不動産実務に精通したプロの視点から見解と具体的な解決策を提示します。
1位:土地は経年劣化しない(34.4%)
建物は築年数とともに傷み、木造住宅であれば経年劣化によって市場価値が下がってしまいますが、土地はどれだけ時間が経っても物理的に劣化して消えてしまうことがありません。この安定性が最大の理由として挙げられました。
【プロの見解】 実務の現場でも、この認識は非常に的を射ています。相続した実家が築年数の経った「ボロボロの空き家」であっても、土地そのものに価値があれば十分に売却は可能です 。 一般的な売り方では「古すぎて買い手がつかない」と言われてしまうような物件でも、訳あり不動産を専門に扱う買取業者であれば、家の中に残ったままの家具やゴミ、不用品を処分する必要がない「完全現況引渡し(現状のまま)」で買い取ることができます 。売主様が事前に高額な片付け費用を出すリスクや手間を負うことなく、土地の価値をそのまま現金化することが可能です 。
2位:供給が限定されている(25.6%)
土地は地球上に存在する量が決まっており、新しく増やすことができません。特に東京や神奈川、埼玉、千葉などの都市部や、かつて賑わった住宅街の中にある土地は、それだけで希少価値があると考えられています。
【プロの見解】 需要があるエリアの土地は貴重ですが、古い住宅街などでは「道が狭くて現在の法律では建て替えができない(再建築不可)」状態になっていたり、隣家と壁がつながっている「長屋(連棟住宅)」になっていたりするケースがあります 。これらは一般の買い手が住宅ローンを組みにくいため、通常の売り方では苦戦しがちです 。 しかし、こうした土地の特性に詳しい専門の買取会社であれば、隣地との調整や法的なハードルをクリアする独自のノウハウを持っています 。そのため、一般的な不動産会社で断られてしまった古い建物や敷地であっても、その土地が持つ潜在的な価値を一から見直して、適切な価格で買い取ることが可能です 。
3位:用途の柔軟性が高い(17.2%)
建物を取り壊して更地にすれば、新しく好みのマイホームを建て直すだけでなく、駐車場として活用したり、誰かに貸し出したりするなど、時代のニーズに合わせて柔軟に使い道を変えられる点が魅力として挙げられました 。
【プロの見解】 用途が広がるのは更地の大きなメリットですが、自己判断で安易に建物を解体してしまうことには非常に大きなリスクが伴います 。 なぜなら、建物を壊して更地にすると、それまで適用されていた「住宅用地の特例(税金の軽減措置)」が解除され、翌年からの固定資産税が最大6倍に跳ね上がってしまう現実があるからです 。さらに、もしその土地が「再建築不可」だった場合は、更地にした後に新しい建物を建てることが一切できなくなります 。建物を無理に壊さず「現状のまま」引き受けてくれる買取会社を選ぶのが、経済的リスクを抑える最も賢い選択肢となります 。
4位:インフレに強い「現物資産」である(12.8%)
現金や有価証券と違い、物価上昇局面でも価値が目減りしにくい現物資産としての強さを評価する声です。インフレ対策としての不動産を意識している回答が目立ちました。
【プロの見解】 土地はインフレに強い優秀な現物資産ですが、親から相続した際に「兄弟姉妹との共有名義」になってしまっていると、全員の意見が一致しなければ売却や活用ができず、資産の強みを活かせないまま身動きが取れなくなるケースが多々あります 。 こうした場合でも、諦める必要はありません。法律上、ご自身の「権利(持分)」のみであれば、他の共有者の同意を得ることなく単独で売却することができます 。複雑な親族間の話し合いに巻き込まれることなく、ご自身の権利を即座に現金化して、将来の相続トラブルや維持管理の責任からスムーズに抜け出す出口が用意されています 。
5位:立地が全てを決定する(10.0%)
建物の状態がどうあれ、最終的な価値を決めるのはエリアや周辺環境といった「立地(ロケーション)」であるという意見です。建物が古くても立地が良ければ価値は残るという合理的な判断です。
【プロの見解】 不動産において立地は非常に重要です。立地が良い場所であれば、たとえ古いアパートや戸建て、狭小地であっても、買取会社はリフォームを施して賃貸物件(収益物件)として再生させたり、独自の運用ルートを活かして活用したりするノウハウを持っています 。 さらに、こうした古い物件を売る際は、引き渡し後に雨漏りやシロアリなどの不具合が見つかっても売主側が一切の修理費用を請求されない「契約不適合責任の免除(免責)」の特約をつけて買い取る会社もあるため、売却後のクレームに怯える必要もなく、安心して大切な資産を整理できます 。
まとめ:アンケートから見えた「土地の価値」と、後悔しない選択への第一歩
今回の意識調査では、全体の60.0%の人が「不動産の価値の本質は家よりも土地にある」と考えていることが分かりました。建物は年数とともに劣化していきますが、経年劣化しない土地には普遍的な価値があり、用途の柔軟性や立地の重要性が高く評価されています。
親から実家や空き家を受け継いだ際、「建物が古くてボロボロだから売れない・活用できない」と諦めてしまう必要はありません。目向けるべきは建物の状態だけでなく、その下が持つ「土地としての可能性」です。
ただし、そのポテンシャルを活かすための出口戦略は、所有者様のご状況や物件の条件によって多岐にわたります。
- 「古家付き土地」や「更地」として仲介市場に出し、一般の買主へ向けた高値売却を目指す
- 解体による固定資産税の増税リスクを考慮し、あえて建物を残したまま引き渡す
- 長屋や再建築不可などの制限がある場合、隣地所有者への売却打診や解体承諾の取得を進める
- 共有名義で意見が合わない場合は、自身の持分に応じた適切な遺産分割や法的な整理を検討する
- 立地の良さを活かし、リフォームを施して賃貸やシェアハウスなどの収益物件として運用する
大切なのは、「古いから」「手続きが複雑だから」と問題を先延ばしにせず、まずはご自身の不動産の現状と客観的な市場価値を正しく把握することです。特定の処分方法に捉われることなく、仲介・更地化・活用など、それぞれのメリットと経済的な影響をフラットに比較検討し、ご家族にとって最も納得のいく選択肢を見つけていきましょう。
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越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)
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