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コラム記事
隣人が「どんな人か」を知っていますか?【アンケート結果発表】
公開日 2026年9月9日
最終更新日 2026年9月9日
越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)
代表ブログへ日本の過疎化や核家族化、そしてライフスタイルの変化に伴い、隣人関係の希薄化や空き家問題が深刻な社会問題となっています。「隣に誰が住んでいるか分からない」「実家を相続したが、ご近所との付き合い方が分からない」といった悩みを抱える方も少なくありません。
1,000件以上の空き家や訳あり不動産の相談実績を持つ株式会社フィリアコーポレーションの視点から、最新のアンケート調査データをもとに、近隣関係の現状とそこに潜む不動産リスク、そして解決策について分かりやすく解説します。
- 調査対象:全国の20代〜60代男女
- 調査期間:2026年8月10日~20日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットアンケート調査
- 有効回答数:200人
目次
隣人が「どんな人か知らない」人が約6割!希薄化するご近所関係

今回のアンケート調査において、「隣人がどんな人かを知っていますか?」と質問したところ、「知っている(12%)」「どちらかと言うと知っている(23.5%)」を合わせた肯定派は35.5%にとどまりました。
一方で、「どちらかと言うと知らない(33%)」「いいえ(31.5%)」を合わせると、全体の約64.5%(約6割)の人が隣人の人となりを知らないという実態が明らかになりました。
隣人を知らないと答えた人にその理由を尋ねたところ、第1位は「共働きで会う機会が皆無」で、全体の55.0%にあたる71人が回答しました。現代のライフスタイルの変化により、日中に顔を合わせる機会自体が大幅に減少していることが分かります。
近隣関係が希薄化すると、普段の生活には支障がないように思えますが、不動産の維持管理や相続、将来の売却という場面で予期せぬリスクを引き起こす要因となります。
不安や理由の深掘り:ご近所と距離を置く理由と専門家の見解

アンケートで判明した「隣人を知らない理由」の上位5位について、それぞれの背景と不動産管理のプロとしての見解を解説します。
第1位:共働きで会う機会が皆無(55.0%)
日中は仕事で家を空けている家庭が多く、生活リズムのすれ違いから隣人と会う機会が物理的に存在しないという理由が最多となりました。
【プロの見解】生活スタイルの違いにより顔を合わせないこと自体は不自然ではありません。しかし、日中に誰もいない状態が続くと、万が一の災害や不審者の侵入、漏水、建物の損壊といった異変が生じた際に発見が遅れるリスクがあります。特に戸建て物件や空き家を所有している場合は、定期的な現地確認や防犯対策を実施し、管理体制を整えておくことが防犯・防災の観点から推奨されます。
第2位:何かあれば管理会社を通せばいい(45.0%)
賃貸マンションや分譲マンションに住む人に多く見られる回答で、直接の交渉を避けトラブルを未然に防ぐために管理会社を頼る傾向が伺えます。
【プロの見解】マンションなどの集合住宅であれば管理会社の仲介は有効な手段です。しかし、これが戸建て住宅や相続した実家の場合は注意が必要です。戸建てや自主管理の物件には管理会社が存在しないため、越境した樹木の手入れや境界問題、建物の老朽化による被害などが発生した際、当事者同士で解決しなければならなくなります。連絡先すら知らない状態が続くと、問題解決が長期化しやすくなります。
第3位:隣に誰が住んでいようが自分には関係ない(38.0%)
プライベートな領域を守りたいという意識や、他者への無関心が背景にある回答です。
【プロの見解】個人としてのライフスタイルは尊重されるべきですが、不動産所有者としての「法的責任」からは切り離せません。例えば、建物の老朽化によって外壁が崩落したり、害虫や悪臭が近隣へ及んだりした場合、所有者は損害賠償責任を問われる可能性があります。「自分には関係ない」と管理を怠ってしまうと、思わぬ法的・金銭的トラブルを引き起こすリスクがあるため注意が必要です。
第4位:あえて距離を置く(28.7%)
過去のトラブル経験や、過度な付き合いによるストレスを避けるため、意図的に一定の距離を保っているケースです。
【プロの見解】トラブル防止の手段として、適切なディスタンスを保つことは有効なリスク管理と言えます。ただし、完全に意思疎通の手段を断ってしまうと、将来的に不動産を売却・処分する際の「境界立ち会い」や「工事前の承諾」といった手続きで話し合いが難航する場合があります。普段から深い付き合いをする必要はありませんが、最低限の挨拶や緊急連絡先の共有など、ゆるやかな繋がりを維持しておくのが実務的にもスムーズです。
第5位:ご近所トラブルを避けたい・関わりを減らしたい(21.7%)
深い付き合いをすることで人間関係のトラブルに巻き込まれたくないという心理が働いています。
【プロの見解】トラブルを避ける意識自体は自然なものですが、関わりを恐れるあまり不動産の管理や相続手続きを後回しにしてしまうと、危険空き家として行政指導を受けたり、固定資産税の優遇措置が解除されて税負担が増加したりする恐れがあります。トラブルを避けつつ問題を解決したい場合は、個人で解決しようとせず専門家を間に挟むことが有効です。
まとめ
今回の調査から、多くの方が隣人との関係を希薄に保ちながら生活している実態が明らかになりました。普段の生活において適度な距離感を保つことは心の平穏を守る上で有効ですが、こと「不動産の所有・管理・処分」というフェーズにおいては、コミュニケーションの欠如が解決を困難にさせる大きな障壁となります。
放置された空き家や老朽化した不動産は、時間が経つほど資産価値が下がるだけでなく、近隣への悪影響から法的なトラブルに発展するリスクが高まります。ご自身だけで近隣との調整や手続きを行うのが難しいと感じた場合は、事態が深刻化する前に、実績のある専門家へ相談することが解決への第一歩となります。
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越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)
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