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コラム記事
境界非明示の土地でも売れる?費用や売却方法まで解説【2026年10月最新】
公開日 2026年10月5日
最終更新日 2026年10月6日
- 境界非明示の意味や起こる原因、売却時に潜むリスクと特約の注意点が整理できます
- 測量せず現況のまま売却できる方法と、費用負担の判断ポイントが分かります
- 境界非明示の土地の売却にお悩みなら、フィリアコーポレーションにご相談ください。
- 測量・境界確定をせずに現況のまま買取可能で、売主様の費用負担は一切発生しません
- 引き渡し後の契約不適合責任を免除し、将来のトラブルの不安も解消します
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越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)
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境界非明示とは?
「境界非明示」という言葉、初めて目にした方も多いのではないでしょうか?文字どおり、土地の境界がはっきり示されていない状態を指すのですが、これだけ聞くと少し不安になりますよね。まずは境界非明示の意味、似た言葉との違い、そして明示する義務があるのかという3つの視点から整理していきます。
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境界非明示の意味
境界非明示とは、簡単に言うと「境界標が立っていない土地」のことです。本来、土地を売るときは隣地の所有者立ち会いのもとで境界を確定させる確定測量を行い、境界標を設置してから引き渡すのが一般的な流れとなっています。
測量をして、お互いの土地の境目に目印を打ち込んでおく。これが済んでいれば、将来「ここからここまでが自分の土地」ともめる心配はありません!

ところが実際には、この手順を踏まないまま流通している土地が一定数あります。それが境界非明示の土地です。境界標がない、あるいは位置が曖昧なまま、「境界は明示しません」という条件付きで取引される土地が存在するのです。本来は避けたい状態ですが、こうした理由ある土地が実務上決して珍しくないのも事実です。
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境界明示・境界確定との違い
境界に関する言葉はいくつも出てくるので、ここで整理しておきましょう。「境界明示」は隣地の所有者と一緒に境界の位置を確認し合う行動そのものを指し、その結果として境界の位置が法的に定まった状態を「境界確定」と呼びます。境界明示という作業を経て、境界確定という結果にたどり着く、という順番になるのです。

測量にも種類があり、混同しやすいので整理しておきます。
| 用語 | 内容 |
| 確定測量 | 隣地・行政の立ち会いのもとで境界を法的に確定させる測量(費用目安:戸建1宅地で50万円〜70万円、大きい土地で100万円程度) |
| 現況測量 | 立ち会いなしで現状の形状だけを測る測量。境界を確定させる効力はない |
「測量図はあるのに境界非明示」という土地は、たいていこの現況測量止まりのケースです。
では、なぜ本来あるべき境界明示が行われないまま売買されてしまうのか。実は境界明示には隣地の方の立ち会いと押印が必要になります。悪いことではないのですが、押印に抵抗を感じる方や、立ち会いの日程調整が面倒だという理由で、境界が確定しないまま取引されてしまうケースが、不動産の現場では実際に存在するのです。
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公簿売買・実測売買との関係
売買の進め方にも2パターンあります。
| 方式 | 内容 | 特徴 |
| 実測売買 | 確定測量で実際に測った面積をもとに代金を決める方式 | 面積が確定してから代金を決めるぶん、引き渡しまでの期間は長くなりがち |
| 公簿売買 | 登記簿に記載されている地積をそのまま使って進める方式 | 測量なしでも売買できる |
実務上は、確定測量自体は行っても、実測した面積での代金精算まではしないケースが多いのが実情です。つまり境界ははっきりさせつつ、代金のやり取りは登記簿上の面積のまま進める、というパターンが少なくありません。
そのため、登記簿上の面積と実際の面積にズレが生じたまま取引されることもあり、実測面積が登記簿より小さいことを「縄縮み」、大きいことを「縄伸び」と呼びます。私自身が実際に経験した案件では、この差が約30平方メートルに及んだこともあり、決して珍しい話ではないのです。
土地の境界を明示する義務はあるのか
実は、境界明示に法令上の義務はありません。とはいえ、公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)が作成する売買契約書のテンプレートには、売主が境界を明示する条項が入っていることが多いのです。この書式を使う場合は、契約の上では明示することが前提になってきます。
境界非明示のまま売買を進めたいときは、明示義務を免除する特約を入れておくと安心でしょう!

では、実務上はどんな場面で境界明示が必要になってくるのでしょうか?
- 分筆する土地:分筆には確定測量が前提になるので、境界確定が必要になってきます
- 土地活用(融資を利用する場合):金融機関の担保評価に関わるため、境界確定が求められることが多いです
義務ではなくても、境界が確定していれば次の買主は安心しますよね。とはいえ、一宅地として使うだけなら、測量費用をかけてまで境界を明示しないケースが、実務では意外と多いものなのです。
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境界非明示はなぜ存在するのか
境界非明示は、なぜ存在するのでしょうか?
測量をして境界標を設置すれば済むはずなのに、実際には境界が曖昧なまま流通している土地が少なくありません。その背景には、現場でよく見かける3つの理由があります。
古い登記・測量未実施のまま引き継がれた
昔からある土地ほど、境界が曖昧なまま代々受け継がれているケースが目立ちます。周辺に新しい建物が建たないような落ち着いたエリアでは、測量をするきっかけ自体がなく、何十年も前の状態のまま引き継がれてしまうことが多いのです。

また、建物が古いと境界標そのものが紛失していることも珍しくありません。コンクリート杭や金属プレートは、時間の経過とともに土に埋もれたり、工事の際に撤去されたりしてしまうもの。境界標が見当たらなければ、どこからどこまでが自分の土地なのかを正確に示す手がかりがなくなってしまいます。
売主に悪意があるわけでも、何かトラブルがあったわけでもなく、単純に測量する機会がないまま時間だけが過ぎてしまった、というのが境界非明示のよくある理由のひとつです。
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境界標の紛失・移動、隣地との認識のずれ
自然災害や工事の影響で境界標が失われてしまうこともあれば、残念ながら、何者かが意図的に境界標を抜いてしまうケースも実際にあります。
境界標は本来勝手に動かしてはいけないもので、損壊や移動は刑法上の境界損壊罪に問われる可能性もある行為です。

このように境界標そのものがなくなると、隣地の所有者との間で「ここまでが自分の土地のはず」という認識にズレが生じやすくなります。こうした場合は、過去の測量資料をもとに境界を再現できることもあるので、焦らず資料を確認することが大切です。
もし近隣から測量の相談を持ちかけられたら、できるだけ協力しておくのがおすすめです。協力しておけば、将来自分が売却するときに境界を巡るトラブルを避けやすくなります。
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隣地の立会い・合意が得られないケース
境界を確定させるには、隣接する土地の所有者全員の合意が欠かせません。ところが、この合意がなかなか得られないケースも実務ではよくあります。

そもそも古い地積測量図は、精度にばらつきがあります。平成17年以降に作成されたものは現地での復元がしやすい一方、それより前の測量図は境界の位置を正確に示せないものが少なくありません。こうした土地で改めて境界確定をしようとすると、隣地所有者との話し合いが必要になってくるのです。
合意が得られない理由としてよくあるのが、実印を押すことへの抵抗感や、立会いの日程調整の面倒さです。さらに相続が発生していて、所有者が遠方に住んでいたり、連絡が取れない状態になっていたりすることもあります。誰か一人でも合意が得られなければ、境界は確定せず、非明示のまま取引せざるを得なくなります。
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境界非明示の土地に潜むリスク・デメリット
境界非明示の土地には、見えにくいリスクがいくつも潜んでいます。トラブルや資産価値の低下につながることも少なくありません。ここでは、境界非明示だからこそ注意しておきたい6つのリスクを順番に見ていきましょう!
隣地との境界トラブルに発展しやすい
境界が曖昧なまま所有者同士が何となく使っている土地は、ちょっとしたきっかけで隣地トラブルに発展しやすいものです。塀や植栽が相手の敷地にはみ出していたことが後から判明したり、ブロック塀や排水溝といった共有物の管理費や所有権を巡って意見が食い違ったりすることも珍しくありません。
さらに厄介なのが、建築や開発への支障です。境界が確定していないと、建築確認申請そのものが通らず、工事を進められないケースもあります。こうした問題がこじれると、法的な紛争に発展し、時間的にも精神的にも大きな負担を背負うことになってしまいます。一度ギクシャクしてしまうと、それまで良好だったご近所付き合いにもヒビが入りかねません。
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越境(塀・樹木・配管等)が判明するおそれ
境界をチェックするときは、線の位置だけでなく「越境」の有無も必ず確認しておきたいところです。越境には、隣地の木の枝が伸びてきている、ブロック塀が境界をまたいでいる、屋根や雨樋がはみ出している、給排水管が隣地の下を通っているなど、いろいろなパターンがあります。もちろん逆に、自分の家の設備が隣地側へ越境しているケースも珍しくありません。

厄介なのは、境界非明示で売買する特約を結んでいても、それだけですべての責任が免除されるとは限らないという点です。土地の一部が実際には隣家の所有地にかかっていたり、越境物の存在が誰の目にも明らかだったりする場合、特約があっても売主の責任が問われる可能性があります。特に、越境している事実を知っていながらあえて説明しなかったようなケースでは、なおさらです。
なお、越境している樹木の枝については、2023年の民法改正で、催告しても切ってもらえない場合や所有者が不明な場合には、越境された側が自分で切除できるようになりました。実務上は、越境が見つかればまず隣地に相談してみることで、たいてい対応してもらえるものです。
越境トラブルで実際に起きた事例については、以下の記事で紹介しています。
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実際の面積・利用範囲が確定できない
公簿面積(登記簿に記載された面積)と、現況面積(実際に使える面積)がずれていることもあります。たとえば、隣地のブロック塀や物置が実質的に自分の土地側に食い込んでいて、その部分が事実上使えなかったり、逆に自分の土地が隣家の敷地として扱われていたりするケースです。
こうしたズレがあると、思っていたより庭が狭い、駐車スペースが確保できないといった形で、希望する使い方ができなくなるおそれがあります。前にお話しした縄縮み・縄伸びとも重なる話ですが、面積のズレは数字の問題だけでなく、実際の利用範囲にも直結する問題なのです。
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将来の測量・境界確定に費用と時間がかかる
境界が未確定のまま土地を持っていると、将来いざ建て替えや分筆、担保の提供をしようとしたときに、あらためて境界確定が必要になります。隣接地の所有者との立会いや協議、図面作成、登記といった手続きが発生し、決して安くない費用がかかってしまうのです。
目安としては、戸建1宅地で50万円〜70万円程度、期間は通常3か月程度ですが、長引けば半年〜1年ほどかかることもあります。(詳しい費用の内訳は、後ほど改めて説明します。)
さらに、隣地との関係がこじれていたり、立ち会いを拒否されたりすると、手続きがさらに長期化することもあります。「そのうち測量すればいい」と先延ばしにするほど、後になって時間もお金もかかる可能性があるのです。
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売却が難しく資産価値が下がりやすい
土地を売ろうとすると、買い手はまず「どこからどこまでが自分のものになるのか」を正確に知りたがります。境界がはっきりしない土地は、それだけで「トラブルの種」とみなされ、買い手から敬遠されがちです。結果として、売却価格が下がったり、そもそも取引自体が成立しなかったりすることも珍しくありません。
仲介業者も境界トラブルに巻き込まれるのを避けたいので、境界非明示の物件には慎重になる傾向があります。仲介は成約金額に応じた手数料が収入源なので、価格が安く、引き渡し後にトラブルが起きやすい物件ほど、仲介会社にとって積極的に動きにくい案件になってしまうのです。
こうして買い手も仲介業者も及び腰になった結果、境界が不明確な土地は市場での評価そのものが下がり、資産としての価値が目減りしていってしまいます。
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相続時に権利関係の整理が難航する
境界が曖昧なまま相続すると、分筆や売却の手続きが思うように進まなくなることがあります。相続人が複数いる場合、境界確定には全員の合意が必要になるため、意見がまとまらずに手続きが止まってしまうこともあるのです。
さらに厄介なのは、相続を重ねるたびに所有者がどんどん増えていくことです。今は判断できる人数でも、次の代、その次の代と相続が進むにつれて、権利関係はより複雑になっていきます。時間が経てば経つほど、合意形成のハードルは上がっていくのです。

また、隣地側の所有者が空き家や相続未登記で連絡が取れない場合は、筆界特定制度を使って筆界を明らかにするという方法もありますが、この手続きにも半年から1年ほどの期間がかかります。まだ動ける今のうちに手を打っておくことが、結果的に家族の負担を減らすことにつながるのです。
相続で権利関係が複雑化する仕組みは、以下の記事で詳しく解説しています。
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境界非明示の土地は住宅ローンを組める?
結論から言うと、境界非明示の土地は住宅ローンの審査にマイナスに働きやすい物件です。金融機関は面積や境界がはっきりしていることを前提に担保評価額を出すため、境界非明示だと将来トラブルや面積誤差のリスクがあるとみなされ、フルローンが通りにくくなったり、評価額を数%〜1割ほど減額されたりすることがあります。
このように担保評価が下がると、住宅ローンを使いたい買主にとっては選択肢が狭まり、買える人そのものが限られてしまいます。買主が限られれば、それだけ市場での流動性も下がるということです。だからこそ、現金で直接買い取る買取という選択肢が有効になってきます。
長屋のローン審査が厳しい理由と共通点については、以下の記事で詳しく解説しています。
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境界非明示の土地を明示・確定する費用はいくら?
境界を明示・確定する際は、売主・買主・隣地所有者・土地家屋調査士など、複数の関係者が連携しながら手続きを進めていきます。住宅ローン審査の際に金融機関から境界確定を求められるケースもあるため、費用や流れを事前に把握しておくと安心です。ここでは、費用相場と負担者という2つの観点から見ていきましょう!
確定測量の費用相場
確定測量の費用は、一般的な戸建1宅地であれば50万円〜70万円程度が目安です。面積が広い土地では100万円程度かかることもあります。
| 項目 | 目安 |
| 費用(戸建1宅地) | 50万円〜70万円 |
| 費用(大きい土地) | 100万円程度 |
| 期間(通常) | 3か月程度 |
| 期間(長引いた場合) | 半年〜1年 |
なお、前面道路や水路など官有地と接していて官民境界の確認が必要になる場合は、さらに費用も期間もかかる傾向にあります。正確な金額は土地ごとの条件によって変わってくるため、事前に複数の土地家屋調査士へ見積もりを取っておくと安心です。

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測量費用は売主・買主どちらが負担するのか
測量費用は、慣習として「売主負担」になるケースが多いです。土地を売る側に境界を明示する責任があるとされてきたことに由来しますが、法律で定められているわけではないので、事前に買主と合意できれば、買主負担や双方での分担にすることも可能です。
実務上も、測量費用を売主負担とする条件は少なくありません。査定額自体は高くても「測量費用は売主負担」という条件が付いているケースもあるので、複数の会社に相談するときは、金額だけでなく引き渡し条件まで見比べることが大切です。
どちらが負担するにしても、後々のトラブルを避けるために、費用の分担について契約書の特約条項にきちんと明記しておきましょう。
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境界非明示特約とは?契約時の注意点
境界非明示特約とは、売主が境界を明示せず、確定義務も負わないことを買主が承諾する特約です。本来、売主には境界を明示して引き渡す義務がありますが、この特約で責任を一部免除できます。意味と有効性、典型ケース、文言の記載例、免除されない場合という4つの観点から見ていきましょう!
境界非明示特約の意味と法的な有効性
境界非明示特約とは、売主が境界を明示せず、確定測量も行わないまま引き渡すことを買主があらかじめ承諾する特約のことです。境界明示に法令上の義務はないため、この特約自体は法律上有効とされています。

ただし全宅連(全国宅地建物取引業協会連合会)が作成する契約書の書式には、売主が境界を明示する条項が入っていることが多く、この書式を使う場合は契約上の明示義務が生じます。だからこそ、境界非明示のまま売買するなら、明示義務を免除する特約をきちんと入れておく必要があるのです。
この特約を使う売主側のメリットは、測量や隣地立会いの手間を省き、早く処分できる点にあります。たとえば、離れた土地や馴染みのない地域を相続したものの、時間や費用をかけて測量・立会いまでする余裕がなく、とにかく早く手放したいというケースでよく使われています。
なお、特約があればすべての責任が免除されるわけではありません。この点については、後ほど詳しく見ていきます。
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特約が使われる典型ケース(相続・空き家・古い土地等)
境界非明示特約は、だいたい次のような状況で選ばれることが多いです。ご自身の土地がどのケースに近いか、確認してみてください。
- 相続に伴う売却:境界標が失われ、隣接地所有者の協力も得にくいケース。相続人が遠方で疎遠だと、測量・立会いの負担が特に重くなります。なお相続登記が済んでいないとそもそも売却できず、共有者が複数いればさらに合意形成に時間がかかります
- 空き家・長期未利用地の処分:所有者が長年現地に足を運んでおらず、地積測量図や境界標が残っていないケース
- 山林・農地の売却:一度も実測されないまま登記されており、地目上の面積と現況が乖離しているケース
- 低額・狭小地の売買:売買価格が数十万円〜100万円程度と低く、確定測量費用が売買額に見合わないケース
- 隣地との越境が予見される場合:越境の可能性に気づきつつも、問題の顕在化を避けたいケース。ただしこの場合は告知義務違反に問われる可能性があるため、特に慎重な判断が求められます
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特約の文言・記載のポイント
特約を結ぶときのポイントは、内容を曖昧にせず、はっきりと明文化しておくことです。
売買契約書には「売主は本物件の境界を明示せず、また確定測量等の義務を負わない」といった形で、境界非明示である旨を明記し、重要事項説明書でも同様の説明を行う必要があります。
あわせて「隣地との越境の有無が確認されていないこと」「将来的な測量は買主の負担で行うこと」といった実務上の影響についても記載しておくと、買主の理解がより深まります。

ただし注意点があります。売主が宅建業者で買主が宅建業者でない場合、契約不適合責任を全面的に免除する特約は、宅地建物取引業法40条により無効となる可能性があります。特約を入れれば何でも免責されるわけではない、という点は押さえておきましょう。
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契約不適合責任が免除されない場合
特約があっても、売主の責任がすべて免除されるわけではありません。次の3つのケースでは、後から責任を問われる可能性があります。
越境を把握していながら黙っていたケース
売主自身が隣地との越境や境界を巡るもめ事を把握していたにもかかわらず、それを買主に伝えないまま取引した場合は、告げるべきことを告げなかったとして責任を追及されることがあります。
契約書への記載が甘かったケース
特約の内容が契約書にしっかり書き込まれておらず、口約束程度で済ませてしまった場合は、そもそもその特約自体が有効だったのかどうかを、あとから問われてしまうことがあります。
誰が見ても越境が分かるケース
ブロック塀や屋根、庭木などが明らかに境界を越えている、あるいは土地の一部が実際には隣家の所有地にかかっている、といった事実が一見して分かる場合は、たとえ特約があっても責任を免れないことがあります。
また、売主が宅建業者で買主がそうでない場合は、契約不適合責任を全面的に免除する特約そのものが、宅地建物取引業法40条により無効となることもあります。
境界非明示特約は、あくまで「境界をきっちり確定させる義務」を免除するものであって、「知っていることを黙っていてよい」という意味ではありません。この違いを押さえておくことが、売主にとって一番大切なポイントです。

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境界非明示の土地を売却する方法
境界非明示の土地でも、買主に理解してもらえればそのまま売却することは可能です。ただし契約不適合責任が問われるリスクや、買い手が見つかりにくいという現実もあります。ここでは、境界非明示の土地を売却するための5つの方法を見ていきましょう!
確定測量を行い境界を明示してから売る
もっとも王道なのが、土地家屋調査士に依頼して確定測量を行い、境界をはっきりさせてから売る方法です。古い図面や登記簿、隣地所有者との立会いをもとに正確な境界を特定し、境界標を設置したうえで「境界確認書」を取り交わします。
境界が確定していれば、買主も安心して購入できるので、買主の不安を根本から解消できる方法といえます。ただし、これまでお話ししてきたとおり、費用も時間もかかりますし、隣地の協力が得られなければ前に進められないという難しさもあります。
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筆界特定制度を利用する
隣地の協力が得られない場合でも、法務局の筆界特定制度を使えば、筆界(登記上の境界)を公的に明らかにすることができます。
これは土地所有者が単独で申請できる制度で、隣接地所有者の同意は不要です。そのため、隣地所有者と合意できなかった場合や、相続未登記・所有者不明で連絡が取れない場合でも、淡々と手続きを進められるのが強みです。期間の目安は半年〜1年程度で、裁判に比べると手続きは簡単で、費用も抑えやすくなっています。

ただし注意点があります。筆界特定制度で明らかになるのはあくまで「筆界」であり、実際の所有権の範囲(所有権界)まで確定するわけではありません。隣地所有者の承諾を得たわけではないので、この制度で境界を特定しても、売買の際には依然として境界非明示として扱われます。その旨は、買主にきちんと説明しておく必要があります。
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境界確定訴訟による解決
隣地との合意がどうしても得られず、筆界特定制度でも解決しない場合、最終手段として裁判所に境界確定訴訟を起こすという方法もあります。訴訟になれば、裁判所が最終的な法的判断を下してくれるので、決着はつきます。
ただし、これは簡単に選べる道ではありません。判決が出るまでには長い時間がかかり、弁護士費用などの金銭的な負担も小さくないのです。何より、裁判という形になれば、隣地との関係はほぼ確実に悪化してしまいます。将来にわたって顔を合わせる相手であることを考えると、よほどのことがない限り、最後の手段として位置づけておくのが現実的でしょう。
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隣地と話し合い境界確認書を交わす
隣地との境界確認は、まず何より対話がすべてです。感情的にならず、古い測量図や資料をもとに、冷静に話し合いを進めましょう。必要であれば、土地家屋調査士などの専門家に同席してもらうのも有効です。
実務上、隣地側が立会いに応じてくれない理由として一番多いのは「面倒だから」という単純な理由です。印鑑を押すことへの抵抗感も、よく挙がる理由の一つです。こうした場合は、粘り強く説得するしかありません。境界確定は、隣地にとっても決して悪い話ではなく、自分の土地の範囲がはっきりすることで、将来その土地を売却するときにも役立つという点を、理路整然と伝えることが大切です。
話し合いで境界の位置が一致したら、その内容を境界確認書として書面に残し、双方で署名・押印しておきましょう。口頭の合意だけでは、年月が経つうちに「言った言わない」のトラブルになりかねません。境界確認書があれば、将来その土地を売却するときにも、境界に関する重要な証拠書類として活用できます。
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専門の買取業者に現況のまま売却する
ここまで紹介してきた4つの方法は、いずれも隣地との交渉や法的手続きが前提になります。時間も労力もかかりますし、必ずしもうまくいくとは限りません。
そこでもう一つの選択肢になるのが、専門の買取業者に現況のまま売却する方法です。買取専門業者であれば、測量も境界確定も行わず、今ある状態のままで買い取ることができます。隣地との話し合いに疲れてしまった方や、時間をかけずに手放したい方には、現実的で有力な選択肢といえるでしょう。

次の章では、境界非明示の土地でも「現況のまま」買取できる理由について、詳しくお伝えしていきます。
買取と仲介の違いを詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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境界非明示でも「現況のまま」売却できる|買取という選択肢
ここまで、境界非明示の土地を売却する方法をいくつか見てきました。実は当社は、境界非明示のまま現況で買い取ることを基本方針としており、買取価格への影響もそれほど大きくありません。境界非明示の土地だからといって、あきらめる必要はないのです。ここでは、買取という選択肢がなぜ有効なのか、3つのポイントから見ていきましょう!
買取なら測量しなくてよい理由
なぜ買取なら、測量をせずに売却できるのでしょうか?理由はシンプルで、買取業者は境界非明示を前提に物件を評価するからです。測量や境界確定を売主側にお願いすることはなく、境界が非明示だからといって、買取価格が大きく下がることもないのです。
もちろん、将来分筆して販売するような大きな土地については、買取後に当社が自社の費用で確定測量を行うことがあります(目安は50万円〜70万円、大きい土地で100万円程度)。これは当社側の負担で行うことなので、売主様に費用が発生することはありません。再販する際も、分筆が必要な土地だけ測量を入れ、一宅地として使うような物件は、境界非明示のまま投資家へ売却するケースがほとんどです。
実際、これまで境界非明示のまま取引して、引き渡し後にトラブルになったことはほとんどありません。「自分の土地だと思っていた」と隣地から言われたこともほぼないのが実情です。
弊社では掘削承諾など近隣トラブル全般の買取実績もございます!
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残置物・手間なくスピード現金化できる
買取なら、残置物の片付けも近隣への挨拶も、売主様にお願いすることはありません。家の中に荷物が残ったままでも、そのままの状態で引き渡していただいて大丈夫です。
当社は現況のままでの買取を条件としているので、売主様に準備していただくことを極力減らし、手離れよく売却していただくことを大切にしています。独自の調査スキームにより、最短1週間ほどで現金化が可能で、契約と決済を同日に行うこともできます。とにかく早く、手間をかけずに手放したいという方には、買取が現実的な選択肢になるはずです。
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契約不適合責任が免責される安心
境界非明示の土地を売ると、「引き渡した後に何か言われるのでは」という不安を感じる方も少なくありません。実際、当社にご相談くださる売主様が一番よく口にされる不安も、この契約不適合責任についてです。
当社の買取では、この契約不適合責任を免除する条件を標準にしています。引き渡し後に越境や境界のズレが見つかったとしても、売主様が追加の対応や費用を求められることはありません。境界が非明示のままだと、通常の売買ではどうしても後から何か言われるかもしれないという不安がつきまといますが、買取であればその不安そのものを手放すことができるのです。
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株式会社フィリアコーポレーションの対応実績数まとめ

| 種別 | 対応実績数 |
| 空き家 | 146件 |
| 再建築不可 | 92件 |
| 長屋・連棟 | 60件 |
| 共有持分 | 25件 |
※2026年10月時点
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よくある質問
ここでは、境界非明示の土地について、よく寄せられる5つの質問にお答えします。気になる疑問から、先にチェックしてみてください!
境界非明示を解決する費用はいくら?
結論から言うと、確定測量の費用は50万円〜70万円程度が目安です。土地の大きさや権利者の数によって変わり、広い宅地では100万円を超えるケースもあります。隣地との立会いが難航すると、さらに時間も費用もかさみがちです。正確な金額は物件ごとに異なるため、まずは専門業者に見積もりを相談してみるのがおすすめです。
土地の境界を明示する義務はあるか?
結論から言うと、境界明示に法令上の義務はありません。ただし分筆や融資を使った土地活用を考えているなら、やっておいた方が安心です。もし隣地から測量への協力を求められたら、応じておくのがおすすめです。自分の土地の範囲もはっきりしますし、将来自分が売却するときにも役立ちます。
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境界確認書がない場合どうすればいい?
結論から言うと、境界確認書が見当たらない場合は、まず隣地の方にコピーをもらえないか確認してみましょう。それでも手に入らなければ、現況のまま売却するという選択肢もあります。過去に境界確認をした事実さえ残っていれば、買主側が引き渡し後に隣地と接触して確認書を得ることも可能です。ただし、境界確認書がない旨は、契約時にしっかり説明しておく必要があります。
境界非明示にメリットはある?
結論から言うと、メリットはあります。売主にとっては、測量や隣地との交渉の手間を省き、早期の現金化につながる点が大きいです。隣地に売却を知られずに進められるのも利点です。一方、買主にとっては価格交渉の材料になります。ただしリスクも伴うので、不安な方は買取での売却を検討してみてください。
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境界ブロックは誰が負担する?
結論から言うと、基本的には隣地との協議で決めます。自分の敷地内に収める内積みなら全額自己負担になりますが、その分自分の土地が少し減ってしまいます。一般的には、境界線上にブロックを設置し、費用を折半するケースが多いです。トラブルを避けるためにも、設置前に隣地としっかり話し合っておきましょう。
まとめ
ここまで、境界非明示の意味や理由、リスク、費用、特約の注意点、そして売却方法まで見てきました。最後にお伝えしたいのは、「測量は何のために行うのか」という視点です。分筆や土地活用のために必要な場合もあれば、既存の建物をそのまま活かすだけなら、土地の正確な大きさはそこまで気にならないケースも多いのです。
境界が未確定だからといって、売却をあきらめる必要はありません。隣地との交渉に時間と労力をかけるより、境界非明示のまま現況で売却する、という選択肢も十分に現実的です。当社では、再建築不可・長屋・共有持分などと境界の問題が重なった物件こそ、むしろ主力として数多く扱ってきました。境界のことで悩んでいる方は、ひとりで抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください!
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越川直之 (宅地建物取引士 / 空き家相談士)
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