コラム記事

これから先、日本の空き家は増えると思いますか?【アンケート結果発表】

公開日 2026年9月8日

最終更新日 2026年9月8日

監修者
越川直之

越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)

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訳アリ不動産1,000件以上の相談実績を持つ、空き家・再建築不可・長屋・共有持分の専門家。株式会社フィリアコーポレーション代表取締役。現場経験に基づき、訳アリ不動産売却の正しい知識を監修しています。

日本の空き家問題は年々深刻さを増しており、「実家を相続したけれど住む予定がない」「将来、親の家をどう処分すればいいかわからない」といったお悩みを抱える方は決して少なくありません。空き家や訳あり不動産に関して1,000件以上の相談実績を持つ専門コンサルタントの視点からも、空き家を放置することで固定資産税の増額や建物の倒壊リスクなど、大きな負担を抱えてしまうケースを数多く見てきました。

本記事では、200名を対象に実施した「日本の空き家問題に関する意識調査」のアンケート結果を基に、人々が感じるリアルな不安やその背景にある理由を深掘りし、専門家の立場から具体的な解決策やアドバイスをわかりやすく解説します。

  • 調査対象:全国の20代〜60代以上の男女
  • 調査期間:2026年8月1日~5日
  • 調査機関:自社調査
  • 調査方法:インターネットアンケート調査
  • 有効回答数:200人

約9割が「今後も空き家が増える」と実感!アンケートから見えたリアルな現状

「これから先、日本の空き家はもっと増えると思いますか?」という問いに対して、「思う」と回答した人は57.5%、「どちらかと言うと思う」と回答した人は30.5%という結果になりました。これらを合わせると、実に88.0%(約9割)もの人が「今後さらに空き家が増加していく」と実感していることが分かります。

一方で、「どちらかと言うと思わない(8%)」「思わない(4%)」と答えた人はわずか12%にとどまり、多くの国民が日本の空き家増加に対して強い懸念を抱いている現状が浮き彫りとなりました。

なぜこれほど多くの方が「空き家が増える」と感じているのでしょうか。その背景には、個人の家庭事情から社会構造まで、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。

「空き家が増える」と考える理由とは?上位5つの要因を深掘り

「空き家が増えると思う」と回答した方を対象にその具体的な理由を尋ねたところ、生活に密着した不安から構造的な問題まで、切実な理由が上位にランクインしました。第1位から第5位までの回答項目について、プロの視点を交えて詳しく解説します。

第1位:実家を引き継ぐ人がいない(67.8%)

回答者の約7割に迫る67.8%が挙げた第1位の理由は「実家を引き継ぐ人がいない」でした。親世代が大切に維持してきた持ち家であっても、子供世代がすでに都市部で自宅を購入していたり、遠方に定住していたりすることで、実家を引き継ぐ受け皿がないという実態が明確に表れています。

【プロの見解】実家を引き継ぐ人がいない場合、最も危険なのが「対応を後回しにして放置する」ことです。相続登記の義務化や空き家対策特別措置法の強化により、適切に管理されていない空き家は「管理不全空き家」や「特定空き家」に指定され、固定資産税の住宅用地特例(最大6分の1の減額)が解除されて税負担が跳ね上がるリスクがあります。 引き継ぐ予定がないと分かった段階で親族間の意向を確認し、住む予定がない実家は賃貸運用や「現状のままでの売却」など、早めの出口戦略を検討することをおすすめします。

第2位:少子化・人口減少(61.7%)

土地は地球上に存在する量が決まっており、新しく増やすことができません。特に東京や神奈川、埼玉、千葉などの都市部や、かつて賑わった住宅街の中にある土地は、それだけで希少価値があると考えられています。

【プロの見解】 需要があるエリアの土地は貴重ですが、古い住宅街などでは「道が狭くて現在の法律では建て替えができない(再建築不可)」状態になっていたり、隣家と壁がつながっている「長屋(連棟住宅)」になっていたりするケースがあります 。これらは一般の買い手が住宅ローンを組みにくいため、通常の売り方では苦戦しがちです 。 しかし、こうした土地の特性に詳しい専門の買取会社であれば、隣地との調整や法的なハードルをクリアする独自のノウハウを持っています 。そのため、一般的な不動産会社で断られてしまった古い建物や敷地であっても、その土地が持つ潜在的な価値を一から見直して、適切な価格で買い取ることが可能です 。

第3位:地方の過疎化で買い手がつかない(54.8%)

第3位には54.8%で「地方の過疎化で買い手がつかない」がランクインしました。インフラ維持の難しさや生活利便性の低下により、地方都市や郊外の物件はさらに売却が困難になるという見解が多く見られます。

【プロの見解】地方や郊外で一般買主からの買い手がつかない物件であっても、決して諦める必要はありません。一般的な居住用としての売却は難しくても、近年では「古民家活用」「サテライトオフィス」「資材置場」「事業用用地」など、用途を変えた利活用のニーズが存在します。 また、個人への売却が難しい地方物件であっても、空き家再生を専門とする買取業者であれば、独自の活用ノウハウを用いて現状のまま買い取れるケースがあります。弊社でも全国の地方・郊外物件の相談を受けてきましたが、一般的な仲介で何年も売れなかった家が専門買取でスムーズに解決した事例は数多く存在します。

第4位:新築住宅が建て続けられている(47.0%)

第4位は47.0%で「新築住宅が建て続けられている」です。既存の空き家が供給過多になっている一方で、新しい戸建てやマンションが供給され続ける供給ミスマッチに対する疑問の声が上がっています。

【プロの見解】新築住宅の供給が続く市場環境では、築年数が経過した中古物件、特にメンテナンスが行き届いていない空き家は選ばれにくくなります。一般の買主は「新しくて綺麗」「手間がかからない」新築や築浅物件を好むためです。 新築市場と競合する中で古い空き家を売却するには、売主自身が高額なリフォーム費用を負担して売却するか、あるいは価格を大幅に下げて買い手を待つ必要があります。しかし、リフォーム費用を回収できないリスクもあるため、無理な自己投資をせず現状のまま引渡せる専門買取を選択する方が安全です。

第5位:解体費用が高く放置される(42.6%)

第5位は42.6%で「解体費用が高く放置される」でした。古い家を取り壊して更地にしようとしても、昨今の資材高騰や人件費上昇、アスベスト調査の義務化などにより、解体工事費用は上昇傾向にあります。

【プロの見解】木造住宅の解体費用は現在、30坪程度の住宅でも200万円〜300万円以上の費用が必要になるケースも珍しくありません。「壊すのにお金がかかるから」と放置してしまうお気持ちは大変よく分かります。しかし、更地にすると固定資産税の優遇措置が外れて税金が上がる上、壊さないまま放置すれば近隣トラブルや台風等による損害賠償リスクが発生します。 解体費用を出して更地にする余裕がない場合は、無理に解体せず「古家付き土地」としての売却や「現状のままでの買取」を選択することで、自己資金の持ち出しなしで手放すことが可能です。

まとめ:放置リスクを防ぐために、プロへの早期相談を

アンケート結果からも明らかなように、現代の日本では「引き継ぎ手の不在」や「高い解体費用」など、個人の力だけでは解決が難しい理由によって空き家が増加・放置されるスパイラルが生じています。

空き家を放置し続けると、特定空き家への指定による増税や、老朽化による事故・倒壊の賠償責任など、所有者にとって大きな不利益をもたらします。大切なのは、問題が深刻化する前に、不動産や相続のプロへ早期に相談することです。専門家であれば、権利関係の整理から税金面の節税対策、現状のままでの売却手続きまで、状況に合わせた最適な解決策を提示できます。

当コンテンツの運営、執筆は株式会社フィリアコーポレーションが行っています。 詳細は、コンテンツ制作ポリシー、プライバシーポリシーを参照ください。

監修者
越川直之

越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)

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